
「対比」の意味と使い方・例文・「比較」「類比」「対照」との違いは?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
概ね意味は分かっていても、具体的にこの言葉はどのような場面で用いるのか、また「比較」「類比」「対照」といった同じような意味のある語とはどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかもしれません。
そこで、ここでは「対比」の意味と使い方、また「比較」「類比」「対照」との違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「対比」の意味は?
まず、「対比」には以下の複数の意味があります。
1. 二つのものを照らし合わせて相違や特性を明確にすること。
2. 二つのものを並べた時にその違いが強調されること。
つまり、「二つのものを比べてそれぞれの性質や違いをはっきりさせること」や「二つの性質・量などが違うものを並べると、その違いが著しくなる現象」を表します。
また、「対比」は、「つい、そろい」などを意味する「対」と「くらべる」を意味する「比」から構成されており、前の漢字が後の漢字の目的語となるように成り立っている熟語です。
「対比」の使い方は?
次に、「対比」使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「先週とその前週のトラフィックを対比する」
「この2つの製品を対比してみると、それぞれの特徴がより鮮明になる」
「散村は集村と対比して語られることが多いが、世界的に広く見られる集落形態である」
「和や大和は古くから日本を示す言葉で、漢や洋など外国からの事物に対比して使われる」
「ユーザ自身が部品を調達して組み立てたパソコンは、電機メーカーなどが販売する組み立て済みのパソコン、メーカーブランドのパソコンと対比する意味で自作パソコンと呼ばれる」
「晴れた青空と木々の緑が鮮やかな対比をなしている」
「白で統一された街並みと鮮やかな青空が見事な対比をなしている」
「新製品の売れ行きが好調で今月の売上は前年対比で3倍となっている」
「理性は伝統的に、感覚、感情・情動、情念等と対比的に用いられてきた」
「ビジネスとして全く異なる製造業とサービス業の生産性を対比したところで意味は感じられない」
このように、「対比」は、「~を対比する」「対比して~する」「対比する~」「対比をなす」「~対比」といった形で用いられ、また「対比的」「対比染色」などの慣用句があります。
「対比」の類義語は?

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それでは、次は「対比」の類義語・類語である「比較」「類比」「対照」について見ていきましょう。
まず、これらの語の意味は以下のようになります。
「比較」:二つ以上のものを比べ合わせてその相違について考えること。
「類比」:(同種のものを)比べ合わせること。似ている点から他の事を推しはかること、類推。
「対照」:照らし合わせること、対比。対立する二つの物事の違いが際立つこと、コントラスト。
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