「論理的」(読み方:「ろんりてき」)という言葉は、「論理的思考」「論理的な話し方」などの形でよく用いられ、それらは社会人に必要とされる重要なスキルの一つとして挙げられています。

就職・転職の場面においては企業ではそうした能力を評価の対象にしているといわれますが、「論理的な思考や話し方」とは実際のところどのようなことを表しているのか、疑問を抱くこともあるかもしれません。

そこで、ここではこの言葉の意味と使い方、また違いが理解しにくい「理論的」という語と比較して両者の違いから具体的な意味について学生時代から小説をたくさん書き、現在もライターとして活動している筆者が説明していきます。

「論理的」の意味と使い方・例文・「理論的」との違いまとめ

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「論理的」の意味と使い方や対義語、また混合しやすい「理論的」との違いを解説します。

「論理的」の意味

「論理的」には「論理の法則に適っているさま、理屈に合っているさま、前提となっている事件や事情から物事を正しく推論するさま」といった意味があります。

つまり、「筋道を立てて(順序立てて、正しい順序で)物事を考えたり推論したりする様子」という意味ですね。

ちなみに「論理」とは、「議論・思考・推理などを進めていく筋道」(つまりある推理などを進める正しい順序)を言います。

「論理的」な考え方とは

相手に情報を伝える時「AならばD」と言う結論を伝えるにあたり、そのまま伝えて相手に疑問が残らないか考える必要があります。

AとDがすぐに結びつかな場合、相手はその理解に時間を要するかもしれません。

AとDのつながりに疑問点が無い状態になるために、AならばB。BならばC。CならばD。

といったように一つ一つの組み合わせに疑問点が無く、展開されていく必要があります。

このような思考回路が、論理的な考え方です。

慣用句「風が吹けば桶屋が儲かる」を「論理的」に考える

「論理的」を順を追って考えるために

「風が吹けば桶屋が儲かる」という慣用句を考えてみましょう。

なぜ風が吹いたら桶屋が儲かるのか?

説明が無いと分かりませんよね。

このような時に「論理的」な考え方をします。

 

スタート(前提条件):風が吹く

1.大風で土ぼこりが立つ
  ↓
2.土ぼこりが目に入って、盲人が増える
  ↓
3.盲人は三味線を買う
  ↓
4.三味線に使う猫皮が必要になり、ネコが殺される
  ↓
5.ネコが減ればネズミが増える
  ↓
6.ネズミは桶をかじる
  ↓
7.桶の需要が増え桶屋が儲かる

いかがでしょうか。このように「論理的」につながっていくと分かりやすくなりました。これが「論理的」な考え方です。

「論理的」の使い方の事例

使い方をご理解いただいたところで、実際にはどのようなシーンで「論理的」という単語が使われるのか、見ていきましょう。

様々な場面の例文をたくさん用意しましたので、参考にしてみてください。

・ビジネスシーンでの会話の例
自分:部長、今回の検索サイトのログを月別のアーカイブで整理しました。
   詳細の資料を作成しましたのでチェックお願いします。
部長:この資料は、しっかりと手順が調べてあり、「論理的」な文章に仕上がっていて、とても分かりやすかったよ。

・友達との会話の例
友達:こないだの記事みたか?あの犠牲者のニュアンスは分かりにくかったよなぁ。
自分:そうかな?しっかりと状況整理して「論理的」に考えて行くと不自然では無いと思うよ。

・夫婦の会話の例
妻:この番組の解説者は、いつも分かりやすいわね。
夫:そうだね。説明が「論理的」だから聞きやすいんだよ。

・親子の会話の例
子:マーケティングを勉強するのに読書がいいと思う?それとも他の方法がいい?
親:読書がいいと思うよ。本はね、しっかりと手順が「論理的」に書かれているから分かりやすいんだよ。

・職場の同僚との会話の例
友人:最近お前、感情的な行為になってないか?もう少し「論理的」に考えて話し方(敬語)を変えた方がいいと思うよ。
自分:そうだな。直観的に考えていて、変な回答になっていたよ。人生なにがあるか分からないよな。

・ビジネス会議で質問するときの例
自分:上記の取り組みがなぜコストを低減出来たのか?「論理的」に説明出来ますか?
相手:分かりました。ここにたどり着いた詳細は、...。

・先生と生徒の会話の例
生徒:数学の点数を上げたいときはどうしたらいいですか?
先生:普段から生活の中で「論理的」に考えるクセを付けるといいよ。そうすれば試験の問題も解きやすくなるよ。

・選手と監督の会話の例
選手:練習量を高めてもうまくなりません。お腹が痛くなるだけです。他にいい方法ありますか?
監督:今の練習方法がなぜ生まれたのか「論理的」に考えてみろ。人に説明が出来るようになった時に上達出来るよ。

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論理的に説明することが出来ると、相手に理解してもらいやすくなります!
つまり、論理的な説明が出来ない場合は、2つの事象に矛盾が生じていることになります。

\次のページで「「論理的」の対義語」を解説!/

「論理的」の対義語

「論理的」の対義語(反対語)は、「直観的」です。

直観とは、条件反射のように考えずに思いつくさま

本人の経験から培われたものから考えずして思いつく状態のことを言います。

また、勘とも言われることからも本能に近いことから論理的と対比されるということですね。

「理論的」との違い

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ではここからは、意味の上でどのような違いがあるのかが分かりにくい「理論的」という語と比較して、両者の違いについて見ていきます。

まず、「理論的」の「理論」には「個々の事実・現象などを統一的に説明するために筋道を立てて組み立てられた知識の体系」という意味があり、「理論的」は「理論に基いている様子」を表す語となりますね。

この言葉と「論理的」の使い方を比較してみると以下のようになります。

「理論的」:「カオス理論的にいうと、天気予報を100%完璧に予想することは不可能だ」

「論理的」:「天気予報の降水確率はあくまで統計的なデータから算出していて、数字に論理的な根拠があるわけではない」

「論理的」な思考を使いこなせば、伝えるのが上手くなる!

「論理的」の意味と使い方についてまとめました。

この言葉は「物事を筋道立てて考える」ことを表し、「理論的な思考力」は問題解決や分かりやすく相手に何かを伝えることができる重要なスキルして挙げられています。

一方で、「理論的」という語は単に「理論に基いている状態」を表し、「理論的にいえば」「理論的には可能」などの形で、何らかのすでにある理論に基づいて考える場合などに用いれる。

両者は一見して似た言葉のようでも全く異なることを表しているため、意識して使い分けるようにすると良さそうです。

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言葉の意味

「論理的」の意味と使い方・例文・「理論的」との違いは?小説作家である筆者がサクッとわかりやすく解説!

「論理的」(読み方:「ろんりてき」)という言葉は、「論理的思考」「論理的な話し方」などの形でよく用いられ、それらは社会人に必要とされる重要なスキルの一つとして挙げられています。

就職・転職の場面においては企業ではそうした能力を評価の対象にしているといわれますが、「論理的な思考や話し方」とは実際のところどのようなことを表しているのか、疑問を抱くこともあるかもしれません。

そこで、ここではこの言葉の意味と使い方、また違いが理解しにくい「理論的」という語と比較して両者の違いから具体的な意味について学生時代から小説をたくさん書き、現在もライターとして活動している筆者が説明していきます。

「論理的」の意味と使い方・例文・「理論的」との違いまとめ

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「論理的」の意味と使い方や対義語、また混合しやすい「理論的」との違いを解説します。

「論理的」の意味

「論理的」には「論理の法則に適っているさま、理屈に合っているさま、前提となっている事件や事情から物事を正しく推論するさま」といった意味があります。

つまり、「筋道を立てて(順序立てて、正しい順序で)物事を考えたり推論したりする様子」という意味ですね。

ちなみに「論理」とは、「議論・思考・推理などを進めていく筋道」(つまりある推理などを進める正しい順序)を言います。

「論理的」な考え方とは

相手に情報を伝える時「AならばD」と言う結論を伝えるにあたり、そのまま伝えて相手に疑問が残らないか考える必要があります。

AとDがすぐに結びつかな場合、相手はその理解に時間を要するかもしれません。

AとDのつながりに疑問点が無い状態になるために、AならばB。BならばC。CならばD。

といったように一つ一つの組み合わせに疑問点が無く、展開されていく必要があります。

このような思考回路が、論理的な考え方です。

慣用句「風が吹けば桶屋が儲かる」を「論理的」に考える

「論理的」を順を追って考えるために

「風が吹けば桶屋が儲かる」という慣用句を考えてみましょう。

なぜ風が吹いたら桶屋が儲かるのか?

説明が無いと分かりませんよね。

このような時に「論理的」な考え方をします。

 

スタート(前提条件):風が吹く

1.大風で土ぼこりが立つ
  ↓
2.土ぼこりが目に入って、盲人が増える
  ↓
3.盲人は三味線を買う
  ↓
4.三味線に使う猫皮が必要になり、ネコが殺される
  ↓
5.ネコが減ればネズミが増える
  ↓
6.ネズミは桶をかじる
  ↓
7.桶の需要が増え桶屋が儲かる

いかがでしょうか。このように「論理的」につながっていくと分かりやすくなりました。これが「論理的」な考え方です。

「論理的」の使い方の事例

使い方をご理解いただいたところで、実際にはどのようなシーンで「論理的」という単語が使われるのか、見ていきましょう。

様々な場面の例文をたくさん用意しましたので、参考にしてみてください。

・ビジネスシーンでの会話の例
自分:部長、今回の検索サイトのログを月別のアーカイブで整理しました。
   詳細の資料を作成しましたのでチェックお願いします。
部長:この資料は、しっかりと手順が調べてあり、「論理的」な文章に仕上がっていて、とても分かりやすかったよ。

・友達との会話の例
友達:こないだの記事みたか?あの犠牲者のニュアンスは分かりにくかったよなぁ。
自分:そうかな?しっかりと状況整理して「論理的」に考えて行くと不自然では無いと思うよ。

・夫婦の会話の例
妻:この番組の解説者は、いつも分かりやすいわね。
夫:そうだね。説明が「論理的」だから聞きやすいんだよ。

・親子の会話の例
子:マーケティングを勉強するのに読書がいいと思う?それとも他の方法がいい?
親:読書がいいと思うよ。本はね、しっかりと手順が「論理的」に書かれているから分かりやすいんだよ。

・職場の同僚との会話の例
友人:最近お前、感情的な行為になってないか?もう少し「論理的」に考えて話し方(敬語)を変えた方がいいと思うよ。
自分:そうだな。直観的に考えていて、変な回答になっていたよ。人生なにがあるか分からないよな。

・ビジネス会議で質問するときの例
自分:上記の取り組みがなぜコストを低減出来たのか?「論理的」に説明出来ますか?
相手:分かりました。ここにたどり着いた詳細は、…。

・先生と生徒の会話の例
生徒:数学の点数を上げたいときはどうしたらいいですか?
先生:普段から生活の中で「論理的」に考えるクセを付けるといいよ。そうすれば試験の問題も解きやすくなるよ。

・選手と監督の会話の例
選手:練習量を高めてもうまくなりません。お腹が痛くなるだけです。他にいい方法ありますか?
監督:今の練習方法がなぜ生まれたのか「論理的」に考えてみろ。人に説明が出来るようになった時に上達出来るよ。

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論理的に説明することが出来ると、相手に理解してもらいやすくなります!
つまり、論理的な説明が出来ない場合は、2つの事象に矛盾が生じていることになります。

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