「媒体」という言葉は、「外部記憶媒体」「情報媒体」などの形でよく用いられています。

概ね意味は分かっている人が多いかと思いますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表しているのか、また似たような意味のある「媒介」「メディア」という語とどのような違いがあるのか、疑問に思っている方もいるかもしれません。

そこで、ここでは「媒体」の基本的な意味と使い方・例文・「媒介」「メディア」との違いなどを、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正やマニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。

「媒体」の意味と使い方・例文・「媒介」「メディア」との違い

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それでは、以下に「媒体」の意味と使い方、また「媒介」「メディア」との違いを説明します。

「媒体」の意味は?

まず「媒体」を辞書で引くと、以下のように解説されています。

【媒体】
1. なかだちをするもの。媒介するもの。
2. 情報伝達の媒介手段となるもの。新聞・ラジオ・テレビなど。メディア。 「宣伝-」
3. メモリーや磁気ディスクなど、データの記憶媒体のこと。

 

出典:大辞林(発行所 株式会社三省堂)

つまり、「間に入って(情報伝達などを)仲介するもの」を表す語です。

「媒体」の使い方・例文

では具体的にどのような使い方をするのか、例文を使ってご紹介しましょう。

「新聞とテレビはマスコミュニケーションにおける重要な媒体である。」

「一曲の歌が媒体となって彼らの存在は全国に広まった。」

「他の機器で読み出すための情報を外部記憶媒体に保存する。」

「現在では、情報媒体の発達によって世界各地のニュースを即時に知ることができる。」

余談ですが、筆者の職場では「紙媒体」という言葉が良く使われていました。たとえばメールを送る際に、「会議資料のPDFを添付の通りお送り致しますのでご査収ください。後ほど紙媒体でもお渡し致します。」といった具合です。

PDFなどの電子データとの対比で使われるのですが、初めて耳にしたときや、自分で初めて使ってみたときにはなんだか違和感があったのを覚えています。しばらく経つとすっかり慣れてしまいましたが。

皆さんの職場でもこの「紙媒体」という言葉は使われているでしょうか?

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「媒介」「メディア」との違い

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「媒体」と似た意味を持つ言葉として、「媒介」と「メディア」がありますが、これらの言葉には何か違いがあるのでしょうか?

まず、それぞれを辞書で引くと意味は以下の通りです。

【媒介】
両方の間にはいって仲立ちをすること。橋渡し。多く、病原菌をうつすこと。

【メディア】
手段。方法。媒体。特に、新聞・テレビ・ラジオなどの情報媒体。

出典:大辞林(発行所 株式会社三省堂)

つまり、「媒体」が「間に入って仲立ちをするもの」を表すのに対して、「媒介」は「間に入って仲立ちをするという行為」を表します。特に病気を移すことを指す場合によく使われますね。

また、「メディア」は「媒体、手段」の中でも特に新聞・雑誌・テレビ・ラジオといった広告媒体(マスメディア)のことを指しますので、「媒体」の方がより幅広い意味を持つといえるでしょう。

ちなみに「メディア」という言葉は英語で表記すると「media」ですが、これは「medium」という言葉の複数形です。このことから、「メディア」という言葉はマスメディアを含めた情報媒体の集合体を意味していると考えられます。

これらの語の使い方を例文を使って比較してみると以下の通りです。

「媒体」:「リムーバブルメディアと呼ばれる外部記憶媒体にはハードディスクやUSBメモリ、CD-ROMなどがある。」

「媒介」:「マラリアは、蚊が媒介することによって人に感染する恐ろしい伝染病だ。」

「メディア」:「報道の自由というが、メディアは報道に対して責任を伴っていることも事実である。」

「媒体」は情報伝達の「仲立ちとなるもの」つまり「仲立ちをする手段となるもの」であることに対して、「媒介」は「仲立ちをするという行為」を表す言葉です。

「メディア」は「媒体」と同じ意味だともいえますが、それらの中でも特にマスメディア(テレビ・雑誌・ラジオなど)のことを指すという部分において違いがあるといえます。

ペーパーレス化の時代へ。近年の媒体の変化

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近年はエコや効率化の観点から、「ペーパーレス化」が進められている職場が増えてきています。

紙に印刷するのをやめて電子データで共有するようにしたり、大量の資料もスキャンしてタブレットから見られるようにしてしまえば、膨大な情報もコンパクトに持ち歩くことができますし、紙ゴミも削減することができるというメリットがありますね。

また、マスメディアについても大きな変化の時代を迎えています。

一昔前はテレビがメディアの王様でしたが、インターネットの進化と共に、スマートフォンで簡単に情報を手に入れることができるようになったと同時に、自ら情報を発信することも簡単にできるようになりました。

また、Youtubeやニコニコ動画、AbemaTVといった新たなメディアが続々と登場していることも影響して、急速にテレビ離れが進んでいるとも言われています。

これからの情報媒体の変化は、私たちの生活や働き方に、さらなる影響を与えることでしょう。

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「媒体」の意味を正しく理解して適切に使おう

以上、「媒体」の意味と使い方・例文・「媒介」「メディア」との違いなどについてまとめました。

「媒体」は「仲立ちをするもの」を表す言葉です。

同じような意味を持つ言葉に「媒介」「メディア」というものがありますが、「媒介」は「仲立ちをする」という動詞的な使い方をし、「メディア」は「媒体」とほぼ同じように用いることができますが、特にテレビなどのマスメディアを指すことが多い言葉なのでしたね。

インターネットなどの情報媒体は、今や私の生活になくてはならないものになりました。言葉の意味も正しく理解して、適切に使えると良いですね。

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言葉の意味

「媒体」の意味と使い方・例文・「媒介」「メディア」との違いまとめ

「媒体」という言葉は、「外部記憶媒体」「情報媒体」などの形でよく用いられています。

概ね意味は分かっている人が多いかと思いますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表しているのか、また似たような意味のある「媒介」「メディア」という語とどのような違いがあるのか、疑問に思っている方もいるかもしれません。

そこで、ここでは「媒体」の基本的な意味と使い方・例文・「媒介」「メディア」との違いなどを、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正やマニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。

「媒体」の意味と使い方・例文・「媒介」「メディア」との違い

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それでは、以下に「媒体」の意味と使い方、また「媒介」「メディア」との違いを説明します。

「媒体」の意味は?

まず「媒体」を辞書で引くと、以下のように解説されています。

【媒体】
1. なかだちをするもの。媒介するもの。
2. 情報伝達の媒介手段となるもの。新聞・ラジオ・テレビなど。メディア。 「宣伝-」
3. メモリーや磁気ディスクなど、データの記憶媒体のこと。

 

出典:大辞林(発行所 株式会社三省堂)

つまり、「間に入って(情報伝達などを)仲介するもの」を表す語です。

「媒体」の使い方・例文

では具体的にどのような使い方をするのか、例文を使ってご紹介しましょう。

「新聞とテレビはマスコミュニケーションにおける重要な媒体である。」

「一曲の歌が媒体となって彼らの存在は全国に広まった。」

「他の機器で読み出すための情報を外部記憶媒体に保存する。」

「現在では、情報媒体の発達によって世界各地のニュースを即時に知ることができる。」

余談ですが、筆者の職場では「紙媒体」という言葉が良く使われていました。たとえばメールを送る際に、「会議資料のPDFを添付の通りお送り致しますのでご査収ください。後ほど紙媒体でもお渡し致します。」といった具合です。

PDFなどの電子データとの対比で使われるのですが、初めて耳にしたときや、自分で初めて使ってみたときにはなんだか違和感があったのを覚えています。しばらく経つとすっかり慣れてしまいましたが。

皆さんの職場でもこの「紙媒体」という言葉は使われているでしょうか?

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