
「紆余曲折」の意味と使い方・例文・「二転三転」「複雑多岐」との違いは?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
しかし、この言葉がどのような意味がありどのような使い方をするのか、また似た意味を持つ「二転三転」「複雑多岐」とはどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかも知れません。
そこで、ここでは基本的な意味と使い方と併せて、「二転三転」「複雑多岐」という語と比較しながら両者の違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「紆余曲折」の意味は?
まず、四字熟語である「紆余曲折」は「紆余」と「曲折」という二つの語から成り、これらの語は以下のような意味を持っています。
「紆余」:うねり曲がること。余裕があって伸び伸びとしていること。
「曲折」:折れ曲がること。物事の込み入った事情。
そこから「紆余曲折」は、以下の2つの意味を持つ語となりました。
1. (道などが)曲がりくねっていること。
2. 事情が込み入っていて複雑な経過をたどっていること。
「紆余曲折」の使い方は?
次に、この言葉の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「その制度の実現までには幾多の紆余曲折があった」
「紆余曲折した山道をドライブする」
「その川は山から谷へと紆余曲折して大河となり、大洋へ流れ込む」
「紆余曲折を経てようやく成功を収めた偉人は多く存在する」
「彼らは紆余曲折を経て交際に発展し、昨年結婚するに至った」
「丹羽氏勝は紆余曲折の末に信長に仕えたが、天正8年には信長によって追放されてしまった」
「様々な紆余曲折の後、実際に彼が政権の座に就くのは四半世紀余りを経た26年後のことだった」
「我が家の相続は父が再婚したことから関係者が多かったが、紆余曲折を経てやっと解決した」
このように、「紆余曲折」は主に「紆余曲折の後」「紆余曲折の果て」「紆余曲折を経て」といった表現で用いられ、物事や事情がこみいった経過をたどった後にどのような結果になったかということを述べる場合によく用いられます。
「紆余曲折」の具体例は?
では次は、「紆余曲折」とはどのような状態・状況を指すのか、具体例を挙げて見ていきましょう。
この語は例えば、以下のような「複雑な経過をたどった込み入った事情」を省略して述べる場合などに用いることができます。
「その店は開店してから軌道に乗るまで決して順風満帆ではなかった。開店後しばらくは安定した売上を確保していたものの、競合店に客足を奪われ低迷状態が続いた。しかしメニューの考案やホームページによる集客、接客方法に至るまで、スタッフが一丸となり必死で店舗改革を実施した結果、何とか軌道に乗せることに成功した」
「その店は開店してから紆余曲折した後、何とか軌道に乗せることに成功した」
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