「抱負」(読み方:「ほうふ」)という言葉は、新しい年を迎えた時や新しい環境に入る時などに「新年の抱負を語る」「入社後の抱負を述べる」といった形で用いられることが多いです。

しかしながら、似たような場面で用いられる「意気込み」「決意」「志」という語とは具体的にどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「抱負」の意味と使い方、また「意気込み」「決意」「志」と比較しながらそれぞれの違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「抱負」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「抱負」の意味と使い方を説明していきます。

「抱負」の意味は?

まず、「抱負」には「心の中に抱いている決意や計画、志望」の意味があり、「何らかの物事を達成するために心の中に抱いている計画や考え」「自分はこうなりたい、こうしたいと心の中に抱いている望みや志し」を表す語となっています。

また「抱負」は、「だく・いだく」から「心に抱く・思う」という意味も持つようになった「抱」と「背負う」や「受ける」、「たよる・たのみ・頼みとする」ことを意味する「負」から「心に抱く頼みとするもの」となって現在の意味になっています。

「負」は「負ける」という意の印象が強いですが、この字自体は「貝」と「人」から成り「人が財産を守ること」から導かれる「負う」「頼む」が本来の意味です。

「抱負」の使い方は?

では次に、この言葉の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「面接では入社後の抱負も判断材料とした」

「彼は社長就任にあたって全社員の前で抱負の一端を語った」

「彼は大きな抱負を持ってその会社に入社した」

「彼は新年を迎えた後、家族にその年の抱負を語ることにしている」

「今年映画で活躍した彼は、ドラマやバラエティでも活動できるようにしたいと抱負を語っていた」

「新入社員には建設業に働くにあたっての抱負についての作文と面接がある」

「幹事長は同政策を国民の前に明らかにして、理解を求めていくと抱負を述べた」

「テレビでは司会者が、何人かの新人選手に今年の抱負はなどと訊ねていた」

「抱負」と「意気込み」「決意」の違いは?

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次に、「抱負」と似た意味のある「意気込み」「決意」との違いについて見ていきましょう。

まず、これらの語には以下の意味があります。

「意気込み」:積極的に何かをしようとする気持ち

「決意」:とるべき行動や態度をはっきり決めること

そして、これらの語と「抱負」の使い方を比較すると以下のようになります。

「意気込み」:「彼は難易度が高いその資格を受けるにあたり、一回の受験で合格するという意気込みで勉強をしている」(彼は難易度が高いその資格を受けるにあたり、一回の受験で合格するという積極的な意欲をみなぎらせて勉強をしている)

「決意」:「彼はいよいよ会社を退職する決意を固めた」(彼はいよいよ会社を退職するという意志をはっきりと決めた)

「抱負」:「彼は『資格取得のために帰宅後に毎日2時間勉強をする』という今年の抱負を語った」(彼は『資格取得のために帰宅後に毎日2時間勉強をする』という、今年中に達成しようと心に抱いている考えを語った)

\次のページで「「抱負」の類義語は?」を解説!/

つまり、「意気込み」は「何らかの物事を積極的に行おうと意欲をみなぎらせている心の状態」、「決意」は「何らかの重大なことをはっきりと決めること」、「抱負」は「物事の達成に向けて心に抱いている計画や考え」を表すという違いがあります。

「抱負」の類義語は?

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それでは、次は「抱負」の類義語・類語である「志(こころざし)」について見ていきましょう。

「志」の意味と使い方は?「抱負」との違いは?

では「志」の意味と使い方、そして「抱負」との違いについて見ていきましょう。

まず、「志」には以下の複数の意味があります。

1. こうなろう、こうしようと心に決めて目指していること

2. 相手のためを思う気持ち。人に対する厚意

3. 好意や謝意などを表すための贈り物

そして、この語はたとえば以下のように用いることができます。

「東京には全国から志を抱いて出てきた青年がつめかけてくるのである」

「伝統を守っていくという自分の志を継いでくれる者が一人でもいてくれたらと思う」

「私は若年の頃の志を遂げるべくアメリカに移住した」

「この会社は、日本の重工業を発展させるという志を同じくした者たちが集まって作られた」

「お志はありがたいのですが、贈り物はご遠慮申し上げております」

「せっかくのお志を無にしても何だから、きちんと礼をしていただいておきなさい」

「香典に対する志を何にするかで迷っています」

「ご寄付としていただいた志は、境内の整備に使わせていただきます」

このように、「志」は「抱負」と似た意味である「心に決めて目指していること」という意味ほか、「厚意」や「謝意を込めた贈り物」という意味でも頻繁に用いられています。

また、「志」と「抱負」の意味を比較すると、「志」には「目指している」つまり「目的を実現するために努力する」ことも含まれる一方、「抱負」は決意や計画を単に心に抱いているだけで実現までのプロセスは含みません

「抱負」は「心中の決意や計画」、「志」は「決心して目指すこと」を表わす

以上、「抱負」の意味と使い方、「意気込み」「決意」「志」との違いについてまとめました。

上記のように、「抱負」は「目標などの達成に向けて心に抱いている考えや計画」を表します。

それに対し、「意気込み」は「物事を積極的に行おうとする意欲に満ちている状態」、「決意」は「重大なことを決めること」がその意味です。

また、類義語である「志」「決心して目指していること」を意味し、目的を実現するまでのプロセスも含む点で「抱負」とはニュアンスが違います。

これらは何か新しいことを始める場合などに用いられることがありますが、それぞれ異なる意味や使い方をする語となるため、場面や状況に応じて使い分けられるようにすると良いでしょう。

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言葉の意味

「抱負」の意味と使い方・例文・「意気込み」「決意」「志」との違いは?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

つまり、「意気込み」は「何らかの物事を積極的に行おうと意欲をみなぎらせている心の状態」、「決意」は「何らかの重大なことをはっきりと決めること」、「抱負」は「物事の達成に向けて心に抱いている計画や考え」を表すという違いがあります。

「抱負」の類義語は?

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それでは、次は「抱負」の類義語・類語である「志(こころざし)」について見ていきましょう。

「志」の意味と使い方は?「抱負」との違いは?

では「志」の意味と使い方、そして「抱負」との違いについて見ていきましょう。

まず、「志」には以下の複数の意味があります。

1. こうなろう、こうしようと心に決めて目指していること

2. 相手のためを思う気持ち。人に対する厚意

3. 好意や謝意などを表すための贈り物

そして、この語はたとえば以下のように用いることができます。

「東京には全国から志を抱いて出てきた青年がつめかけてくるのである」

「伝統を守っていくという自分の志を継いでくれる者が一人でもいてくれたらと思う」

「私は若年の頃の志を遂げるべくアメリカに移住した」

「この会社は、日本の重工業を発展させるという志を同じくした者たちが集まって作られた」

「お志はありがたいのですが、贈り物はご遠慮申し上げております」

「せっかくのお志を無にしても何だから、きちんと礼をしていただいておきなさい」

「香典に対する志を何にするかで迷っています」

「ご寄付としていただいた志は、境内の整備に使わせていただきます」

このように、「志」は「抱負」と似た意味である「心に決めて目指していること」という意味ほか、「厚意」や「謝意を込めた贈り物」という意味でも頻繁に用いられています。

また、「志」と「抱負」の意味を比較すると、「志」には「目指している」つまり「目的を実現するために努力する」ことも含まれる一方、「抱負」は決意や計画を単に心に抱いているだけで実現までのプロセスは含みません

「抱負」は「心中の決意や計画」、「志」は「決心して目指すこと」を表わす

以上、「抱負」の意味と使い方、「意気込み」「決意」「志」との違いについてまとめました。

上記のように、「抱負」は「目標などの達成に向けて心に抱いている考えや計画」を表します。

それに対し、「意気込み」は「物事を積極的に行おうとする意欲に満ちている状態」、「決意」は「重大なことを決めること」がその意味です。

また、類義語である「志」「決心して目指していること」を意味し、目的を実現するまでのプロセスも含む点で「抱負」とはニュアンスが違います。

これらは何か新しいことを始める場合などに用いられることがありますが、それぞれ異なる意味や使い方をする語となるため、場面や状況に応じて使い分けられるようにすると良いでしょう。

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