「従来」の意味と使い方・例文・「以前」「従前」との違い・類義語・対義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
さまざまな場面でよく使われる言葉ではありますが、具体的にはどのようなことを表すのか、また似た意味のある「以前」「従前(じゅうぜん)」といった語とはどのような違いがあるのか、中には疑問が浮かぶこともあるかもしれません。
そこで、ここでは「従来」の意味と使い方、また「以前」「従前」との違い、そして類義語や対義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「従来」の意味は?
まず、「従来」には「以前から今まで」という意味があり、「以前から現在まで、今まで、その時まで」を表す語となっています。
「従来」の使い方は?
次に、「従来」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「従来通り、申し込みは書面でも受け付けています」
「国内大会では、女子有段者は現在に至るまで白線入り黒帯が従来通り用いられている」
「今後雇用状況は従来の状況とは大きく変わっていくことになるだろう」
「従来のもの売り型ビジネスモデルからの脱却は、少子高齢化を迎える我が国にとって社会的な喫緊の課題だ」
「その企業は業績の低迷で、従来型からの路線転換を余儀なくされつつあった」
「駅舎完成後も従来からある地下改札口は存続する予定だ」
「この事件はすでに警察の手に移っているが、従来同様、成果は期待できないだろう」
「従来、その業務は総務部が行ってきたが、これからは企画部が担当することになった」
このように、「従来」は、「従来通り」「従来の~」といった形や「従来型」「従来車」「従来品」のような「従来~」といった形のほか、副詞的にも用いられます。
「従来」と「以前」「従前」の違いは?
では次に、似た意味のある「以前」「従前」という語との違いについて見ていきましょう。
まず、これらの語には以下の意味があります。
「以前」:基準の時点や期間を含んだその時よりも前。今より前の時点。
「従前」:今よりも前。これまで。以前。
そして、これらの語と「従来」の使い方を比較すると以下のようになります。
「以前」:「彼は彼女と付き合い始めてから以前よりも顔つきが明るくなった」(彼は彼女と付き合い始めるよりも前と比べて顔つきが明るくなった)
「従前」:「彼の従前の作品は自由な作風が特徴だが、これはその中でも堅実に仕上がっている」(今までの彼の作品は自由な作風が特徴だが、これはその中でも堅実な仕上がりになっている)
「従来」:「今後は従来とは違い、有給休暇の取得を希望する場合には1週間前までに申請が必要になるようだ」(今までずっと行ってきているやり方とは違い、今後は有給休暇の取得を希望する場合には1週間前までに申請が必要になるようだ)
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