「付随」(読み方:「ふずい」)という言葉は、「~に付随する」「付随業務」などの形で用いられています。

ビジネスの場面で用いられることも多く、概ね意味が分かっているという人が多いかとは思いますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また近い意味のある「付帯(ふたい)」「随伴(ずいはん)」といった語とどのような違いがあるのか、疑問を覚えることもあるかもしれません。

そこで、ここでは「付随」の意味と使い方、また類義語である「付帯」「随伴」との違い、そして言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「付随」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「付随」の意味と使い方について説明していきます。

また「付随」には、「附随」といった書き方もあります。

「付随」の意味は?

まず、「付随」には「付き従うこと」という意味があり、「ある事柄に付き従って別の物事が起こること」を表す語となっています。

「付随」は、「付く」ことを意味する「付」と「従う、付いていく、共にする」を意味する「随」から構成されて「付き従う」ことを表すようになっている熟語です。

「付随」の使い方は?

次に、「付随」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「オフィスの移転に付随して必要になる作業を洗い出す」

「会社員は安定しているのかもしれないが、それに付随する煩わしさは耐え難い」

「マイホームの購入には、固定資産税などの付随費用が発生することも念頭に入れる必要がある」

「自動車の購入に付随して発生した費用を経費として計上する」

「その遺跡跡では、張り出しを持つ建物とそれに付随する庭園跡が発見された」

「海水温の上昇に付随して海流が発生していた」

「同社は、全国展開に伴い、不動産業も開始し、付随する業務を拡大している」

「宿泊施設に付随して食堂も設置された」

「付随」の類義語は?

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それでは、次は「付随」の類義語である「付帯」「随伴」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになっています。

「付帯」:主だったものに伴うこと。

「随伴」:共として付き従うこと。ある物事に伴って起こること。

また、これらの語は以下のように使うことができます。

\次のページで「「付随」と「付帯」の違いは?」を解説!/

「この部屋には収納スペースも付帯しているので、たくさんの洋服を収納したい女性にもおすすめです」

「このサービスは火災保険の契約に付帯しているので、特に新たな費用が発生するということはありません」

「この部屋の借りるには付帯条件として管理費の支払いを必要とする」

「石油精製工場には、原料から製品を製造する設備だけでなく、多くの各種付帯設備がある」

「彼は両脇に二人の少女を随伴し、ビルに入っていった」

「海外視察員の一行は、現地のコーディネーターを世話役として随伴した」

「この現象は溶質の拡散に随伴して周期的に発生する」

「心は脳の中の物質的過程に伴って生じる随伴現象であると言われている」

「付随」と「付帯」の違いは?

では次は、「付随」と「付帯」の違いを見ていきましょう。

これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

「付帯」:「その保険には無料で健康相談サービスが付帯される」(その保険には無料で健康相談サービスが付加される)

「付随」:「前職では電話対応と、それに付随する業務として応対履歴の入力や資料作成などを行っていました」(前職では電話対応と、それに関連して発生する業務として応対履歴の入力や資料作成などを行っていました)

つまり、「付帯」は「主となる物事に伴って何かが付け加わること」、「付随」は「何かの物事に伴って別の物事が起こること」を表すというニュアンスの違いがあります。

「付随」と「随伴」の違いは?

では次は、「付随」と「随伴」の違いを見ていきましょう。

これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。

\次のページで「「付随」の言い換え表現は?」を解説!/

「随伴」:「科学技術の進歩に随伴してさまざまな問題が起こっている」(科学技術の進歩に伴ってさまざまな問題が起こっている)

「付随」:「九州本島とその付随する島々を合わせて九州地方という」(九州本島と本島に付き従うように位置するその島々を合わせて九州地方という)

このように、「随伴」は「ある物事に伴って起こること」という意味では「付随」とほぼ同じ意味を持っていると言えるでしょう。

一方「随伴」は、「社長に随伴して取引先のパーティーに参加する」のように、「付き従うこと、つまり目上の人の後についていく、お供をする」ことも表すことに注意しましょう。

「付随」の言い換え表現は?

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それでは、次に「付随」の言い換え表現について見ていきましょう。

例えば、上記で挙げた例文「オフィスの移転に付随して必要になる作業を洗い出す」ならば、以下のように言い換えることができます。

「オフィスの移転に付帯して必要になる作業を洗い出す」

「オフィスの移転に随伴して必要になる作業を洗い出す」

「オフィスの移転に伴なって必要になる作業を洗い出す」

「付随」は「随伴」とほぼ同意で、「付帯」とは微妙なニュアンスの違いがある

以上、「付随」の意味と使い方、類義語である「付帯」「随伴」、言い換え表現についてまとめました。

これらの言葉は似たような意味があるように思われますが、「付随」は「主となる何かの物事に関連して別の物事が起こること」を表すことに対して、「付帯」は「ある物事に伴って何かが付け加わること」を意味します。

また「随伴」は「ある物事に伴って起こること」という意味では「付随」とほぼ同じ意味ですが、「誰かに付き従うこと、お供をする」ことも表すことに注意しましょう。

それぞれ異なる使い方をすることができるため、意識して適当な場面で使い分けることができます。

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言葉の意味

「付随」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「付随」(読み方:「ふずい」)という言葉は、「~に付随する」「付随業務」などの形で用いられています。

ビジネスの場面で用いられることも多く、概ね意味が分かっているという人が多いかとは思いますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また近い意味のある「付帯(ふたい)」「随伴(ずいはん)」といった語とどのような違いがあるのか、疑問を覚えることもあるかもしれません。

そこで、ここでは「付随」の意味と使い方、また類義語である「付帯」「随伴」との違い、そして言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「付随」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「付随」の意味と使い方について説明していきます。

また「付随」には、「附随」といった書き方もあります。

「付随」の意味は?

まず、「付随」には「付き従うこと」という意味があり、「ある事柄に付き従って別の物事が起こること」を表す語となっています。

「付随」は、「付く」ことを意味する「付」と「従う、付いていく、共にする」を意味する「随」から構成されて「付き従う」ことを表すようになっている熟語です。

「付随」の使い方は?

次に、「付随」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「オフィスの移転に付随して必要になる作業を洗い出す」

「会社員は安定しているのかもしれないが、それに付随する煩わしさは耐え難い」

「マイホームの購入には、固定資産税などの付随費用が発生することも念頭に入れる必要がある」

「自動車の購入に付随して発生した費用を経費として計上する」

「その遺跡跡では、張り出しを持つ建物とそれに付随する庭園跡が発見された」

「海水温の上昇に付随して海流が発生していた」

「同社は、全国展開に伴い、不動産業も開始し、付随する業務を拡大している」

「宿泊施設に付随して食堂も設置された」

「付随」の類義語は?

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それでは、次は「付随」の類義語である「付帯」「随伴」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになっています。

「付帯」:主だったものに伴うこと。

「随伴」:共として付き従うこと。ある物事に伴って起こること。

また、これらの語は以下のように使うことができます。

\次のページで「「付随」と「付帯」の違いは?」を解説!/

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