「追憶」の意味と使い方・例文・類似語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
「追憶」「追懐」「追想」「回想」「回顧」の違いは?
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それでは、次は「追憶」「追懐」「追想」「回想」「回顧」の意味の違いについて見ていきましょう。
これらの語の使い方を比較すると以下のようになります。
「追憶」:「初恋の人と過ごした若かりし日を追憶する」
(初恋の人と過ごした若かりし日のことを懐かしく思い出す)
「追懐」:「旧友の訃報に接し、往時を追懐する」
(旧友が亡くなったという知らせを受け、昔を思い返して懐かしむ)
「追想」:「来る日も来る日も読書に明け暮れていた若き日を追想する」
(毎日読書に没頭していた若い日を懐かしく思い出す)
「回想」:「旧時の回想に耽る(ふける)」
(昔のことを思い返すことに没頭する)
「回顧」:「まだ無邪気だった幼いころを回顧する」
(無邪気だった幼いころのことを思い起こして考える)
このように、これらの語は共通に「過去のことを思い出す、もしくは思い返す」という意味が含まれますが、「追憶」「追懐」「追想」には「懐かしく思い出す、思い出して懐かしむ」というニュアンスがあるに対して、「回想」「回顧」は「過去の経験や過去のことを改めて考える」という意味で用いる言葉です。
また、「回顧」は客観的に過去の事柄を振り返るときにも使うことがあります。
「追憶」「追懐」「追想」には「回想」「回顧」にない「懐かしく思う」というニュアンスがある
以上、「追憶」の意味と使い方、類義語についてまとめました。
この言葉は何かを「過去を思い偲ぶこと」を表し、たとえば「思い出に耽る」という言い方と比べると「過去を懐かしむ」というニュアンスを含む表現になります。
また、他にも「追懐」「追想」「回想」「回顧」など、近い意味を持っている語がありますが、「追懐」「追想」は「追憶」と同じく「懐かしむ」というニュアンスがありますので、表したい内容に応じてそれらを適当に使い分けると良いでしょう。