言葉の意味

「伏線」の意味と使い方・例文・「布石」「前振り」との違いは?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「伏線」(読み方:「ふくせん」)という言葉は、「伏線を張る」「伏線を敷く」などの形で用いられます。

たとえば小説を読む時には、「伏線」が随所に張られているとよりストーリーに深みが感じられるものですが、この「伏線」という言葉は具体的にどのようなことを表すのか、疑問に思うこともあるかも知れません。

そこで、ここではこの言葉の意味と使い方、また近い意味のある「布石」「前振り」という語と比較しながら、それぞれのより詳しい意味について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「伏線」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「伏線」の意味と使い方を説明していきます。

「伏線」の意味は?

まず、「伏線」には以下のような意味があります。

1. 小説などにおいて後で述べる事柄を前の方でほのめかしておくもの

2. 後の準備として前もってそれとなく用意しておくこと

つまり、「小説などのストーリーで後に起こることを前もってそれとなく示すこと」や「後で起こることに備えて前もって何かを用意しておくこと」を表します。

また「伏線」は、「伏せる」のほか「隠れる・潜む」を意味する「伏」と、「糸」や「すじ」のほか「道筋・経路」を意味する「線」から「(ストーリーの)筋道を潜ませる」という意味を表しています。

つまり「伏線」は、ストーリーの一部分を隠し、それを明らかにするタイミングを図ることで、読者や観客に驚きや感動などを与える技法。または、後の展開に関連した事柄をそれとなく潜ませることで興味を惹かせ、ストーリーを理解させたり納得感を与えたりする技法であると言えるでしょう。

そして、小説や戯曲などにおけるこの意味が一般化し、「後の物事の準備として、前もってそれとなく用意しておくこと」というもう一つの意味が生まれたそうです。

「伏線」の使い方は?

次に、「伏線」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「あのシリーズの小説は全体を通して周到な伏線が張られていて、シリーズの後半になるほど面白くなっていく」

「この小説は随所に伏線が張られており読み応えがある」

「そういえば主人公の妻の言動がどこか不自然なように思っていたが、終盤で病死することの伏線になっていたのか」

「交渉が難航することを予想して伏線を敷く」

「作者としては壮大な設定とストーリー構想を持っていたらしく、作中に様々な伏線を張っていた」

「嫌疑を掛けられるような事態になった時のため、言い訳の伏線を張ったつもりだ」

「このドラマは打ち切られて最終話を迎えたため、謎や伏線が回収されていない箇所もある」

「物語が進むごとにさまざまな謎が生まれ、以降のシナリオへの伏線となっていた」

「この漫画は物語中ところどころで語られる伏線を残したままなので、事実上の打ち切りとなってしまったのだろう」

「この映画はエンドロールの後、次回作の伏線らしき映像が写される」

「彼はそのアイディアが却下されることを見越して伏線を敷いていた」

「伏線」と類似した語は?

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それでは、次は「伏線」と似た意味を持つ「布石(ふせき)」「前振り(まえふり)」について見ていきましょう。

「布石」の意味と使い方は?「伏線」との違いは?

まず、「布石」には「将来のために前もって整える手配り」という意味があり、「将来に向けて前もって手配り(人やもの等を配置して必要な準備すること)をしておくこと」を表します。

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