「希薄」(読み方:「きはく」)という言葉は、「~が希薄だ」「~が希薄する」などの形で用いられています。

しかしながら、この言葉は日常において頻用する類の語ではなく、概ね意味は分かっていても具体的にどのような使い方ができるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「希薄」の意味と使い方、また類義語・対義語、そして言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「希薄」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「希薄」の意味と使い方について説明していきます。

ちなみに、「希薄」には「稀薄」という書き方もあります。

「希薄」の意味は?

まず、「希薄」には以下のような複数の意味があります。

1. 液体や気体などの濃度や密度が薄いこと。

2. 乏しいこと、欠けること。

つまり、1の意味では「液体や気体に含まれる成分の濃さが薄いこと」、2の意味では「何らかの要素が掛けていること」「気持ちや意欲などが少なく薄いこと」「積極的な意思が薄いこと」を表します。

また、「希薄」は「少ない」ことを意味する「希」と「うすい」「乏しい」ことを意味する「薄」という似た意味を重ねることで構成された熟語です。

「希薄」の使い方は?

次に、「希薄」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「山頂近くになると空気が希薄で歩くペースが遅くなる」

「その地域は人口が希薄になりつつある」

「彼はまだ若いのに仕事に対する熱意が希薄だ」

「現代は時代が下るにつれて人間関係が希薄になっている」

「誰かを使った経験がなく、まかせるという発想そのものが希薄なため、何かと自分で抱え込んでしまう」

「日本人は警戒心というものが希薄で、海外に旅行すると苦労する」

「彼は親族との縁が希薄で、ほとんど関わりを持っていない」

「希薄」の類義語は?

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次は、「希薄」の類義語・類語である「薄弱(はくじゃく)」「空疎(くうそ)」の意味や使い方、またそれぞれの違いについて見ていきましょう。

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「薄弱」の意味と使い方・「希薄」との違い

「薄弱」は「意志や体力などが弱いこと」「しっかりしていないこと」ことを意味し、以下のように用いることができます。

「そのような薄弱な根拠では被疑者を立件するなどできるはずがない」

「この議論の論拠はまったく薄弱で、これ以上論じ続ける価値はない」

「自分のような意志薄弱な人間と違い、彼は鉄のような意志を持っている」

このように、「薄弱」は「希薄」の「乏しいこと、欠けること」に近い意味を持っていますが、「希薄」には含まれない「何かが弱いこと」という意味で使われている場合もあります。

ちなみに、「意志薄弱」は「意志が弱く、がまん強さがないこと」を意味する慣用句です。

「空疎」の意味と使い方・「希薄」との違い

「空疎」は「見せかけだけで、内容がなく貧弱なこと」「まばらなこと」ことを意味し、以下のように用いることができます。

「文学だなんだなどと言っていたが、自分には空疎な言葉に聞こえた」

「ダム建設の是非を問う議論は空疎な論争に終始した」

「山の木々が空疎になっており、植林の必要性が感じられた」

「空疎」は「内容が薄い」という意味で使われる場合、「希薄」とほぼ同じ意味を持ちますが、「形だけ、見せかけだけ」と意味も含まれる点で、ニュアンスが異なります。

\次のページで「「希薄」の対義語は?」を解説!/

「希薄」の対義語は?

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それでは次は、「希薄」の対義語である「濃密(のうみつ)」「濃厚(のうこう)」について見ていきましょう。

まず、これらの語には以下のような意味があります。

「濃密」:密度が濃いこと。色合い・味わいが濃いこと。

「濃厚」:味・色・匂い・成分などが濃いさま。

これらの語は、例えば以下のように使うことができます。

「村社会の濃密な人間関係に辟易して上京した」

「本県には縄文時代の遺跡が濃密に分布している」

「突如発生した濃密な霧に服がびっしょりと濡れてしまった」

「彼女の作る料理の味付けは濃厚だ」

「そのスープは濃厚な味わいだ」

「むせ返るほどの濃厚な草の匂いに包まれた」

また「濃厚」には、上記の意味のほか、「ある傾向が強く感じられるさま、強く予想されるさま」を表すことがあり、「敗色濃厚」「疑いが濃厚になる」というように使われます。

「希薄」の言い換え表現は?

それでは、次に「希薄」の言い換え表現について見ていきましょう。

上記で挙げた「希薄」の例文であれば、以下のように言い換えることができます。

「山頂近くになると空気が希薄で歩くペースが遅くなる」

「山頂近くになると空気が薄く歩くペースが遅くなる」

\次のページで「「希薄」には類義語として「薄弱」「空疎」、対義語として「濃密」「濃厚」がある」を解説!/

「その地域は人口が希薄になりつつある」

「その地域は人口がまばらになりつつある」

「その地域は人口が空疎になりつつある」

「彼はまだ若いのに仕事に対する熱意が希薄だ」

「彼はまだ若いのに仕事に対する熱意が乏しい」

「彼はまだ若いのに仕事に対する熱意が欠けている」

「彼はまだ若いのに仕事に対する熱意が薄弱だ」

このように「希薄」の意味は広く、言い換える場合は文脈に応じて「薄い」「乏しい」「欠けている」「少ない」「まばら」を使い分ける必要があります。

「希薄」には類義語として「薄弱」「空疎」、対義語として「濃密」「濃厚」がある

以上、「希薄」の意味と使い方、類義語や対義語、言い換え表現についてまとめました。

「希薄」は「液体や気体などの濃度が薄いこと」「乏しいこと、欠けること」という意味があり、「液体や気体などに含まれる成分の濃さが薄いこと」、「気持ちや意欲、積極的な意思などが薄いこと」を表します。

また、「希薄」には「薄弱」や「空疎」といった類義語があり、「薄弱」は「意志や体力などが弱いこと」。そして、「空疎」は「形だけで、内容がなく貧弱なこと」といった意味を持ちます。

一方、対義語としては「濃密」と「濃厚」があり、「濃密」は「密度が濃いこと」のほか「色合いや味わいが濃いこと」。そして、「濃厚」は「味・色・匂い・成分などが濃いさま」を意味しています。

そして、「希薄」は「薄い」「乏しい」「欠けている」などさまざまな言葉で言い換えることができますが、使う場面によってそれぞれ相応しいものを使い分けていくことが必要です。

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言葉の意味

「希薄」の意味と使い方・例文・類義語・対義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「薄弱」の意味と使い方・「希薄」との違い

「薄弱」は「意志や体力などが弱いこと」「しっかりしていないこと」ことを意味し、以下のように用いることができます。

「そのような薄弱な根拠では被疑者を立件するなどできるはずがない」

「この議論の論拠はまったく薄弱で、これ以上論じ続ける価値はない」

「自分のような意志薄弱な人間と違い、彼は鉄のような意志を持っている」

このように、「薄弱」は「希薄」の「乏しいこと、欠けること」に近い意味を持っていますが、「希薄」には含まれない「何かが弱いこと」という意味で使われている場合もあります。

ちなみに、「意志薄弱」は「意志が弱く、がまん強さがないこと」を意味する慣用句です。

「空疎」の意味と使い方・「希薄」との違い

「空疎」は「見せかけだけで、内容がなく貧弱なこと」「まばらなこと」ことを意味し、以下のように用いることができます。

「文学だなんだなどと言っていたが、自分には空疎な言葉に聞こえた」

「ダム建設の是非を問う議論は空疎な論争に終始した」

「山の木々が空疎になっており、植林の必要性が感じられた」

「空疎」は「内容が薄い」という意味で使われる場合、「希薄」とほぼ同じ意味を持ちますが、「形だけ、見せかけだけ」と意味も含まれる点で、ニュアンスが異なります。

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