言葉の意味

「理念」の意味と使い方・例文・「指針」「ビジョン」との違い・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「理念」(読み方:「りねん」)は、「企業理念」「教育理念」などの形でよく用いられる言葉です。

就職・転職活動などで企業のことを調べている場合などに目にすることが多いかと思いますが、同じように企業情報などで用いられている「方針」「ビジョン」などの言葉とはどのような違いがあるのか疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここではこの言葉の基本的な意味と使い方と併せて、「方針」「ビジョン」という語と比較してそれぞれの違い、また類義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「理念」の意味と使い方・例文・「指針」「ビジョン」との違い

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それでは、始めに「理念」の意味と使い方、また「指針」「ビジョン」との違いを説明していきます。

「理念」の意味は?

まず、「理念」には以下のような複数の意味があります。

1. 哲学において経験では得られず理性によってのみ理解され得る最高の理想的概念。

2. 物事がどうあるべきかについての根本的な考え

ただし、一般的には2の意味で使われ、ビジネスにおいては「(企業が事業を行う際の価値観や規範となる)根本の考え」を表します。

また、「理念」は、「ことわり」つまり「道理」を意味する「理」と、「思い、考え」を意味する「念」から、「物事や人のあるべきさまについての考え」といった具合に「理」が「念」を修飾する形で構成されている熟語です。

「理念」の使い方は?

次に、この言葉の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「話し合って企業理念を決める」

「弊社では提供する製品やサービスを通じて社会に貢献するという企業理念を掲げ、事業を展開して参りました」

「地域社会の発展に貢献することを企業理念としています」

「教育理念に掲げたように、当校では社会に貢献できる人材を育成するということを目的としています」

「民主主義は、現代では世界的に重要視されている政治理念だ」

「企業の中には時代の流れとともに組織文化が変化をしていき、経営理念が飾りとなっているようなところも存在します」

「本大学の基本理念として、実務型の人材の養成や社会への貢献を掲げている」

「彼が他の人々と違っていたのは、確固とした理念を持っていたことだ」

「何か理念を先に立てて行動する理想主義には潔癖さを感じる」

「どんな立派な理念に基づいていようが、罪もない者を傷つける行為は悪である」

「工業化学科は、産業界における化学者を育成するという理念に基づいていて設置された」

このように、「理念」は、「企業理念」「経営理念」「教育理念」「基本理念」「政治理念」などのように前に語を置く「~理念」といった形で多く用いられます。

「理念」と「方針」「ビジョン」の違いは?

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次に、似た意味を表す「方針」「ビジョン」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、これらの語には以下のような意味があります。

「方針」:物事を行う時の目指す方向や原則、ある事柄を行う上で基本とする行い方。

「ビジョン」:将来に対する見通し、未来像、理想像、将来展望、構想

そして、これらの語と「理念」の使い方を比較すると以下のようになります。

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