今回の記事では、10月に送る手紙の挨拶文などや結びの言葉に使用する主な言葉を5つ(寒露・秋冷・霜降・錦秋・夜長)挙げて、意味と使い方を、文学部卒で、社内でもたくさんのビジネス文書を作成している筆者が説明していきます。

10月に出す手紙の挨拶文や結びの言葉に用いる言葉 意味と使い方

それでは、ここから手紙の挨拶などに使用される言葉を5つ紹介していきます。

寒露(かんろ)

「寒露」は二十四節気の一つで、「太陽の黄経が195度に達する時」を良い、暦の上では「10月8日頃」にあたります。

「寒露」には「冷たい露」という意味があり、野草などに宿る露が冷気で凍りそうになる頃を表す言葉です。

「寒露」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「霜降(10月23日頃)」までになります。つまり「晩秋」から「初冬」の時期にあたるわけです。

「寒露」は、10月8日頃以降に送る手紙などの挨拶文において、たとえば以下のように使用することができます。

「寒露の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「寒露の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「寒露のみぎり、皆様お元気でお過ごしでしょうか」

「寒露の候、秋も深まってまいりましたが、皆様には健勝にてお過ごしのことと存じます」

「二十四節気」は季節を24に区分する考え方

10 月に送る手紙などの挨拶文で使える5つの言葉を選び解説していますが、その内、「寒露」「降霜」二十四節気のなかの一つの季節を表す言葉です。二十四節気という言葉自体は、普段あまり使わないと思います。

しかし、そのなかの「寒露」や「降霜」といった季節を表す言葉は手紙やビジネス文書の挨拶文に取り入れやすい言葉です。

ここでは改めて普段使われない言葉「二十四節気」そのものについて簡単にまとめてみました。

二十四節気は中国で生まれた一年の季節を区分する考え方です。1年を春夏秋冬と分けるのも二十四節気に基づいています。太陽が移動している天球上の軌道を「黄道」と呼び、「黄道」360度のなかの節気の位置が「黄経」です。

「寒露」を「太陽の黄経が195度に達する時」などと表現するのは、こうした二十四節気の考え方によります。

その「黄道」を四季として4つに分け、四季の一つを3つに分けて、さらにその一つを3つに分ける15日を区分単位としたのが二十四節気です。

夏至、冬至、春分、秋分や立春、立夏、立秋、立冬は知らない人はいないと思いますが、さらに細分化されて24になっています。

秋冷(しゅうれい)

image by iStockphoto

「秋冷」「秋の空気の冷ややかさ」を表します。

10月は秋も深まり、気候的にもっとも過ごしやすく、山間では木々が色づき紅葉狩りにでかけたり、果実や茸など味覚にもうれしい時期です。

遠足など野外での行事やスポーツのシーズンとして、さわやかな大気のもとに楽しまれます。

「秋冷」という言葉は、そんな時期に肌に感じる気持ちの良い冷ややかさ、あるいは肌寒いという感覚まで含んでいるのです。

10月に送る手紙の挨拶文などにおいて、たとえば以下のように用いると良いでしょう。

「秋冷の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「秋冷ようやく相加わる頃となりましたが、皆様お変わりなくご活躍のことと存じます」

「秋冷のみぎり、澄み切った秋晴れが爽やかな季節となりましたが、皆様いかがお過ごしですか」

「秋冷の折から、お体にはくれぐれもお気を付けください」

霜降(そうこう)

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「霜降」二十四節気の一つで「太陽の黄経が210度に達する時」を良い、暦の上では「10月23日頃」

また「霜降」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「立冬(11月7日頃)」までの間となります。

「霜降」「霜が降り始める頃」という意味です。実際には平野部で霜が降るのは11月中旬を過ぎてからですが、この頃から涼しさが増していきます。

10月23日頃以降に送る手紙の挨拶文などにおいて、以下のように使用すると良いでしょう。

\次のページで「錦秋(きんしゅう)」を解説!/

「霜降の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「秋降の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「霜降の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」

「霜降のみぎり、朝夕の冷え込みが厳しさを増す今日この頃、皆様にはお変わりありませんでしょうか」

錦秋(きんしゅう)

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「錦秋」「錦のように紅葉の美しい秋」を表します。

日本の秋を美しく感じさせる理由の一つが紅葉に違いありません。紅葉は主に落葉広葉樹の落葉する前に緑から赤や黄色に色を変えることですが、日本の自然林の多くが落葉広葉樹です。

そのため一山が紅に染まるような光景が出現したり、また紅葉をめでるための庭園が設えられたりしています。そんな紅葉の美しさを錦にたとえたのが「錦秋」です。

10月に送る手紙の挨拶文などや結びの言葉において、「錦秋」は以下のに使用することができます。

「錦秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

「錦秋の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「錦秋の時期を迎え、秋色まさにたけなわとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか」

「錦秋のみぎり、街路樹も秋色に染まってまいりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」

「錦秋」の「錦」は、「にしき」と読み、さまざまな色の糸を複雑に織り込んだ厚手の絹織物の総称。

歴史的には、およそ1200年前から中国から伝わり、精緻で豪華絢爛な絹織物の代表とされてきました。

美しいものを形容するたとえとして「錦のようだ」というように使われ、「故郷に錦を飾る」や「錦秋」といった言葉も生まれたのです。

「錦」の意味が分かると、なぜ美しい紅葉が「錦秋」なのかも伝わってきますね。

夜長(よなが)

「夜長」には「夜が長いこと」という意味があり、「秋になって夜が長く感じられること」を表す語となります。

秋になると夜が長くなるのは、この時期に陽が昇って落ちるまでの間が短くなっていくからです。日毎に陽が沈む時間が早くなっていくのが感じられます。

しかし実際に日の出から日没の時間がもっとも短くなるのは、冬至(10000042月22日頃)です。人間の感覚は変化にはとくに敏感ということなのでしょう。

こうした長くなっていく夜を生かして、日頃は縁の薄い読書に励もうというおすすめが「読書の秋」という言葉。 

「夜長」は、10月に送る手紙の挨拶文などにおいて、たとえば以下のように用いることができます。

「夜長の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「夜長の候、皆様にはお元気でお過ごしのことと存じます」

「秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか」

「秋の夜長に響く虫の音が心地良い時期となりましたが、皆様いかがお過ごしですか」

\次のページで「紅葉や秋晴れの爽やかさを挨拶文に」を解説!/

紅葉や秋晴れの爽やかさを挨拶文に

以上、10月に送る手紙の挨拶文などに使用する季語の意味や使い方を紹介しました。

10月はめっきりと涼しくなり、秋晴れの爽やかさが心地良い季節となりますが、秋が深まるごとに朝晩の冷え込みが厳しく感じられるようになります。

また山々や街路樹の紅葉が目に留まる、夜が長く感じられるなどの季節感を、秋の冷ややかさや冷え込みを表す「秋冷」「霜降」といった言葉や紅葉の美しさを表す「錦秋」などの語を使って、その時の気候や状況に応じてうまく表していくようにしましょう。

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言葉の意味

10月に送る手紙の挨拶文・結びの言葉に使う言葉の意味と使い方は?文学部卒ライターがサクッとわかりやすく解説!

今回の記事では、10月に送る手紙の挨拶文などや結びの言葉に使用する主な言葉を5つ(寒露・秋冷・霜降・錦秋・夜長)挙げて、意味と使い方を、文学部卒で、社内でもたくさんのビジネス文書を作成している筆者が説明していきます。

10月に出す手紙の挨拶文や結びの言葉に用いる言葉 意味と使い方

それでは、ここから手紙の挨拶などに使用される言葉を5つ紹介していきます。

寒露(かんろ)

「寒露」は二十四節気の一つで、「太陽の黄経が195度に達する時」を良い、暦の上では「10月8日頃」にあたります。

「寒露」には「冷たい露」という意味があり、野草などに宿る露が冷気で凍りそうになる頃を表す言葉です。

「寒露」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「霜降(10月23日頃)」までになります。つまり「晩秋」から「初冬」の時期にあたるわけです。

「寒露」は、10月8日頃以降に送る手紙などの挨拶文において、たとえば以下のように使用することができます。

「寒露の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「寒露の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「寒露のみぎり、皆様お元気でお過ごしでしょうか」

「寒露の候、秋も深まってまいりましたが、皆様には健勝にてお過ごしのことと存じます」

「二十四節気」は季節を24に区分する考え方

10 月に送る手紙などの挨拶文で使える5つの言葉を選び解説していますが、その内、「寒露」「降霜」二十四節気のなかの一つの季節を表す言葉です。二十四節気という言葉自体は、普段あまり使わないと思います。

しかし、そのなかの「寒露」や「降霜」といった季節を表す言葉は手紙やビジネス文書の挨拶文に取り入れやすい言葉です。

ここでは改めて普段使われない言葉「二十四節気」そのものについて簡単にまとめてみました。

二十四節気は中国で生まれた一年の季節を区分する考え方です。1年を春夏秋冬と分けるのも二十四節気に基づいています。太陽が移動している天球上の軌道を「黄道」と呼び、「黄道」360度のなかの節気の位置が「黄経」です。

「寒露」を「太陽の黄経が195度に達する時」などと表現するのは、こうした二十四節気の考え方によります。

その「黄道」を四季として4つに分け、四季の一つを3つに分けて、さらにその一つを3つに分ける15日を区分単位としたのが二十四節気です。

夏至、冬至、春分、秋分や立春、立夏、立秋、立冬は知らない人はいないと思いますが、さらに細分化されて24になっています。

秋冷(しゅうれい)

image by iStockphoto

「秋冷」「秋の空気の冷ややかさ」を表します。

10月は秋も深まり、気候的にもっとも過ごしやすく、山間では木々が色づき紅葉狩りにでかけたり、果実や茸など味覚にもうれしい時期です。

遠足など野外での行事やスポーツのシーズンとして、さわやかな大気のもとに楽しまれます。

「秋冷」という言葉は、そんな時期に肌に感じる気持ちの良い冷ややかさ、あるいは肌寒いという感覚まで含んでいるのです。

10月に送る手紙の挨拶文などにおいて、たとえば以下のように用いると良いでしょう。

「秋冷の候、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「秋冷ようやく相加わる頃となりましたが、皆様お変わりなくご活躍のことと存じます」

「秋冷のみぎり、澄み切った秋晴れが爽やかな季節となりましたが、皆様いかがお過ごしですか」

「秋冷の折から、お体にはくれぐれもお気を付けください」

霜降(そうこう)

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「霜降」二十四節気の一つで「太陽の黄経が210度に達する時」を良い、暦の上では「10月23日頃」

また「霜降」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「立冬(11月7日頃)」までの間となります。

「霜降」「霜が降り始める頃」という意味です。実際には平野部で霜が降るのは11月中旬を過ぎてからですが、この頃から涼しさが増していきます。

10月23日頃以降に送る手紙の挨拶文などにおいて、以下のように使用すると良いでしょう。

\次のページで「錦秋(きんしゅう)」を解説!/

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