「関心」(読み方:「かんしん」)という言葉は、「~に関心がある」「~に関心が高まる」などの形でよく用いられています。

さまざまな場面で頻繁に用いられている語ではありますが、中には似た意味のある「感心」「意欲」「興味」「留意」といった語とはどのような違いがあるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「関心」の意味と使い方、また「感心」「意欲」との違い、そして類義語である「興味」「留意」について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「関心」の意味と使い方・例文・「感心」「意欲」との違い

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それでは、始めに「関心」の意味と使い方、また「感心」「意欲」との違いを見ていきましょう。

「関心」の意味は?

まず、「関心」には「ある事柄に心を引かれ注意を払うこと、気にかけること」といった意味があり、「何かの物事に心を引かれてそれに注目したり気にかけたりすること」を表します。

「関心」の使い方は?

次に、「関心」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼の両親は教育への関心が高い」

「彼は歴史に関心があり、常日頃から歴史小説や古文書を読んで知識を蓄えている」

「その製品は食物アレルギーのある人々の関心を集めた」

「彼は最近食事や栄養に関心を寄せるようになった」

「息子はうちの家業にまったく関心を示さない」

「現在の関心事はもっぱら株式に関連したことで、注目銘柄の株価情報は特に注視している」

「彼はビジネスについては詳しいが政治には無関心だ」

このように、「関心」には「~に関心がある」「~に関心が高い」「関心を~」といった用法があり、また「関心事」「無関心」といった形でも使われます。

「関心」と「感心」「意欲」の違いは?

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では次に、似た意味を表す「感心」「意欲」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、「感心」と「意欲」には以下のような意味があります。

「感心」:立派な行為や優れたものに心動かされること、心に深く感じること。

「意欲」:積極的に物事をやろうとする意思。

そして、これらの語と「関心」の使い方を比較すると以下のようになります。

「感心」:「途上国に住む若者たちのハングリー精神に感心した」(途上国に住む若者たちのハングリー精神を優れたものだとして心動かされた)

「意欲」:「その企業では未経験でも意欲のある人を求めている」(その企業は未経験でも積極的に仕事をやり抜こうとする意思のある人を求めている)

「関心」:「環境問題は各国で高い関心を集めている」(環境問題には各国で大きな注意を払っている)

\次のページで「「関心」の類義語は?」を解説!/

つまり、「感心」は「行為や物事に心を動かされ、感動すること」「意欲」は「何かを積極的にしようとする意思」「関心」は「何かに心を引かれ、それに対して注意を払ったり気にかけたりすること」を表すというニュアンスの違いがあります。

「関心」の類義語は?

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それでは、次に「関心」の類義語である「興味」「留意」について見ていきましょう。

「関心」と「興味」の違いは?

まず、「興味」には「面白いと感じて心が引かれること」といった意味があり、「関心」と使い方を比較すると以下のようになります。

「興味」:「彼女は最近陶芸に興味を持ち始めて陶芸教室に通うことを考えている」(彼女は最近陶芸を面白いと感じ始めて陶芸教室に通うことを考えている)

「関心」:「学生がスポーツに関心を持つことは心身を鍛えることにつながるとして推奨されている」(学生がスポーツに心を引かれて注目することは心身を鍛えることにつながるとして推奨されている)

このように、「興味」は、「関心」の意味にはない「面白いと感じて」という意味を含むと同時に、「注目すること」といった「関心」の意味に含まれる何かに関係していくという意味を含みません。

「関心」と「留意」の違いは?

そして、「留意」には「ある物事に心を留めること、気を配ること」といった意味があり、「関心」と使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「関心」は「感心」「意欲」とは明確な違いがあり、「興味」「留意」とは微妙な違いがある」を解説!/

「留意」:「健康に留意することは40代ともなれば当然のことだ」(健康について気を配ることは40代ともなれば当然のことだ)

「関心」:「病気になったときを考えて、医療には常に関心を持っています」(病気になったときを考えて、医療には常に興味を持ち、注意を払っています)

このように、「留意」には「心を引かれる」という意味は含まれません。そのため、「留意」は「興味を持った上で気にかける」という「関心」の「きにかける」という部分だけを表していると言えるでしょう。

「関心」は「感心」「意欲」とは明確な違いがあり、「興味」「留意」とは微妙な違いがある

以上、「関心」の意味と使い方、「感心」「意欲」との違い、類義語についてまとめました。

この言葉は、「何かに心を引かれてそれに注意を払うこと」を表し、「~に関心がある」「~に関心が高い」「関心を~」や「無関心」「関心事」といった形やで使われます。

また、「感心」や「意欲」にも似た意味を表しますが、「感心」は「何かに心動かされること」「意欲」は「何かに積極的にしようとする意思」という意味を持っているため、明確に「関心」とは違うと理解できるでしょう。

一方、「関心」の類義語である「興味」や「留意」にも近い意味がありますが、「興味」には「面白い」という感情が含まれ、「留意」には「心を引かれる」という意味が含まれないことから「関心」とはニュアンスが異なります。

このような、「関心」と「感心」「意欲」の明確な違い、「興味」「留意」との微妙なニュアンスの違いに留意して、場面に応じて使い分けると良いでしょう。

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言葉の意味

「関心」の意味と使い方・例文・「感心」「意欲」との違い・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「関心」(読み方:「かんしん」)という言葉は、「~に関心がある」「~に関心が高まる」などの形でよく用いられています。

さまざまな場面で頻繁に用いられている語ではありますが、中には似た意味のある「感心」「意欲」「興味」「留意」といった語とはどのような違いがあるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「関心」の意味と使い方、また「感心」「意欲」との違い、そして類義語である「興味」「留意」について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「関心」の意味と使い方・例文・「感心」「意欲」との違い

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それでは、始めに「関心」の意味と使い方、また「感心」「意欲」との違いを見ていきましょう。

「関心」の意味は?

まず、「関心」には「ある事柄に心を引かれ注意を払うこと、気にかけること」といった意味があり、「何かの物事に心を引かれてそれに注目したり気にかけたりすること」を表します。

「関心」の使い方は?

次に、「関心」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼の両親は教育への関心が高い」

「彼は歴史に関心があり、常日頃から歴史小説や古文書を読んで知識を蓄えている」

「その製品は食物アレルギーのある人々の関心を集めた」

「彼は最近食事や栄養に関心を寄せるようになった」

「息子はうちの家業にまったく関心を示さない」

「現在の関心事はもっぱら株式に関連したことで、注目銘柄の株価情報は特に注視している」

「彼はビジネスについては詳しいが政治には無関心だ」

このように、「関心」には「~に関心がある」「~に関心が高い」「関心を~」といった用法があり、また「関心事」「無関心」といった形でも使われます。

「関心」と「感心」「意欲」の違いは?

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では次に、似た意味を表す「感心」「意欲」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、「感心」と「意欲」には以下のような意味があります。

「感心」:立派な行為や優れたものに心動かされること、心に深く感じること。

「意欲」:積極的に物事をやろうとする意思。

そして、これらの語と「関心」の使い方を比較すると以下のようになります。

「感心」:「途上国に住む若者たちのハングリー精神に感心した」(途上国に住む若者たちのハングリー精神を優れたものだとして心動かされた)

「意欲」:「その企業では未経験でも意欲のある人を求めている」(その企業は未経験でも積極的に仕事をやり抜こうとする意思のある人を求めている)

「関心」:「環境問題は各国で高い関心を集めている」(環境問題には各国で大きな注意を払っている)

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