
「圧巻」の意味と使い方・例文・「圧倒」「壮観」との違いは?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
「圧倒」「壮観」との違い

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「圧巻」という言葉によく似た意味を持つ言葉に「圧倒」や「壮観」という言葉があります。どちらも日常生活で聞いたり使ったりする言葉ではありますが、頻度としてはそれほど多くはありません。だからこそ、ニュアンスが違ってくるこれらの言葉を理解しておきたいですね。また、「圧巻」「圧倒」「壮観」はそれぞれ似たようなイメージがありますが、意味としては異なるので、使い方ももちろん異なってきます。これらの言葉についての意味と使い方・例文を確認しておきましょう。
「圧倒」「壮観」の意味
「圧倒」という言葉は、「圧巻」という言葉に比べて攻撃的なイメージや、押さえつけるようなイメージがありますね。使用されている漢字もそうですが、力や権力で押さえつけるようなイメージもあります。一方、「壮観」は優れたものに対して使われる言葉ではありますが、風景や情景のようなものに使われるイメージがありますね。実際にこの両者の意味はどの様になっているのでしょうか。辞書の定義を元に確認していきましょう。
かけはなれてすぐれた力や威力で他を押し負かすこと。
《多く「-される」の形で》優れた力や威力を見せつけられて、驚きや感動を覚える。
出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「圧倒」
規模が大きくてすばらしいこと。また、その眺め。
出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「壮観」
「圧倒」「壮観」「圧巻」を例文で比較

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言葉の意味が似て異なる「圧倒」「壮観」「圧巻」を例文で比較してみましょう。使われている漢字や意味も似通っているこれらの言葉ですが、例文に当てはめて見てみれば、その使い方やニュアンスの違いをチェックすることができます。これらの言葉の意味やニュアンスを掴んで、日常生活で適切に使えるようにしておきたいですね。
「圧倒」:「彼のプレゼン資料は構成や配色、配置に至るまで他の候補者を圧倒していた」(≒「彼のプレゼン資料は構成や配色、配置に至るまで他の候補者よりもはるかに勝っている」)、「彼の堂々としていて説得力のあるプレゼンに圧倒される」(≒「彼の堂々としていて説得力のあるプレゼンに驚きを覚える」)
「壮観」:「その高台から見下ろす景色は壮観だ」(≒「その高台から見下ろす景色は規模が大きく素晴らしい眺めだ」)
「圧巻」:「今日のコンサートは素晴らしかった。特にクライマックスに向けて壮大に盛り上がっていくところは今日の演奏の圧巻だ」(今日のコンサートは素晴らしかった。特にクライマックスに向けて壮大に盛り上がっていくところは今日の演奏の中でもひときわ優れていた)
つまり、
「圧倒」は「段違いの力で他よりも優位に立つこと」「抜きん出た力を見せつけられて驚くこと」(優れた力で他を打ち負かす、威圧感を与えることいったニュアンスがある)、
「壮観」は「素晴らしい眺め」(景色についていう時に使う)、
「圧巻」は主に「作品や催しなどの中で最も優れた部分」(本や催し物などの中の秀でた部分、多くのものがある中で最も優れたものについていう)
を表すという違いがあります。
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