「甚だしい」(読み方:「はなはだしい」)という言葉は、「~も甚だしい」「甚だしい~」などの形でよく用いられています。

とはいえ、この言葉は具体的にどのようなことを表しているのか、また「著しい」(いちじるしい)といった近い意味のある語とはどのような違いがあるのか疑問を抱くこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「甚だしい」の意味や語源と使い方、また「著しい」との違い、そして類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「甚だしい」の意味と語源・使い方・例文・「著しい」との違い

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それでは、以下に「甚だしい」の意味や語源と使い方、また「著しい」との違いを説明します。

「甚だしい」の意味は?

まず、「甚だしい」には「程度が激しい」という意味があり、「何かの程度が一般のものよりもはるかに越えていること」を表します。

「甚だしい」の語源は?

次に、「甚だしい」の語源・由来を紹介します。

そもそも「甚だしい」は、奈良時代には使われていた副詞の「甚(はなは)だ」が形容詞化した語で、当時においても「甚だ」は「非常に、ひどく」などの意味を持っていました。

また、この「甚だ」の由来としては、「極端」を意味する「甚(はだ)」という語から、これを重ねた「はだはだ」が変化して「はなはだ」になったとも、「目立つもの」を意味する「花(はな)」を前に置いて「はなはだ」になったとも言われています。

「甚だしい」の使い方は?

次は、「甚だしい」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「新入社員が入社早々に有給休暇を取得したいと言ってきた。まったく非常識も甚だしい」

「この回線は混雑する時間帯になると通信速度の低下が甚だしい」

「息子は大学に入ってから勉強はそっちのけでアルバイトばかりをしているようだが、本末転倒も甚だしい」

「この地域では大学の進学率低下が甚だしい」

「今回の地震による甚だしい被害に、報道陣の前で大臣は遺憾の意を示した」

「パーティーでのあの司会者の挨拶には甚だしく不適切な内容があった」

「ダムの水位は甚だしく低下しており、ついに断水が始まるそうだ」

このように、「甚だしい」は「~も甚だしい」「~が甚だしい」「甚だしい~」「甚だしく~」といった用法があります。

「甚だしい」と「著しい」の違いは?

次に、似た意味を表す「著しい」という語との違いについて見ていきましょう。

「著しい」には「はっきりと目立つさま、顕著である」といった意味があり、「甚だしい」と使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「甚だしい」の類義語は?」を解説!/

「著しい」:「この地域は朝と昼の気温差が著しい」(この地域では朝と昼の気温にはっきりとしした差がある)

「甚だしい」:「彼は社用の携帯電話でプライベートの通話をしたり勤務時間中に私用の電話をしたりしているようだが、公私混同も甚だしい」(彼は社用の携帯電話でプライベートの通話をしたり勤務時間中に私用の電話をしたりしているようだが、公私混同があまりにもひどい)

つまり、「著しい」は「何かの度合いがはっきりと目立つ様子」を表しますが、「甚だしい」は「(主に望ましくない状態について)何かの程度が激しい」ことを表すというニュアンスの違いがあります。

「甚だしい」の類義語は?

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それでは、次に「甚だしい」の類義語・類語である「夥(おびただ)しい」について見ていきましょう。

「夥しい」には「程度がひどい、程度が激しい」「数や量がひどくたくさんある」といった意味があり、その使い方は以下のようになります。

「この辞書はところどころページが抜け落ちていて読みにくいこと夥しい」

「仕事全てを押し付けた上司こそ無責任なこと夥しい」

「腹部からあふれる夥しい出血に、さしもの救急隊員にも焦りが見えた」

「大会当日には広場は夥しい数の若者で溢れた」

このように、「夥しい」も「程度が激しい」ことを意味する場合は、悪いことや望ましくない状態について述べるときに使います。

また、上記の例文において、1番目と2番目の「夥しい」は「程度がひどい」こと、3番目と4番目の「夥しい」は「数や量がたくさんある」ことを意味していますので、後者を「甚だしい」で言い換えると不自然な印象を与えることになるので注意しましょう。

「甚だしい」の言い換え表現は?

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それでは、次に「甚だしい」の言い換え表現について見ていきましょう。

例えば、「今回の災害では甚だしい被害に見舞われた」という文ならば、微妙なニュアンスの違いはありますが、以下のように言い換えることができます。

\次のページで「「甚だしい」と「夥しい」は程度がひどいこと、「著しい」は何かの程度が目立つ様子を表す」を解説!/

「今回の災害では夥しい被害に見舞われた」

「今回の災害では大変な被害に見舞われた」

「今回の災害では凄まじい被害に見舞われた」

「今回の災害ではとてつもない被害に見舞われた」

「今回の災害では大きい被害に見舞われた」

「今回の災害では尋常でない被害に見舞われた」

「今回の災害では相当な被害に見舞われた」

このように、「甚だしい」は文脈によっては様々な語で言い換えることができますが、その程度の度合いが変わったり、より口語的になったりと文の印象は変化するので、場面に応じて使い分けると良いでしょう。

「甚だしい」と「夥しい」は程度がひどいこと、「著しい」は何かの程度が目立つ様子を表す

以上、「甚だしい」の意味と使い方、「著しい」との違いについてまとめました。

この言葉は「程度が激しい」ことを表し、主に何らかのあまり望ましくはないことについて述べる場合に用います。

また、「甚だしい」は、古語の副詞「甚だ」が形容詞化したもので、「甚だ」という形では奈良時代にはすでに使われていた言葉です。

一方、「著しい」にも近い意味がありますが、この語は「程度がはっきりと目立つ様子」、つまり何かの変化や違いなどが明白なことを表すというニュアンスの違いがあります。

そして、類義語である「夥しい」は「程度が激しい」と「数や量がたくさんある」を表しており、「程度が激しい」という意味で使う場合において、類義語と言えるでしょう。

さらに、「甚だしい」は文脈によってはさまざまな語で言い換えることができますが、違った印象を与える場合もあるので、意識して使い分けると良いかと思います。

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言葉の意味

「甚だしい」の意味と使い方・例文・「著しい」との違い・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「甚だしい」(読み方:「はなはだしい」)という言葉は、「~も甚だしい」「甚だしい~」などの形でよく用いられています。

とはいえ、この言葉は具体的にどのようなことを表しているのか、また「著しい」(いちじるしい)といった近い意味のある語とはどのような違いがあるのか疑問を抱くこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「甚だしい」の意味や語源と使い方、また「著しい」との違い、そして類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「甚だしい」の意味と語源・使い方・例文・「著しい」との違い

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それでは、以下に「甚だしい」の意味や語源と使い方、また「著しい」との違いを説明します。

「甚だしい」の意味は?

まず、「甚だしい」には「程度が激しい」という意味があり、「何かの程度が一般のものよりもはるかに越えていること」を表します。

「甚だしい」の語源は?

次に、「甚だしい」の語源・由来を紹介します。

そもそも「甚だしい」は、奈良時代には使われていた副詞の「甚(はなは)だ」が形容詞化した語で、当時においても「甚だ」は「非常に、ひどく」などの意味を持っていました。

また、この「甚だ」の由来としては、「極端」を意味する「甚(はだ)」という語から、これを重ねた「はだはだ」が変化して「はなはだ」になったとも、「目立つもの」を意味する「花(はな)」を前に置いて「はなはだ」になったとも言われています。

「甚だしい」の使い方は?

次は、「甚だしい」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「新入社員が入社早々に有給休暇を取得したいと言ってきた。まったく非常識も甚だしい」

「この回線は混雑する時間帯になると通信速度の低下が甚だしい」

「息子は大学に入ってから勉強はそっちのけでアルバイトばかりをしているようだが、本末転倒も甚だしい」

「この地域では大学の進学率低下が甚だしい」

「今回の地震による甚だしい被害に、報道陣の前で大臣は遺憾の意を示した」

「パーティーでのあの司会者の挨拶には甚だしく不適切な内容があった」

「ダムの水位は甚だしく低下しており、ついに断水が始まるそうだ」

このように、「甚だしい」は「~も甚だしい」「~が甚だしい」「甚だしい~」「甚だしく~」といった用法があります。

「甚だしい」と「著しい」の違いは?

次に、似た意味を表す「著しい」という語との違いについて見ていきましょう。

「著しい」には「はっきりと目立つさま、顕著である」といった意味があり、「甚だしい」と使い方を比較すると以下のようになります。

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