
「考察」の意味と使い方・例文・「総括」「感想」との違いは?日本文学専攻の現役ライターがサクッとわかりやすく解説!
しかし、それほど日常において頻用する語ではなく、ビジネスや実験の場面で用いられることが多い語であるために、具体的にこの言葉がどのようなことを表すのか、また近い意味のある「総括」「感想」という言葉とどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかもしれません。
そこで、ここでは「日本語」が好きすぎて「言葉」をひたすら研究していた筆者が、「考察」の基本的な意味と使い方、また「総括」「感想」と比較してそれぞれの違いを解説していきます。
「考察」の意味や使い方は?例文はどんなものがある?
そもそも、「考察」には、どのような意味があるのでしょうか。
日常で使うよりも、報告などの改まった場面で使用されることが多いため、「なんとなくこの場面では『考察』を使うんだろうな」と、深く意識せず、流れで使っている人も多いと思います。
しかし、「流れ」で言葉を使用するのは、誤った使用をしてしまうことにつながり、時には恥ずかしい思いをしてしまう危険性もありますよね。
そのようなことがないように改めて意味を確認してみましょう。
調べてみると、「考察」には、「物事を明らかにするためによく調べて考えること、道理を考えて物事を明らかにすること」といった意味があることがわかりました。
よって、「考察」は「何らかの物事について考えを巡らせ導き出したこと」を表します。感情論ではなく、事実やデータなど根拠にあるものに基づいて分析した物事に使用することが多い言葉です。
「考察」は具体的には、以下のように用いることができます。
つまり、「よく調べた物事」に関しては「考察」という言葉を用いるのが適切です。
ただ感じたことやまとめたことに対しては、「考察」という言葉は使いません。
イメージとしては、「事象をどんどん掘り下げていった結果としてわかったこと」=「考察」と捉えると、わかりやすいと思います。
「総括」「感想」との違いは?

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「考察」と同じようによく報告で用いる類語に、「総括」や「感想」が挙げられます。
同じ報告書に混在するパターンもありますので、「一体何が違うのだろう?」と疑問に思うこともあるのではないでしょうか。
対象物が同じ「事象」や「物事」ですので、言葉だけだと違いが少々わかりづらいと思います。
そこで次は、「考察」と「総括」「感想」の違いについて見ていきましょう。
たとえば、これらの語を表す具体例を挙げて意味を比較してみると、以下のようになります。
「総括」の意味は?
まず「総括」には「全体を総合して締めくくること、またすべての過程を検討・評価すること」という意味があり、全体を見渡してこれまでの経過をまとめることや、過程を評価することを表します。
つまり、「総括」は掘り下げるというよりも包み込む、丸め込むような形ですね。「結論」という言葉に非常に近い立ち位置になります。
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