「要領」という言葉は、「要領のいい人」「要領を得ない」などの言い方でよく用いられています。

しかしながら、この言葉にはそれ以外にも「要領を覚える」などのさまざまな使い方があります。

そこで、ここでは「要領」の基本的な意味と使い方、また類義語と対義語の説明も交え、近い意味のある「方法」という語との違いについて、学生時代から小説をたくさん書き、現在もライターとして活動している筆者が説明していきます。

「要領」の意味と使い方・例文・「方法」との違いまとめ

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それでは、以下に「要領」と「要領を使った表現」の意味と使い方、また類義語や対義語の説明も交え「方法」との違いを説明します。

「要領」の意味とは

まず「要領(ようりょう)」の意味としては、以下の2つがあります。

1.物事の主要なところ、要点。
2.物事をうまく処理する手順や手段、こつ、要点をつかんで巧みに立ち回る方法。

つまり、「物事の大切な箇所」「物事のうまい処理の仕方」ということです。

また一般的によく使われている「要領がいい(悪い)」「要領を得る(得ない)」という言い方をする場合の意味としては、次のようになります。

「要領がいい」「要領が悪い」とは?

「要領がいい」は、「手際が良い」もしくは「巧みに立ち回ることがうまい」ということを表しています。

「手際が良い」は、手際よく上手に処理することが可能。と表現することができ、
「巧みに立ち回ることがうまい」は、「処世に長けている」という相手に対する非難の気持ちが含まったものとなります。そのため、必ずしも良い意味で用いられている訳ではありません。

例文:最近、彼は仕事の要領がいいと部内で評判だ。
   あいつが俺よりも先に出世したのは学習の要領がいいからだ。

「要領が悪い」は、「物事を処理する手際が悪い」「立ち回りが下手だ」ということを表します。

「立ち回りが下手」つまり「処世術が下手だ」ということは、必ずしも非難の意味で用いられている訳ではありません。

例文:キーワードの集計に1日かけているとは、あいつは要領が悪すぎる。
   彼の人柄は良いが、一方で要領が悪い。

「要領を得る」「要領を得ない」とは?

次に、「要領を得る」という言い方ですが、この表現には「物事の要点を理解する、要点が明確で筋道が立っている」という意味があります。

また、「要領を得ない」とは、上記とは逆に「筋道がはっきりしない」ということです。

彼の説明は要領を得ている。

進行役となる人がいない会議は話が脇道に逸れて要領を得ないままで終わった。

「要領」の使い方・例文

次に「要領」の使い方を、例文で見ていきましょう。

この言葉は、以下のように用いることができるので、ぜひご参考にしてみてください。

ビジネスシーンの例
1.上司と部下の会話
部下:社長の経営方針が変わったのでこれからの業務が増えそうです。
上司:似た内容の仕事は、「要領」よくこなせるように最新のルールを決めよう。

2. 上司と部下の会話
部下:Aさんは、ほとんどの対応が悪く解決に至るまでに時間がかかります。
上司:「要領」よく仕事ができるように環境を変えてあげよう。

\次のページで「「要領」の類義語・言い換え」を解説!/

生活シーンの例
1.夫婦の会話
妻:朝日新聞社の用語検索サイトで懸賞のランキング記事を見つけたの。
夫:たくさんの商品に「要領」よく応募して当選を狙おう!

2.友人との会話
友人:先生から勉強の「要領」が悪いと指摘されたんだよ。
自分:まず、課題を一覧にして「要領」よく順番に進めるしかないと思うよ。

「要領」がいいと多くの仕事や課題を処理が出来るようになります

過去の自分より「要領」よくすることやライバルより「要領」よくこなせるようになるなど、比較対象を何におくのかがポイントです。

どうやったら「要領」を良くできるかを考えることが大切になるでしょう。

「要領」の類義語・言い換え

それでは「要領」の類義語・言い換えについて見ていきましょう。

「要点」といった意味を持つことからも以下のような言葉があります。

・趣旨
・骨子
・大筋
・エッセンス

それでは順番に見ていきましょう。

「趣旨」:あることをするときの理由や目的のこと。
 例文:解説たくさん書かれていますが、その記事の趣旨は、他者に人気をアピールしたいと言うことですね。

「骨子」:ストーリーの着眼点のこと。
 例文:報告書を書き始める前に、まず内容の骨子を決める必要がある。

「大筋」:あることの大体のあらすじのこと。
 例文:記事のテーマについて、大筋合意して開始した。

「エッセンス」:あることの本質のこと。
 例文:この案件を受注するには、まず初めにエッセンスを調べる必要があります。

この「要領」は、相手に「物事の大切な箇所」をしっかりと伝えることができれば、言い換えは可能であるということですね。

「要領」の対義語・反対語

次に、「要領がいい」の対義語・反対語について見ていきましょう。
「物事をうまく処理する手順や手段」といった意味を持つことからも以下の言葉あります。

・手際が悪い
・下手っぴな
・不器用
・行き当たりばったり

それでは、順番にみていきましょう。

「手際が悪い」:物事を処理するときの手腕のこと。
 例文:手際が悪いので処理するために多くの時間が必要です。

「見劣り」:他と比べて劣っていること。
 例文:他の人と比べて成績が見劣りするので、この度は辞退します。

「不器用」:うまく処理できないこと。
 例文:手先が不器用なので、細かな作業ができません。

「行き当たりばったり」:計画性が無く、なりゆきにまかせること。
 例文:初めての仕事を行き当たりばったり行うと必ず失敗するでしょう。

このように「要領がいい」はポジティブのイメージを持っているのに対して、
これらの言葉はネガティブイメージを持つ意味として使われることが分かると思います。

「要領」と「方法」の違い

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次に「方法」と同じような使い方をすることがある、「方法」との違いについて見ていきます。

「方法」とは、「仕方、目的を達するための手立て」という意味があり、「目的を達成するために物事を行う順序ややり方」ということです。

この言葉は、たとえば「操作方法を覚える」「下記の方法で報告書を提出する」など、「要領」と置き換えられるような使い方をすることがありますが、このケースにおける両者の使い方を比較すると、以下のようになります。

「方法」:「この機械の操作方法を説明します」(機械をどのような順番ややり方で操作をするかを説明する)

「要領」:「操作の要領を教える」(機械の操作をうまく行う手順やこつを教える)

「要領」がいいと周りから良くみられる!

以上、今回は「要領」の意味と使い方と類義語や対義語を交えて説明し、「方法」との違いについてもまとめました。

この言葉は、主に「要領がいい」「要領を得ない」などの形で用いられますが、他にも「要領を教える」「要領を覚える」などさまざまな使い方があります。

それらの意味におけるニュアンスの違いを意識しておくと、他の語との使い分けがし易くなるでしょう。

しっかりと意味を理解し「要領」がいい行動をとることが出来ると、周りから頼りにされる存在になれるに違いありません!

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言葉の意味

「要領」の意味と使い方・例文・「方法」との違いまとめ

「要領」という言葉は、「要領のいい人」「要領を得ない」などの言い方でよく用いられています。

しかしながら、この言葉にはそれ以外にも「要領を覚える」などのさまざまな使い方があります。

そこで、ここでは「要領」の基本的な意味と使い方、また類義語と対義語の説明も交え、近い意味のある「方法」という語との違いについて、学生時代から小説をたくさん書き、現在もライターとして活動している筆者が説明していきます。

「要領」の意味と使い方・例文・「方法」との違いまとめ

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それでは、以下に「要領」と「要領を使った表現」の意味と使い方、また類義語や対義語の説明も交え「方法」との違いを説明します。

「要領」の意味とは

まず「要領(ようりょう)」の意味としては、以下の2つがあります。

1.物事の主要なところ、要点。
2.物事をうまく処理する手順や手段、こつ、要点をつかんで巧みに立ち回る方法。

つまり、「物事の大切な箇所」「物事のうまい処理の仕方」ということです。

また一般的によく使われている「要領がいい(悪い)」「要領を得る(得ない)」という言い方をする場合の意味としては、次のようになります。

「要領がいい」「要領が悪い」とは?

「要領がいい」は、「手際が良い」もしくは「巧みに立ち回ることがうまい」ということを表しています。

「手際が良い」は、手際よく上手に処理することが可能。と表現することができ、
「巧みに立ち回ることがうまい」は、「処世に長けている」という相手に対する非難の気持ちが含まったものとなります。そのため、必ずしも良い意味で用いられている訳ではありません。

例文:最近、彼は仕事の要領がいいと部内で評判だ。
   あいつが俺よりも先に出世したのは学習の要領がいいからだ。

「要領が悪い」は、「物事を処理する手際が悪い」「立ち回りが下手だ」ということを表します。

「立ち回りが下手」つまり「処世術が下手だ」ということは、必ずしも非難の意味で用いられている訳ではありません。

例文:キーワードの集計に1日かけているとは、あいつは要領が悪すぎる。
   彼の人柄は良いが、一方で要領が悪い。

「要領を得る」「要領を得ない」とは?

次に、「要領を得る」という言い方ですが、この表現には「物事の要点を理解する、要点が明確で筋道が立っている」という意味があります。

また、「要領を得ない」とは、上記とは逆に「筋道がはっきりしない」ということです。

彼の説明は要領を得ている。

進行役となる人がいない会議は話が脇道に逸れて要領を得ないままで終わった。

「要領」の使い方・例文

次に「要領」の使い方を、例文で見ていきましょう。

この言葉は、以下のように用いることができるので、ぜひご参考にしてみてください。

ビジネスシーンの例
1.上司と部下の会話
部下:社長の経営方針が変わったのでこれからの業務が増えそうです。
上司:似た内容の仕事は、「要領」よくこなせるように最新のルールを決めよう。

2. 上司と部下の会話
部下:Aさんは、ほとんどの対応が悪く解決に至るまでに時間がかかります。
上司:「要領」よく仕事ができるように環境を変えてあげよう。

\次のページで「「要領」の類義語・言い換え」を解説!/

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