「幸甚」の意味と使い方・例文・言い換え表現は?校正者がサクッとわかりやすく解説!
手紙やメールなどの文章で相手に何かを依頼する時によく使われますが、日常会話ではあまり聞かない言葉なので、どういう意味なのか、具体的にはどのような使い方をするのか、また同じような内容のことを他の言葉で言い換えたい時にはどのような表現をすることができるのか、疑問を抱いている方も多いかもしれません。
そこで、ここでは「幸甚」の意味と使い方、言い換え表現について、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正やマニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。
「幸甚」の意味は?
「幸甚」は「こうじん」と読みます。
読み方が難しいので、是非この機会に覚えてくださいね。
まず、「幸甚」を辞書で引くと、以下のように解説されています。
何よりのしあわせ。多く、手紙に用いる。
出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「幸甚」
つまり、「(主に手紙やメールの文章に使用して)この上ない幸せ、最上級の幸福、非常にありがたい」といった意味を表します。
「幸」は読んだ通り「しあわせ」「さいわい」を表す漢字です。
「甚」は「はなはだ」と読むこともでき、「はなはだしい」「度を越えている」といった意味があります。
これら2つの漢字を合わせて、「度を越えた幸せ=この上ない幸せ」という意味の言葉が生まれたのですね。
「幸甚」の使い方・例文
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それでは、「幸甚」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は元々手紙に使われる表現でしたが、最近ではビジネスメールに使われているのを見ることが多いのではないでしょうか。
もっとも多い使い方は、誰かに何か作業や仕事を依頼する際に、「~してくれたら嬉しい」というニュアンスを表したい場合です。
たとえば以下のように使うことができます。
「ご多用とは存じますが、ぜひ弊社研修の講師を〇〇先生にお願いできれば幸甚でございます。」
「誠に勝手ながら、出欠のご返信を○日までにいただけましたら幸甚です。」
「今後のサービス向上に活かすべくお客様からのご意見を賜りたく存じます。つきましては、以下のリンクよりアンケートにご協力くだされば幸甚に存じます。」
また、「ありがとうございます」の言い換えとして相手に感謝を伝えるときや、「~となって欲しい・~であればいいなと思う」という意味で自身の希望・願いを表すときにも使うことができます。
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