「信憑性」(読み方:「しんぴょうせい」)という言葉は、「信憑性がある」「信憑性が高い(低い)」などの形で用いられています。

また、同じような意味がある「信頼性」「真実性」という語についても「信頼性が高い」「真実性がある」といった似た使い方がされる場合がありますが、これらの語にはどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかも知れません。

そこで、ここでは「信憑性」の基本的な意味と使い方と併せて、「信頼性」「真実性」と比較しながらこれらの語の違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「信憑性」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「信憑性」の意味と使い方を説明していきます。

「信憑性」の意味は?

まず、「信憑」には「信用して拠り所とすること」という意味があり、それに物事の性質や傾向を表す接尾語「性」が付くことで成り立っている語が「信憑性」です。

そして、「信憑性」は「信用できる、または信頼できる度合い」を意味し、「(情報や証言、人の言葉などを)間違いないと判断できる度合いや程度」を表す語となっています。

「信憑性」の使い方は?

では次に、この言葉の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「信憑性の高さは情報の出所よって違ってくるといえるだろう」

「その資料は信憑性が高い」

「その表現では信憑性に欠ける。もっと具体的な数値や例を挙げたほうが良い」

「それは短期的調査に基づいたデータの分析結果であるため信憑性が疑われている」

「たいてい人の噂というのは信憑性が低いものだ」

「この書物の信憑性には、歴史的にも科学的にも疑問がある」

「家族の証言は何の信憑性もないと判断された」

「イラク戦争後、大量破壊兵器の情報の信憑性が薄いものであったことが明らかになった」

「推理に信憑性を与えるためにも、あの事件の被害者からなんとか当時の詳しい話を聞き出さなくてはならない」

「その供述の信憑性は否定されており、真相は不明です」

このように「信憑性」は、「度合い・程度」という意味では「高い・低い」「富む・欠ける」といった程度の高低を表す語と共に用いられます。

一方、「信憑性が疑われる」「信憑性がない」「信憑性が薄い」「信憑性を与える」「信憑性を否定する」といった表現では、接尾語「性」による意味から「信用に足る傾向や特徴」という意味で用いられていると考えることができるでしょう。

「信憑性」と類似した語は?

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ここからは、「信憑性」と似た使い方をする「信頼性」「真実性」という語との違いについて見ていきましょう。

「信頼性」の意味と使い方は?「信憑性」との違いは?

まず、「信頼」には「信じて頼りとすること、信用して任せること」という意味があります。

そして、「信頼」に接尾語「性」を付けた「信頼性」は、「信じて頼りとする、任せられる性質や傾向があること」「信じて頼りとする、任せられる度合い」を表す言葉です。

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また「信頼性」は、「アイテムが与えられた条件下において所定の機能を果たすことができる性質」と定義された工業規格における専門用語として用いられることもあります。

「信頼性」は、たとえば以下のように用いることができます。

「このCPUは自動車のエンジン制御に用いられ、低価格で信頼性が高いことから医療機器分野でも多く使用された」

「古代や中世の人口統計は残っている方がまれであり、また残っているものもその信頼性が低い」

「CPUメーカーは自社製の純正チップセットを開発し、供給することで信頼性やブランドイメージを向上させている」

「この成果は彼の理論の信頼性を保証した点で重要な結果だった」

「システムの信頼性を向上させるための取り組みを行う」

このように「信頼性」は、「(製品や機械、システムやソフトウェアなどが)不具合などなく必要な機能を果たす度合い」として多く用いられますが、よりざっくりとした「(人や製品などを)信用して何かを任せられる度合い」という意味でも使うことができるでしょう。

一方、「信憑性」は「(情報や証言、人の言葉などを)信じて根拠とすることができる、もしくは間違いないと判断できる度合い」を表すという違いがあります。

「真実性」の意味と使い方は?「信憑性」との違いは?

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まず、「真実性」は「真実として認められる性質」「真実であるかどうかの度合いや程度」を意味する言葉です。

そしてこの語は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は、この怪しげな文書の真実性に疑いを持っていない」

「彼はデータの真実性を疑いはしなかったが、論文に加えることはなかった」

「彼らの供述は、事件の真実性を裏づけるものであった」

「私の実家に伝わる伝説には、いくらかでも真実性があるのでしょうか」

\次のページで「「信憑性」は「信用できる度合い」や「信用に足る傾向や特徴」を表す」を解説!/

このように、「真実性」は主に「真実であるして認められる性質」という意味で用いられ、また情報や証言、人の言葉などではなくそれらが述べている事実を問題にしているという点で「信憑性」とは異なります。

「信憑性」は「信用できる度合い」や「信用に足る傾向や特徴」を表す

以上、「信憑性」の意味と使い方、また「信頼性」「真実性」との違いについてまとめました。

この言葉は「信用できる度合い」「信用に足る傾向や特徴」を表し、「(情報や証言、人の言葉などが)間違いないと判断できる度合い、信用できる傾向や特徴があること」について述べる場合に用いることができるでしょう。

それに対して、「信頼性」は「(製品や人を)信頼して任せられる度合い」や「(ソフトウェアなどが)要求された機能を果たすことができる度合い」を、「真実性」は主に「真実であると認められる性質」を表します。

これらの語は似ているようで微妙に用いる対象や意味が異なるものとなるため、その点を意識して使い分けていくと良さそうです。

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言葉の意味

「信憑性」の意味と使い方・例文・「信頼性」「真実性」との違い。現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「信憑性」(読み方:「しんぴょうせい」)という言葉は、「信憑性がある」「信憑性が高い(低い)」などの形で用いられています。

また、同じような意味がある「信頼性」「真実性」という語についても「信頼性が高い」「真実性がある」といった似た使い方がされる場合がありますが、これらの語にはどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかも知れません。

そこで、ここでは「信憑性」の基本的な意味と使い方と併せて、「信頼性」「真実性」と比較しながらこれらの語の違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「信憑性」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「信憑性」の意味と使い方を説明していきます。

「信憑性」の意味は?

まず、「信憑」には「信用して拠り所とすること」という意味があり、それに物事の性質や傾向を表す接尾語「性」が付くことで成り立っている語が「信憑性」です。

そして、「信憑性」は「信用できる、または信頼できる度合い」を意味し、「(情報や証言、人の言葉などを)間違いないと判断できる度合いや程度」を表す語となっています。

「信憑性」の使い方は?

では次に、この言葉の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「信憑性の高さは情報の出所よって違ってくるといえるだろう」

「その資料は信憑性が高い」

「その表現では信憑性に欠ける。もっと具体的な数値や例を挙げたほうが良い」

「それは短期的調査に基づいたデータの分析結果であるため信憑性が疑われている」

「たいてい人の噂というのは信憑性が低いものだ」

「この書物の信憑性には、歴史的にも科学的にも疑問がある」

「家族の証言は何の信憑性もないと判断された」

「イラク戦争後、大量破壊兵器の情報の信憑性が薄いものであったことが明らかになった」

「推理に信憑性を与えるためにも、あの事件の被害者からなんとか当時の詳しい話を聞き出さなくてはならない」

「その供述の信憑性は否定されており、真相は不明です」

このように「信憑性」は、「度合い・程度」という意味では「高い・低い」「富む・欠ける」といった程度の高低を表す語と共に用いられます。

一方、「信憑性が疑われる」「信憑性がない」「信憑性が薄い」「信憑性を与える」「信憑性を否定する」といった表現では、接尾語「性」による意味から「信用に足る傾向や特徴」という意味で用いられていると考えることができるでしょう。

「信憑性」と類似した語は?

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ここからは、「信憑性」と似た使い方をする「信頼性」「真実性」という語との違いについて見ていきましょう。

「信頼性」の意味と使い方は?「信憑性」との違いは?

まず、「信頼」には「信じて頼りとすること、信用して任せること」という意味があります。

そして、「信頼」に接尾語「性」を付けた「信頼性」は、「信じて頼りとする、任せられる性質や傾向があること」「信じて頼りとする、任せられる度合い」を表す言葉です。

\次のページで「「真実性」の意味と使い方は?「信憑性」との違いは?」を解説!/

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