「既知」(読み方:「きち」)という言葉は、「既知の事実」「既知の知識」などの形でよく用いられています。

とはいえ、それほど日常的に頻繁に用いる語ではなく、具体的にどのようなことを表すのか、また近い意味のある「周知」「関知」「熟知」「承知」と比べてどのような違いがあるのか、中には疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「既知」の意味と使い方、また「周知」「関知」「熟知」「承知」との違いや対義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「既知」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「既知」の意味と使い方を見ていきましょう。

「既知」の意味は?

まず、「既知」には「すでに知られていること、知っていること」という意味があり、「それよりも前の時点で知られていることや知っていること」を表す語となっています。

また、「既知」は「すでに」を意味する「既」と「知る」を意味する「知」から構成されており、「既」が「知」を修飾する形で成り立っている熟語です。

「既知」の使い方は?

次に、「既知」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「参加したセミナーのプログラムには、思いの外既知の情報が多かった」

「中級者向けとあったから購入したが、その本の内容は既知のものが多く物足りなさを感じた」

「今日集めたメンバーは皆既知の間柄だ」

「既知の情報と新たな知識を結びつけて新しいアイディアを捻出する」

「その自然数に関する問いは数学では既知の問題だ」

「物理学者は電気について既知とされない知見もあると考えている」

「欧州人たちはアメリカへ渡り、現在は既知とされる土地や遺跡を次々と発見し、世界を広げていった」

「科学者は実験で観察された現象を必ずしも既知ではないと考えている」

このように「既知」は、「既知の~」「既知とする」「既知である」といった形で使用します。

「既知」と「周知」「関知」「熟知」「承知」との違いは?

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次は、「既知」と似た意味を表す「周知」「関知」「熟知」「承知」という語との違いについて見ていきましょう。これらの語の意味は以下とされています。

「周知」:広く知られていること、広く知らせること。

「関知」:あることに関係し、その事情について知っていること。

「熟知」:細かなところまでよく知っていること。

「承知」:事情などを知っていること。

そして、これらの語と「既知」の使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「既知」の対義語は?」を解説!/

「周知」:「彼が退職することはすでに周知の事実だ」(彼が退職することはすでに多くの人が知っている事実だ)

「関知」:「彼が退職することをすでに知っていたが、関知していない」(彼が退職することをすでに知っていたが、その退職については関係していないし事情も知らない)

「熟知」:「彼ほどこの仕事を熟知している社員はいない」(彼ほどこの仕事をよく知っている社員はいない)

「承知」:「彼が退職することはすでに知っていたし、承知している」(彼が退職することはすでに知っていたし、その退職する理由も知っている)

「既知」:「今朝彼の退職が従業員に周知されたが、だいぶ前に彼から直接話を聞いていたため、自分にとっては既知の事実だった」(彼の退職が従業員に周知されたが、だいぶ前に彼から直接話を聞いていたため、自分にとってはすでに知っている事実だった)

つまり、「周知」は「(周囲の関係者など)多くの人が知っていること、もしくは広い範囲の人に知らせること」「既知」は「すでに知っていること、または知られていること」を表すというニュアンスの違いがあります

また、「関知」は「あることに関係している上、そのことについて知っていること」を表しその知っていることに「関係している」という点で「既知」とは異なると考えられるでしょう。

そして、「熟知」は「詳しく知っていること」を表しており、「知っている」を修飾する語が「既知」とは異なると言えるでしょう。

さらに、「承知」は「ある事柄の事情などを知っていること、わかっていること」を表し「知っている」対象の意味を含む点で「既知」とは異なります

「既知」の対義語は?

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では、次に「既知」の対義語である「未知」について見ていきましょう。まず「未知」は「まだ知られていないこと、まだ知らないこと」を表し、使い方を「既知」と比較すると以下のようになります。

「経済学は私にとって未知の分野だ」(経済学は私にとってまだ知らない分野だ)

「経済学においてとのようなタイミングで行動すれば効果を最大化できるかという問いは既知の問題だ」(経済学においてとのようなタイミングで行動すれば効果を最大化できるかという問いはすでに知られている問題だ)

このように、「未知」は「既知」と反対の意味を持った言葉です。

「既知」と「周知」「関知」「熟知」「承知」の意味は違うので場面に応じて使い分けよう

以上、「既知」の意味と使い方、「周知」「関知」「熟知」「承知」との違い、そして対義語である「未知」についてまとめました。

この言葉は「すでに知っていることや知られていること」を表し、「既知の間柄」(互いにすでに知っている関係)、「既知の知識」(すでに得ている知識)などの形で用いられています。

また、「周知」は「多くの人、広範囲の人に知られていることや知らせること」を表し、「周知の事実」と形では「多くの人が知っている事実」を表すでしょう。

そして、「関知」は「あることに関係していて、そのことについて知っていること」を表し、「関知している事情」と言うと「関係し、知っている事情」を表します。

一方、「熟知」は「よく知っていること」を表し、「熟知した知識」と書くと「よく知っている知識」という意味となるでしょう。

さらに、「承知」は「事情などを知っていること」を表し、「事件のことは承知している」では「事件のことについて知っている」という意味となります。

「知っていること」という点で意味は共通ですが、それぞれの意味は明確に異なるので、ケースに応じて、どの部分を強調したいかで使い分けることができるでしょう。

「既知」にはまた、「まだ知らないこと」を表す「未知」という対義語があり、「既知」と反対の意味を表した時に、「未知の問題」(まだ知られていない問題)といった形で用いることができます。

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言葉の意味

「既知」の意味と使い方・例文・「周知」「関知」「熟知」「承知」との違い・対義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「既知」(読み方:「きち」)という言葉は、「既知の事実」「既知の知識」などの形でよく用いられています。

とはいえ、それほど日常的に頻繁に用いる語ではなく、具体的にどのようなことを表すのか、また近い意味のある「周知」「関知」「熟知」「承知」と比べてどのような違いがあるのか、中には疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「既知」の意味と使い方、また「周知」「関知」「熟知」「承知」との違いや対義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「既知」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「既知」の意味と使い方を見ていきましょう。

「既知」の意味は?

まず、「既知」には「すでに知られていること、知っていること」という意味があり、「それよりも前の時点で知られていることや知っていること」を表す語となっています。

また、「既知」は「すでに」を意味する「既」と「知る」を意味する「知」から構成されており、「既」が「知」を修飾する形で成り立っている熟語です。

「既知」の使い方は?

次に、「既知」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「参加したセミナーのプログラムには、思いの外既知の情報が多かった」

「中級者向けとあったから購入したが、その本の内容は既知のものが多く物足りなさを感じた」

「今日集めたメンバーは皆既知の間柄だ」

「既知の情報と新たな知識を結びつけて新しいアイディアを捻出する」

「その自然数に関する問いは数学では既知の問題だ」

「物理学者は電気について既知とされない知見もあると考えている」

「欧州人たちはアメリカへ渡り、現在は既知とされる土地や遺跡を次々と発見し、世界を広げていった」

「科学者は実験で観察された現象を必ずしも既知ではないと考えている」

このように「既知」は、「既知の~」「既知とする」「既知である」といった形で使用します。

「既知」と「周知」「関知」「熟知」「承知」との違いは?

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次は、「既知」と似た意味を表す「周知」「関知」「熟知」「承知」という語との違いについて見ていきましょう。これらの語の意味は以下とされています。

「周知」:広く知られていること、広く知らせること。

「関知」:あることに関係し、その事情について知っていること。

「熟知」:細かなところまでよく知っていること。

「承知」:事情などを知っていること。

そして、これらの語と「既知」の使い方を比較すると以下のようになります。

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