「培う」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
「養う」:「彼はサラリーマン生活の中で社会人として必要な忍耐力を養った」
(≒彼はサラリーマン生活の中で社会人として必要な忍耐力を努力して少しずつ作り上げていった)
「養成」:「パイロットを養成するためには、莫大な費用がかかります」
(≒パイロットを教え導いて一人前にするためには、莫大な費用がかかります)
「育成」:「アメリカは巨費を投じてアジアやアフリカの専門家を育成した」
(≒アメリカは巨費を投じてアジアやアフリカの専門家を育て上げた)
「培う」:「国際社会で生き抜くためには語学力を培うことが必要だ」
(≒国際社会の中で生き抜くためには語学力を養い育てていくことが必要だ)
このように、「養う」と「培う」は極めて似た意味を持っていますが、どちらかと言うと「養う」は「少しづつ向上させていく」といったニュアンスがより強いでしょう。
また、「養成」は「一人前にする」「一定の技能を身につけさせる」といった意味をふくむため「培う」とは明確なニュアンスの違いがあります。
そして、「育成」は単に「育て上げること」を意味しているため、「養う」「養成」「培う」をより簡素な意味にした表現であると言えるでしょう。
「培う」の言い換え表現は?
image by iStockphoto
それでは、次に「培う」の言い換え表現について見ていきましょう。
例えば、上記で挙げた「その教材は子どもの思考力を培うのに役立つだろう」という文ならば、微妙なニュアンスの違いはありますが、以下のように言い換えることができます。
「その教材は子どもの思考力を養うのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力を育成するのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力を養成するのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力を育てるのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力を育て上げるのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力を成長させるのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力の成長を促すのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力の成長を促進するのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力を磨くのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力を鍛錬するのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力をはぐくむのに役立つだろう」
「その教材は子どもの思考力をトレーニングするのに役立つだろう」
「培う」は「養う」とほぼ同じ意味、「養成」「育成」とは明確な違いがある
以上、「培う」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。
「培う」には「草木を養い育てる」「能力などを養い育てる」といった2つの意味があります。もともとは前者の意味がもとになっているようですが、一般的には後者の意味で用いられることが多いです。
そして、この場合には、人の能力をそのために手間を掛けて育てることについていう場合に「~を培う」「~で培った能力」などのように用いることができるでしょう。
また、「養う」は「何かを努力して少しずつ作り上げる」ことをいい、精神力、身体能力などを努力して段々と向上させて作り上げることについて述べる場合に用いることができ、「培う」よりも「少しづつ向上させていく」といったニュアンスがより強いです。
また、「養成」は「教え導いて一定の技能を身につけさせること」を表し、「一人前にする」といった意味を含むため「培う」とは明確なニュアンスの違いがあります。
そして、「育成」は単に「育て上げること」を意味しているため、「養う」「養成」「培う」をより簡素な意味にした表現であると言えるでしょう。
これらの語はそれぞれ微妙に意味が異なるため、場面に応じて適度に使い分けると良さそうです。