
「遺憾」の意味と使い方・例文・「残念」との違いは?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
とはいえ、そうした場面において、この語が実際にどのような意味で用いられていてどんなことを表しているのかをはっきり認識していないということは意外と多いかもしれません。そんな「遺憾」という言葉について、大手企業での勤務後ライターとして数々の記事を編集・構成・執筆を手がけている筆者が説明していきます。
この言葉の意味や使い方と併せて、近い意味のある「残念」という言葉と比較しながら、両者の語の違いや、それぞれの言葉のもつニュアンスについて見ていきましょう。
「遺憾」の由来と意味・使い方・例文

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政府の声明や、その他社会的な場面でもよく使われる「遺憾」という言葉は、古くから使われている言葉でもあります。どこか重たく重大な事柄に対する意見として述べられることも多いですね。日常生活では使う機会も少ないかも知れませんが、公的な文書を作成する時や、自分の意見を示す時にも使うことができます。しかしながら、よく似た意味を持つ「残念」という言葉とは捉え方に違いがありますね。成り立ちも気になる「遺憾」の意味と使い方、また「残念」との違いもご紹介します。
「遺憾」という言葉の由来
少し固い印象がある「遺憾」という言葉の歴史は古く、一般の人々の間で使われだした時代は江戸時代から使用されているようです。そして、「遺憾」を使った言葉として「遺憾ながら」「遺憾なく」という使い方がありますが、これらは明治時代ごろからこのような言いまわしがされるようになったという歴史を持ちます。「遺」は「残ること」を表し、「憾」は「念」を示す漢字です。「念が残る」というような意味として解釈できますね。現代でも使われる「遺憾」について、その正しい定義を確認していきましょう。
「遺憾」が示す意味とは
類義語も多い「遺憾」という言葉ですが、その意味は「思い通り、期待通り、または有るべき形に物事が収まらず、念が残る気持ち」を表す言葉であり、自分の気持を表明するときはもちろん、相手に対して意思を表明する時に使うことができます。辞書による定義も確認しましょう。
1. 思いどおりにならなくて、心残りなこと。残念。 「万々━のないように心して進め」
2.事柄が不首尾で、到底容認できるものではないさま。よくない。まずい。 「住民側が市政に━の意を表明した」 「当社は今回の脱線事故を誠に━に思っている」
表現2は、取り返しのつかない行為に言って、相手側には非難の、自分側には釈明の言い方となる。謝罪ではない。
出典ー明鏡国語辞典 大修館書店
つまり、「遺憾」とは「あるべき形に収まらず心残りなこと」を示す言葉であり、対人や組織に対して「自分にとっては釈明、相手を避難する」言葉としても使われます。
「遺憾」の使い方と例文
「遺憾」という言葉の応用例として、「遺憾なく」「遺憾ながら」「遺憾千万」といった形で用いる例文をご紹介します。また、「遺憾」の基本的な使い方も知っておけば便利です。「思い通りにならないことで期待に背いた自分の行為を詫びる」「相手の行為を非難する」などの場面でも活用できるので、例文を確認しておきましょう。
「遺憾なく」:「心残りになることなく」「十分に、申し分なく」
「遺憾ながら」:「残念ではあるが、気の毒ではあるが」
「遺憾千万」:「物事が思い通りにいかず非常に心残りであるさま、この上なく残念に思うこと」
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