「意向」の意味と使い方・例文・「意見」「希望」との違い・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
この言葉は例えば、ビジネスの場面において「辞令を出す」「何かを依頼する・受ける」などの場面で用いられることがありますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また近い意味のある「意見」「希望」とはどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかも知れません。
そこで、ここではこの言葉の基本的な意味や使い方と併せて、「意見」「希望」と比較しながらそれぞれの違い、また類義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「意向」の意味は?
まず、「意向」には「物事にどう対処するかについての考えや意思、判断、思惑」といった意味があり、「その人が物事をどのように処置するか、どうしようと考えているか」を表します。
また、「意向」は、「思い、考え」を意味する「意」と「向かう」という意味が転じて「心の目指す方向」という意味も含むようになった「向」から構成され、「物事に向かっていくときの考え」を意味するべく成り立っている熟語です。
「意向」の使い方は?
次に、「意向」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「先方の意向を汲んで納期を早めることにした」
「この件は先方の意向次第だ」
「セミナーの講演について先方の意向を打診する」
「先方の意向に従って掲載の依頼を断念する」
「どうやら彼には契約を更新する意向はないようだ」
「たとえそれが先方の意向に反するようでも、当社としてはそれ以上の対応はできない」
「審査の結果によっては、ご意向に沿えない場合もございますので予めご了承ください」
「上司の意向から、このプロジェクトは中止になった」
「この問題については、日本政府が正式の代表機関を通して意向を表明しています」
「僕は学生時代、父母の意向に黙って従う人形のようだった」
「意向」と「意見」「希望」の違いは?
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それでは、次に「意向」と似た意味のある「意見」「希望」といった語との違いについて見ていきましょう。
まず、これらの語は以下の意味があります。
「意見」:ある物事や判断に対して持つ考え、見解。
「希望」:あることが実現すること待ち望むこと、またその気持ち、望み、願望。
つまり、「意見」は「何らかの判断や物事について各人の思うところや考え」、「希望」は「計画や期待などが実現することを望んだり、願ったりすること」といったことを述べる場合に用いることができるでしょう。
これらの語と「意向」の使い方を比較してみると、以下のようになります。
「意見」:「オフィスのペーペーレス化について社内で意見を募る」(ペーペーレス化について社員の考えを募集する)
「希望」:「本社への異動を希望する」(本社へ異動したいと望む)
「意向」:「転勤について本人の意向を打診する」(転勤について本人がどうしようと考えているかを探る)
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