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「やるせない」の意味と語源・使い方・例文・「やりきれない」「いたたまれない」との違いは?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「やるせない」という言葉は、主に「やるせない思い」「やるせない日々」といった形で用いられています。

心の状態を表す語としてよく目にする言葉ではありますが、具体的にはどのようなことを表すのか、また似通った「やりきれない」「いたたまれない」という語とはどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかも知れません。

そこで、ここでは「やるせない」の基本的な意味や語源、使い方と併せて、「やりきれない」「いたたまれない」との違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「やるせない」の意味と語源・使い方・例文

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それでは、始めに「やるせない」の意味と語源、使い方を説明していきます。

「やるせない」の意味は?

まず、「やるせない」には「悲しみなどの思いを晴らす方法がなく心が晴れない」といった意味があり、悲しみなどを発散させることができずに、それらの感情が心に溜まってつらい状態でいることを表します。

「やるせない」の語源は?

次に、「やるせない」の語源・由来について紹介します。

この語は漢字では「遣る瀬無い」と書きますが、「遣る」は「つかわす」つまり「行かせる」を意味し、これが転じて「心配などを紛らわす、晴らす」ことも意味するようになりました。

一方、「瀬」は本来「川などの浅瀬」を意味しますが、「逢う機会」を意味する「逢瀬」に使われているように「機会」の意味もあります。

そして、このような「遣る」と「瀬」からなる「遣る瀬」を「無い」で打ち消すことで「心配などを晴らす機会がない」という意味になったと考えられるでしょう。

「やるせない」の使い方は?

次に、「やるせない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように使用することができます。

「まだ幼かった我が子を亡くして、両親はさぞやるせない思いでいることだろう」

「新婚の奥さんを病気で亡くした彼はどれほどやるせない気持ちでいるだろうか」

「長年付き合った彼が別の女性と結婚することにしたと聞き、やるせない思いでいっぱいになった」

「虚弱体質で慢性疲労状態が続いている。体調が良くならないことも辛いが、人並みの生活をするためにどれだけ無理をしながら努力しても誰にも理解されず、やるせない日々を送っている」

「結婚生活は上手くいっていると思っていたが、実は彼がずっと浮気をしていたと知り毎日やるせない思いで過ごしている」

「男社会の職場だったので、女性である自分はいろいろと嫌な経験があった。年齢とか性別とかは自分ではどうしようもない部分なだけに、一層やるせない気分になってしまう」

「戦争によって家族もすべて失った彼女は、戦争へのやり場のない怒りや、やるせない気持ちを歌にした」

「自分のような人間はどうあがいても平凡でありきたりな人生が待っているだけだ。 そう思うと、何ともやるせない気分になった」

「やるせない」と混同しやすい語は?

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それでは、ここからは「やるせない」と似通った言葉である「やりきれない」「いたたまれない」について見ていきましょう。

まず、これらの語には以下のような意味があります。

「やりきれない」:最後までやり遂げられない。耐えられない、我慢できない

「いたたまれない」:その場所にじっとしていられない(そこにいることが耐えられない)。

また、「やりきれない」は「遣り切れない」、「いたたまれない」は「居た堪れない」と書くことも出来ます。

\次のページで「「やりきれない」の使い方は?「やるせない」との違いは?」を解説!/

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