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「情景」の意味と使い方・例文・「光景」「景色」「風景」「景観」との違いは?現役記者がサクッと解説!

「情景」(読み方:「じょうけい」)という言葉は、「~の情景」などの形でよく用いられています。

概ね意味は分かる、もしくは想像が付くという人が多いかと思いますが、具体的にこの言葉はどのようなことを表すのか、また近い意味のある「光景」「景色」「風景」「景観」とはどのような違いがあるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「情景」の意味と使い方、また「光景」「景色」「風景」「景観」と比較しながらそれぞれの違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「情景」の意味と使い方・「光景」「景色」「風景」「景観」との違い

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それでは、始めに「情景」の意味と使い方を説明していきます。

「情景」はまた、「状景」とも書くことができます。

「情景」の意味は?

まず、「情景」には「心にある感情を生じさせる風景や場面」という意味があり、「心を通じて感じ取る景色、心に何かを感じさせる風景や場面」を表す語となっています。

また、「情景」は「心、気持ち」「有り様」を意味する「情」と「有り様、景色」を意味する「景」から構成されており、「心動かす景色」というように成り立っているとも、似た意味の漢字を重ねることで成り立っているとも考えられる熟語です。

「情景」の使い方は?

次に、「情景」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「買い物の途中に商店街で母娘の微笑ましい情景を目にする」

「その感動的な情景に涙をこらえることができなかった」

「彼が描く歴史的な情景描写は臨場感に溢れていた」

「休日の公園を散歩していると、親子連れの和やかな情景を目にすることが多い」

「無邪気に今その時を楽しんでいた、まだ幼い時分の情景が目に浮かんだ」

「その作品には、庶民の生き生きとした情景が描写されている」

「犬が子どもにじゃれるほのぼのとした情景が目に留まる」

「目を閉じ、歌声を耳にするだけで情景が浮かんだ」

「その歌詞は都会的なセンスに溢れ、情景が目に浮かぶようだった」

「彼女が猫の役を演じている情景を想像しただけで思わず笑いがこみ上げた」

このように、「情景」は「~な情景」「~の情景」「~とした情景」「情景が~する」「情景を~する」といった形で用いられます。

「光景」の意味と使い方は?「情景」との違いは?

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それでは、次は「情景」の類義語である「光景」の意味と使い方、また「情景」との違いについて見ていきましょう。

まず、「光景」は「目に映る景色や物事の様子」「多く人を感動させたり、刺激したりする風景や場面」を表し、たとえば以下のように用いることができます。

「ガラス越しに、十階の高さから外の光景を広く見渡すことが出来た」

「トンネルを抜けると、そこは真っ白な光景であった」

「客間に足を踏み入れると、恐ろしい光景が眼の前に現われた」

「僕らは自分が感動した光景や書物のことを夜通し話した」

「光景」はこのように、単に「目に映る景色や物事」をも意味しますが、「情景」と同様の「心動かされる風景や場面」という意味でも使われます。

ただし、どちらかと言うと、恐ろしい場面や刺激的な場面に対しては「光景」を使うことが多いでしょう。

「景色」の意味と使い方は?「情景」との違いは?

それでは、次に似た語である「景色」の意味と使い方、また「情景」との違いについて見ていきましょう。

まず、「景色」は「山や川などの自然の眺め」「物事の有様」を表し、たとえば以下のように用いることができます。

「富士山を望むカフェで美しい景色を堪能しながらお茶を飲む」

「その小説が描写する街の夜の様子は、遙か南国の夏の夜の景色のように思われた」

「車で山林を進んでいくほどに周囲の景色の中から民家が少なくなっていった」

「彼はしばらく景色を眺めたが、やがて退屈して外へ出て行った」

このように、「景色」は単に「目に映る有り様や場面」を意味し、「心動かされる」有り様や場面を意味する「情景」とは明確にニュアンスが異なります。

「風景」の意味と使い方は?「情景」との違いは?

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それでは、次に似た語である「風景」の意味と使い方、また「情景」との違いについて見ていきましょう。

まず、「風景」は「目に映る広い眺め、景色」「その場のありさま」を表し、たとえば以下のように用いることができます。

「写真の最後の一枚は、公園のベンチのあたりを中心にした風景だった」

「彼女はそこで選手たちの練習風景を眺めるのが日課になっていた」

「壮大な琵琶湖の風景を一望できるテラス席で心地よい時間を過ごす」

「あの賑やかな商店街の風景は、今は全く地上から姿を消してしまっていた」

このように、「風景」は「目に映る広い眺め、もしくはその場の様子」を表しており、「景色」とほぼ同じ意味を持っていますが、「風景」は「目に映る姿が快い自然の眺めや好感が持てる(感じが良い)人の様子などに対して用いる」というニュアンスの違いがあります。

「景観」の意味と使い方は?「情景」との違いは?

それでは次は、似た語である「景観」の意味と使い方、また「情景」との違いについて見ていきましょう。

まず、「景観」は「観賞する価値のある眺め」「優れた景色」を表し、たとえば以下のように用いることができます。

「アルプス山脈の壮観な景観に誰もが口をつぐんだ」

「ウェールズの景観は多くの観光客を惹きつけてやまない」

「この路線が人気なのは、宇治川の景観を楽しむことができるからだ」

「この街では景観を損なわないように看板を設置することは禁止されている」

このように、「景観」は「価値のある」「優れた」といった意味を除けば「景色」「風景」と同じ意味を持っています。

「情景」「光景」は心動かされる「風景」や「景色」、「景観」は素晴らしい「風景」や「景色」

以上、「情景」の意味と使い方、「光景」「景色」「風景」「景観」との違いについてまとめました。

これらの語はそれぞれ自然の眺めや何らかの場面を表しますが、「情景」「光景」は単なる眺め・景色や様子といったものではなく「心に何かの感情や印象を生じさせる景色や場面」を表します。

それに対して、「景色」は「自然の眺めや物事の有り様」「風景」は「快い(広い範囲の)眺めや好ましい人の場面」。そして、「景観」は「優れた景色や風景」といったように「情景」とは明確なニュアンスの違いがあります。

たとえば、何か心に感じ入るものがある場面を描写するには「情景」か「光景」、単に美しい自然の眺めについて述べる場合には「景色」。そして、見ていて感じの良い場面や快い印象をもたらす景色について表す場合には「風景」、素晴らしい景色や風景について表現する場合には「景観」といったように使い分けることができます。

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