「誇示」(読み方:「こじ」)という言葉は、「羽振りの良さを誇示する」「誇示的消費」などの形で用いられています。

ここでは、この言葉には具体的にどのような意味があるのか、「誇示」の基本的な意味と使い方、また「示威」「顕示」という語と比較してそれぞれの違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「誇示」の意味と使い方・例文・「示威」との違い

image by iStockphoto

それでは、始めに「誇示」の意味と使い方、また「顕示」との違いを説明していきます。

「誇示」の意味は?

まず、「誇示」には「誇らしげに見せびらかすこと」という意味があり、自慢げに何かを他人に示すことを表します。

また、「誇示」は、「誇る、自慢する」を意味する「誇」と「示す、教える」を意味する「示」から構成され、「誇」が「示」を修飾する形で成り立っている熟語です。

「誇示」の使い方は?

次に、「誇示」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は人気ブランドの高級腕時計を身に付け高級車を乗り回し、羽振りの良さを誇示していた」

「彼女は体のラインを強調するファッションで自身の美貌を誇示した」

「今までばかにされていた反動か、彼は友人達の前で受賞作品を誇示していた」

「彼自身は全くそれを誇示しないが、実は剣道六段らしい」

「彼は起業家として成功したが、聞くところによると今では高級住宅地にある豪邸や高級車だけでなく国内外に別荘も所有しているという。きっとこれは誇示的消費の一例といっていいだろう」

「彼は、社内の評判は必ずしも良くなかったが、それは自分の実績を自分で誇示し過ぎるところがあったからだった」

「ネコは最も大きな声を出すことで、自分の存在を誇示する」

「彼は何かにつけて自分の武勇を誇示したがる」

「山門には傷ついた仁王がすっくと立っており、存在感を誇示していた」

「中世ヨーロッパでは王侯貴族などが権威を誇示するために椅子のデザインが発達した」

「その自動車メーカーは、日本の機械工業の真価を問い、これを全世界に誇示するためにレースへの出場を決意した」

なお、「誇示的消費」とは、「自分がお金持ちであることを周囲に示すための消費」を表します。

「誇示」と「示威」の違いは?

image by iStockphoto

それでは、次は似た意味のある「示威」(読み方:「じい」または「しい」)との違いについて見ていきましょう。

まず、「示威」は「相手を圧倒する強い力や勢いを示すこと」を意味しており、以下のように用いることができます。

\次のページで「「誇示」の類義語は?」を解説!/

「日本本土爆撃はアメリカの示威行動だったと言われている」

「多国間での軍事演習は、実戦時によりよく行動できるようにするという本来の目的以外に、軍事的に緊張関係のある関係国への示威行為として行われる要素も多分にある」

「信長が開いた盛大な茶会は、この国の文化上の支配者にもなるという、大きな示威行為であった」

「第二次世界大戦の終戦まで、国民の集団示威運動は治安警察法によって規制されていた」

「パキスタンへの示威効果を目的にインドは核実験を行ったという」

「彼は日本の発達した警察網の活動ぶりを示威するつもりだったのだろう」

このように、「示威」は「(相手を威圧したり、脅したりするために)強い力や勢いを示すこと」を表し、「誇示」とはニュアンスが異なります。

「誇示」の類義語は?

image by iStockphoto

では次は、「誇示」の類義語・類語である「顕示(けんじ)」について見ていきましょう。

まず、この語には「はっきりと示すこと」といった意味があり、人に分かるように何かを示すことを表します。

「顕示」の使い方は?「誇示」との違いは?

次に「顕示」の使い方、また「誇示」との違いについて見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は自己顕示欲が強く、人の忠告や助言に耳を傾けることはなかった」

「価値の高い財の顕示的消費は、富裕層が名声を獲得するための手段である」

「声の大きな人間は、人の注目を集めたいと考える、自己顕示欲の強い性格が多い」

「ドレスというものは、顕示的に高価で不便でなければならないだけではなく、同時に最新のものでなければならない」

「彼の作品はただ文体的な試みを顕示するための手段に過ぎないのではないか、と思わせるほどに装飾的である」

「昆虫の場合、フェロモンの分泌や鳴き声などが求愛信号の代表であるが、魚類の場合は体色の変化や特徴的な部位の顕示行動が見られる」

「顕示」は「(目立つように)他人に何かをはっきりと示すこと」を表すのに対し、「誇示」は「(自分が持っているものの良さを)人に誇って見せびらかすこと」を表すというニュアンスの違いがあります。

\次のページで「「誇示」「示威」「顕示」は何かを「示すこと」に加えて、それぞれ「誇らしげに」「威勢を」「顕に」という意味がある」を解説!/

「誇示」「示威」「顕示」は何かを「示すこと」に加えて、それぞれ「誇らしげに」「威勢を」「顕に」という意味がある

以上、「誇示」の意味と使い方、また「示威」「顕示」との違いについてまとめました。

これらの言葉は、文字からも分かるように、「誇示」は「誇らしげに示すこと」、「示威」は「威勢を示すこと」、「顕示」は「はっきりと示すこと」を表します。

つまりは、「自慢気に何かを他人の目に触れるようにする」か、「相手を威圧するために力を見せつける」か、単に「何かを目立つように見せる」かといったニュアンスの違いになるため、その点に着目することでこれらの語を使い分けることができるでしょう。

" /> 「誇示」の意味と使い方・例文・「示威」「顕示」との違いは?現役記者がサクッとわかりやすく解説! – Study-Z
言葉の意味

「誇示」の意味と使い方・例文・「示威」「顕示」との違いは?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「誇示」(読み方:「こじ」)という言葉は、「羽振りの良さを誇示する」「誇示的消費」などの形で用いられています。

ここでは、この言葉には具体的にどのような意味があるのか、「誇示」の基本的な意味と使い方、また「示威」「顕示」という語と比較してそれぞれの違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「誇示」の意味と使い方・例文・「示威」との違い

image by iStockphoto

それでは、始めに「誇示」の意味と使い方、また「顕示」との違いを説明していきます。

「誇示」の意味は?

まず、「誇示」には「誇らしげに見せびらかすこと」という意味があり、自慢げに何かを他人に示すことを表します。

また、「誇示」は、「誇る、自慢する」を意味する「誇」と「示す、教える」を意味する「示」から構成され、「誇」が「示」を修飾する形で成り立っている熟語です。

「誇示」の使い方は?

次に、「誇示」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は人気ブランドの高級腕時計を身に付け高級車を乗り回し、羽振りの良さを誇示していた」

「彼女は体のラインを強調するファッションで自身の美貌を誇示した」

「今までばかにされていた反動か、彼は友人達の前で受賞作品を誇示していた」

「彼自身は全くそれを誇示しないが、実は剣道六段らしい」

「彼は起業家として成功したが、聞くところによると今では高級住宅地にある豪邸や高級車だけでなく国内外に別荘も所有しているという。きっとこれは誇示的消費の一例といっていいだろう」

「彼は、社内の評判は必ずしも良くなかったが、それは自分の実績を自分で誇示し過ぎるところがあったからだった」

「ネコは最も大きな声を出すことで、自分の存在を誇示する」

「彼は何かにつけて自分の武勇を誇示したがる」

「山門には傷ついた仁王がすっくと立っており、存在感を誇示していた」

「中世ヨーロッパでは王侯貴族などが権威を誇示するために椅子のデザインが発達した」

「その自動車メーカーは、日本の機械工業の真価を問い、これを全世界に誇示するためにレースへの出場を決意した」

なお、「誇示的消費」とは、「自分がお金持ちであることを周囲に示すための消費」を表します。

「誇示」と「示威」の違いは?

image by iStockphoto

それでは、次は似た意味のある「示威」(読み方:「じい」または「しい」)との違いについて見ていきましょう。

まず、「示威」は「相手を圧倒する強い力や勢いを示すこと」を意味しており、以下のように用いることができます。

\次のページで「「誇示」の類義語は?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: