
11月に送る手紙の挨拶文・結びの言葉に使う言葉の意味と使い方は?文学部卒ライターがサクッとわかりやすく解説!
晩秋(ばんしゅう)~秋の終わり

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「晩秋」は「秋の末」という意味。旧暦の7~9月が秋とされ、新暦では9~11月にあたります。新暦の9月がおおよそ仲秋になり、晩秋は9月下旬から11月上旬。つまり仲秋の次の日から立冬の前日までが晩秋となります。
11月上旬に送る手紙の挨拶文において、たとえば以下のよう使用することができるでしょう。
「晩秋の候、皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます」
「晩秋の候、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」
「晩秋を迎え朝晩の冷え込みがいよいよ厳しくなって参りましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」
「晩秋のみぎり、舞い散る落ち葉に秋の深まりを感じる今日このごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか」
向寒(こうかん)~寒さにむかう
「向寒」は「寒の時期に向かうこと」という意味。寒の入りといわれる小寒から節分までが寒と呼ばれ、その時期に向かってどんどん寒くなっていく状態を「向寒」といいます。
11月下旬ごろに送る手紙の挨拶文や結びの言葉において、以下のように使用することができるでしょう。
「向寒のみぎり、お風邪など召されませぬよう何とぞご自愛専一にてお願い申し上げます」
「向寒の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
「向寒の候、皆様お元気でお過ごしでしょうか」
「向寒の折から、くれぐれもご自愛ください」
適切な使用時期を知っておこう
「立冬・小雪・冷雨・晩秋・向寒」それぞれの意味や使い方を解説してきましたがお分かりいただけましたでしょうか?
大事なポイントはその使い分けにあります。それぞれの言葉のおおよその使用時期をまとめてみましょう。
「立冬」11月7日~11月21日
「小雪」11月22日~12月6日
「冷雨」11月中旬(7日~21日)
「晩秋」11月上旬(10月下旬~6日)
「向寒」11月下旬(22日~12月上旬)
11月中でも言葉によって使う時期は異なります。時期にあった言葉を使用しましょう。
季節感あふれる手紙を書くために
以上、11月に送る手紙の挨拶文などに使用する季語、その言葉の意味や使い方を紹介しました。
言葉の選択に注意して例文を参考に手紙を書けば相手に好印象を与えられるでしょう。
11月は段々と冬も間近に迫ってきて、木枯らしや冷雨、舞い散る落ち葉に秋の深まりを感じたり、寒さが日増しに厳しくなっていくのを感じたりする時期になります。
暦の上で冬に入ったことを表す「立冬」や、秋の終わりを表す「晩秋」、寒い季節に向かっていることを表す「向寒」などの言葉を使って季節感を表すことができる時期。
その時々の状況に応じて、これらの語を適度に使い分けながら季節らしさを表していくと良いかと思います。