「感嘆」(読み方:「かんたん」)という言葉は、「感嘆の声をあげる」「感嘆に値する」などの形でよく用いられています。

概ね意味は分かっていたとしても、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また近い意味のある「称賛」「驚嘆」「喝采」とはどのような血ががあるのかと疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここではこの言葉の基本的な意味と使い方、また「称賛」「驚嘆」との違いや類義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「感嘆」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「感嘆」の意味と使い方について説明していきます。

「感嘆」はまた、「感歎」とも書くことができます。

「感嘆」の意味は?

まず、「感嘆」には「感心すること、感心して褒めること」「嘆き悲しむこと」という意味がありますが、現在は後者の意味ではほとんど用いられておらず、主に前者の意味で「何かに感心して褒め称えること」を表す語となっています。

また、「感嘆」は「感じる、心動く、心に響く」ことを意味する「感」と「嘆く」「称える、感心する」ことを意味する「嘆」から構成された熟語です。

そして、「感嘆」が「嘆き悲しむこと」という意味では使われなくなったことで、「心動かされて褒め称える」「感心する」といった意味だけになっている言葉であると考えられます。

「感嘆」の使い方は?

次に、「感嘆」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「高度な機能を備えながらも美しくそびえ立つ白鷺城に思わず感嘆の声をあげる」

「彼の分析能力にはほとほと感嘆の念を抱いた」

「挫折にもめげることなく必死で勉強し、見事司法試験に合格した彼の努力には感嘆することしきりだ」

「海外のサッカーリーグのテクニックに感嘆する」

「その彫刻家は非常に技巧に優れ、彼の作品は感嘆に値するものばかりだ」

「彼の作品は感嘆に値する出来栄えのものだった」

「感嘆詞や擬音語は、自然の音を表したものだ」

「この感嘆文における感嘆符の使い方は間違えている」

「海外のサッカーリーグのテクニックに感嘆する」

このように、「感嘆」は「感嘆の~」「感嘆する」「感嘆に値する」といった用法があり、「感嘆詞」「感嘆文」「感嘆符」などの慣用句があります。

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「感嘆」と「称賛」「驚嘆」の違いは?

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ここからは、「感嘆」と類似する表現である「称賛」「驚嘆」について見ていきましょう。

「称賛」の意味と使い方・「感嘆」との違い

「称賛(しょうさん)」、もしくは「賞賛」は「褒め称えること」を意味し、以下のように用いることができます。

「暴漢に立ち向かった彼の勇気ある行動は称賛に値する」

「その演奏は観客からスタンディングオベーションをもって称賛を受けた」

「アメリカに渡った日本のプロ野球選手が報道で称賛されていた」

「生徒会長選挙のスピーチでは先生や生徒などさまざまな人達から称賛を受けた」

このように、「称賛」には「褒めること」という意味しか含まれておらず、「感心して」「心動かされて」「感動して」といった「褒める」に至った心の動きについての意味はありません。こういった点で、「称賛」は「感嘆」とは異なります。

「驚嘆」の意味と使い方・「感嘆」との違い

「驚嘆(きょうたん)」、もしくは「驚歎」は「驚いて感心すること」を表し、以下のような使い方をすることができます。

「緻密な登場人物の心理描写に驚嘆しながらも一気にその小説を読破した」

「難易度の高いといわれる資格を短期間で取得した彼の集中力は驚嘆に値する」

「二千年前もの昔に、日本にもこんな文明があったのかと思って驚嘆した」

「その絵画に敗北感を抱き、私は驚嘆するように息を吐いた」

\次のページで「「感嘆」の類義語は?」を解説!/

このように「驚嘆」は、「驚く」という意味が強調され、また「褒めること」という意味を含まない点が「感嘆」とは異なります。

「感嘆」の類義語は?

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それでは、次に「感嘆」の類義語・類語である「喝采(かっさい)」について見ていきましょう。

「喝采」の意味と使い方・「感嘆」との違い

まず、「喝采」は、「声を上げて褒めそやすこと」を意味し、「感心して手を叩いたり声を上げたりしてさかんに褒めること」を表します。

そして、この語の使い方を示したのが以下です。

「昨日は、それまで私を知らなかった数千の人が喝采してくれた 」

「大喝采に気をよくした楽団は、アンコールに応えて再び同じ昔の曲を演奏し始めた」

「一曲目が終わると、列席者から熱狂的な拍手喝采が沸き起こった」

「そのニュースに多くの人々は喝采を送ったが、一部には首を傾げる人々もいた」

このように「喝采」は、「感嘆」同様、「褒めること」を意味していますが、「感嘆」では述べない褒め方の意味を含んでいるという点で、「感嘆」とは異なります。

「感嘆」「驚嘆」「喝采」は感心する意を含み、「感嘆」「称賛」「喝采」は「褒める」の意を含む

以上、「感嘆」の意味と使い方、また「称賛」「驚嘆」との違い、類義語についてまとめました。

この言葉は「感心して褒め称えること」を表し、たとえば何らかの優れたものを目にしたり誰かの立派な言動に心を動かされたりした時などに用いることができます。

また、「称賛」と「驚嘆」は、それぞれ「褒め称えること」「驚き感心すること」を意味し、「感嘆」と部分的に共通した意味があることから、似たような使い方をすることが可能です。

一方、「感嘆」の類義語である「喝采」は、「声を上げて褒めそやすこと」を意味し、「感嘆」では述べない褒め方の意味を含んでいるという点で、「感嘆」とはニュアンスが異なります。

以上から、単に何かを褒め称えるのであれば「称賛」驚きとともに何かに感心することを表す場合には「驚嘆」何らかのアクションと共に褒める場合には「喝采」など、場面に応じて適切なものを選んで使い分けるようにすると良いでしょう。

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言葉の意味

「感嘆」の意味と使い方・例文・「称賛」「驚嘆」との違い・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「感嘆」(読み方:「かんたん」)という言葉は、「感嘆の声をあげる」「感嘆に値する」などの形でよく用いられています。

概ね意味は分かっていたとしても、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また近い意味のある「称賛」「驚嘆」「喝采」とはどのような血ががあるのかと疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここではこの言葉の基本的な意味と使い方、また「称賛」「驚嘆」との違いや類義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「感嘆」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「感嘆」の意味と使い方について説明していきます。

「感嘆」はまた、「感歎」とも書くことができます。

「感嘆」の意味は?

まず、「感嘆」には「感心すること、感心して褒めること」「嘆き悲しむこと」という意味がありますが、現在は後者の意味ではほとんど用いられておらず、主に前者の意味で「何かに感心して褒め称えること」を表す語となっています。

また、「感嘆」は「感じる、心動く、心に響く」ことを意味する「感」と「嘆く」「称える、感心する」ことを意味する「嘆」から構成された熟語です。

そして、「感嘆」が「嘆き悲しむこと」という意味では使われなくなったことで、「心動かされて褒め称える」「感心する」といった意味だけになっている言葉であると考えられます。

「感嘆」の使い方は?

次に、「感嘆」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「高度な機能を備えながらも美しくそびえ立つ白鷺城に思わず感嘆の声をあげる」

「彼の分析能力にはほとほと感嘆の念を抱いた」

「挫折にもめげることなく必死で勉強し、見事司法試験に合格した彼の努力には感嘆することしきりだ」

「海外のサッカーリーグのテクニックに感嘆する」

「その彫刻家は非常に技巧に優れ、彼の作品は感嘆に値するものばかりだ」

「彼の作品は感嘆に値する出来栄えのものだった」

「感嘆詞や擬音語は、自然の音を表したものだ」

「この感嘆文における感嘆符の使い方は間違えている」

「海外のサッカーリーグのテクニックに感嘆する」

このように、「感嘆」は「感嘆の~」「感嘆する」「感嘆に値する」といった用法があり、「感嘆詞」「感嘆文」「感嘆符」などの慣用句があります。

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