言葉の意味

「傾倒」の意味と使い方・例文・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「傾倒」(読み方:「けいとう」)という言葉は、「~に傾倒する」などの形でよく用いられています。

この言葉には複数の意味がありますが、それほど日常的に頻用する語ではなく、具体的にどのような場面で用いるのか、また似た意味のある「夢中」「熱中」「没頭(ぼっとう)」「心酔(しんすい)」という語とどのような違いがあるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「傾倒」の意味と使い方、また類義語である「夢中」「熱中」「没頭」「心酔」との違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「傾倒」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「傾倒」の意味と使い方を説明します。

「傾倒」の意味は?

まず、「傾倒」には「傾き倒れること」「ある物事に心を傾けて夢中になること」という複数の意味があります。

しかし、一般的には上記のうちの後者の意味で用いられており、「ある物事に心を引かれてそのことだけに夢中になること」。そして、「ある人物を尊敬し一途に憧れること」を表すときに用いる語となっています。

また、「傾倒」は「かたむく」ことを意味する「傾」と「たおれる」「状態が甚だしい」ことを意味する「倒」から構成された熟語で、「状態がひどく傾く」という意味から「何かにひどく向かう」となり上記の意味になったと考えられます。

「傾倒」の使い方は?

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次に、「傾倒」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「周囲ではスピリチュアルに傾倒している人が多い」

「過剰なまでに利益至上主義に傾倒することは危険だ」

「太宰治は芥川龍之介に傾倒していたといわれている」

「彼は健康と動物愛護の観点からヴィーガンダイエットに傾倒している」

「筆者の夏目漱石への傾倒ぶりが文章にも表れている」

「傾倒」の類義語は?

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それでは、次に「傾倒」の類義語である「夢中」「熱中」「没頭」「心酔」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになっています。

「夢中」:一つの物事に心を奪われて我を忘れること。

「熱中」:他のことを忘れて、一つの物事に心を注ぐこと。

「没頭」:他を顧みず、一つの事だけに深く心を傾けること。

「心酔」:ある物事に心を奪われ熱心に心を注ぐこと。ある人の人柄や業績などに感じ入り心から尊敬すること。

「傾倒」と「夢中」「熱中」「没頭」「心酔」の違いは?

それでは、「傾倒」と「夢中」「熱中」「没頭」「心酔」はどのように違うのでしょうか、これらの語の互いの意味の違いについて見ていきましょう。

これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「傾倒」は「心酔」とほぼ同じ意味を持ち「夢中」「熱中」「没頭」とは違いがある」を解説!/

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