「精進」(読み方:「しょうじん」)という言葉は、「~に精進する」などの形でよく用いられています。

といっても日常的に頻繁に用いる語ではなく、具体的にどのような意味があるのか、また近い意味のある「頑張る」「尽力」「努力」といった語とどのような違いがあるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「精進」の意味と使い方、また類義語である「頑張る」「尽力」「努力」、そして言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「精進」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「精進」の意味と使い方を説明していきます。

「精進」の意味は?

まず、「精進」には以下のような複数の意味があります。

1. 一心に仏道の修行に励むこと。

2. 心身を清め行いを慎むこと。

3. 菜食をすること。

4. 一つのことに懸命に励むこと。

上記の中でも主に「一つのことに懸命に励むこと」の意味で用いられ「一つのことに集中して努力すること」を表す語となっています。

「精進」の語源は?

それでは、次に「精進」の語源・由来を説明していきます。

「精進」の語源、大本はサンスクリット語にあると言われ、この語は「苦しみと戦う」、つまり、苦悩を消し去るために勇敢に立ち向かっていくことを表現する時に使われたそうです。

この意味は「仏道の修行に励むこと」といった意味ですので、これがより一般的なことに使われうようになったことで「懸命に励むこと」の意味になったと考えられます。

また、この言葉は、仏教伝来と共に日本に伝わりましたが、そこで「心身を清め、けがれを取ること」を意味する「潔斎(けっさい)」という言葉と結びついて「精進潔斎」と言われるようになったとのこと。

そして、「精進潔斎」における「潔斎」の意味も「精進」に含まれることになり、「精進」という言葉だけで「酒肉を断ち、身をつつしむこと」を意味するようになったそうです。

こうして、「仏道の修行に励むこと」や「懸命に励むこと」の意味のほか、「身を慎むこと」「菜食をすること」といった意味も「精進」に含まれるようになりました。

「精進」の使い方は?

次に、「精進」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は寝る間も惜しんで研究に精進した」

「これからも社会への貢献と事業発展のために日々精進して参ります」

「ご期待に応えるべく精進してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」

「精進し続けることで成功を収める」

「仕事に邁進し精進し続ける所存であります」

「健康志向から精進料理教室に参加する」

このように、「精進」はおおよそ「~に精進する」といった形で用いられますが、菜食の料理に使われる「精進料理」や「精進揚げ」、「精進物(そうじもの)」のほか、仏事の用語としての「精進落とし」「精進明け」といった使い方もあります。

\次のページで「「精進」の類義語は?」を解説!/

「精進」の類義語は?

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それでは、次に「精進」の類義語である「頑張る」「尽力」「努力」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになっています。

「頑張る」:忍耐して努力する、精一杯努める。

「尽力」:あることのために力を尽くす。

「努力」:何かを成し遂げるために励むこと。

「精進」と「頑張る」「尽力」「努力」の違いは?

それでは、「精進」と「頑張る」「尽力」「努力」はどのように違うのでしょうか、これらの語の互いの意味の違いについて見ていきましょう。

これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

「頑張る」:「彼は頑張って働いた甲斐があって、目標としていた3年以内にカフェの開店資金を貯めることができた」(彼は忍耐を重ねて精一杯努めた甲斐があって、目標としていた3年以内にカフェの開店資金を貯めることができた)

「尽力」:「彼は創業メンバーとして会社の発展のために尽力してきた」(彼は創業メンバーとして会社の発展のために力を尽くしてきた)

「努力」:「彼の成功は努力の賜物に他ならない」(彼の成功は彼が熱心に勤め上げた結果に他ならない)

「精進」:「日夜研究開発に精進する」(日夜研究開発を熱心に行う)

つまり、「頑張る」は「何かを成し遂げるために苦難に耐えて努力する」「尽力」は「人や物事のために力を尽くす」「努力」は「何かの物事をやり遂げるために熱心に努めること」、「精進」は「一つのことを熱心に行うこと」を表すというニュアンスの違いがあります。

「精進」の言い換え表現は?

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それでは、次に「精進」の言い換え表現について、見ていきましょう。

例えば、例文で挙げた「彼は寝る間も惜しんで研究に精進した」という文ならば、以下のように言い換えることができます。

「彼は寝る間も惜しんで研究を頑張った」

「彼は寝る間も惜しんで研究に尽力した」

「彼は寝る間も惜しんで研究に努力した」

「彼は寝る間も惜しんで懸命に研究に励んだ」

「彼は寝る間も惜しんで研究に打ち込んだ」

「彼は寝る間も惜しんで研究に力を注いだ」

「彼は寝る間も惜しんで一生懸命研究に取り組んだ」

「彼は寝る間も惜しんで研究に全力を尽くした」

\次のページで「「精進」は仏教用語に由来し、「頑張る」「尽力」「努力」などの類義語がある」を解説!/

上記の各文は、それぞれ微妙にニュアンスが違うことで「懸命さ」の程度に対する印象や文の堅さに対する印象などが変わりますが、ほぼ同じ意味として理解できます。

「精進」は仏教用語に由来し、「頑張る」「尽力」「努力」などの類義語がある

以上、「精進」の意味と語源や使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。

この言葉には複数の意味がありますが、主に「一つのことに励むこと」という意味で用いられています

また、「精進」は、サンスクリット語の仏教用語に由来すると言われ、そこでは「苦しみと戦う」ことを意味していたそうです。

一方、「精進」には「頑張る」「尽力」「努力」などの類義語がありますが、それぞれ「忍耐して努力する」「人や物事のために精一杯働く」「何かを成し遂げるために熱心に努める」といったニュアンスの違いがあります。

そのため、その場面に応じて相応しい語を選んで使うと良いでしょう。

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言葉の意味

「精進」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「精進」(読み方:「しょうじん」)という言葉は、「~に精進する」などの形でよく用いられています。

といっても日常的に頻繁に用いる語ではなく、具体的にどのような意味があるのか、また近い意味のある「頑張る」「尽力」「努力」といった語とどのような違いがあるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「精進」の意味と使い方、また類義語である「頑張る」「尽力」「努力」、そして言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「精進」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「精進」の意味と使い方を説明していきます。

「精進」の意味は?

まず、「精進」には以下のような複数の意味があります。

1. 一心に仏道の修行に励むこと。

2. 心身を清め行いを慎むこと。

3. 菜食をすること。

4. 一つのことに懸命に励むこと。

上記の中でも主に「一つのことに懸命に励むこと」の意味で用いられ「一つのことに集中して努力すること」を表す語となっています。

「精進」の語源は?

それでは、次に「精進」の語源・由来を説明していきます。

「精進」の語源、大本はサンスクリット語にあると言われ、この語は「苦しみと戦う」、つまり、苦悩を消し去るために勇敢に立ち向かっていくことを表現する時に使われたそうです。

この意味は「仏道の修行に励むこと」といった意味ですので、これがより一般的なことに使われうようになったことで「懸命に励むこと」の意味になったと考えられます。

また、この言葉は、仏教伝来と共に日本に伝わりましたが、そこで「心身を清め、けがれを取ること」を意味する「潔斎(けっさい)」という言葉と結びついて「精進潔斎」と言われるようになったとのこと。

そして、「精進潔斎」における「潔斎」の意味も「精進」に含まれることになり、「精進」という言葉だけで「酒肉を断ち、身をつつしむこと」を意味するようになったそうです。

こうして、「仏道の修行に励むこと」や「懸命に励むこと」の意味のほか、「身を慎むこと」「菜食をすること」といった意味も「精進」に含まれるようになりました。

「精進」の使い方は?

次に、「精進」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は寝る間も惜しんで研究に精進した」

「これからも社会への貢献と事業発展のために日々精進して参ります」

「ご期待に応えるべく精進してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」

「精進し続けることで成功を収める」

「仕事に邁進し精進し続ける所存であります」

「健康志向から精進料理教室に参加する」

このように、「精進」はおおよそ「~に精進する」といった形で用いられますが、菜食の料理に使われる「精進料理」や「精進揚げ」、「精進物(そうじもの)」のほか、仏事の用語としての「精進落とし」「精進明け」といった使い方もあります。

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