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「恣意的」の意味と使い方・例文・「作為」「故意」との違い・類義語は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!

「恣意的」(読み方:「しいてき」)という言葉は、「恣意的な判断」「恣意的な振る舞い」などの形で用いられています。

それほど日常において頻用する語ではありませんが、実際のところ、この言葉はどのようなことを表しているのか、また似た意味があるとして混同されることがある「作為」「故意」という語とどのような違いがあるのか、疑問に思うこともあるかも知れません。

そこで、ここでは「恣意的」の基本的な意味と使い方、また「作為」「故意」との違いや類義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「恣意的」の意味と使い方・例文・「作為」「故意」との違い

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それでは、始めに「恣意的」の意味と使い方、また「作為」「故意」との違いを説明していきます。

「恣意的」の意味は?

まず、「恣意」は「自分の欲するままに振る舞う、行動する心や考え」を意味し、「そのような性質の」「そのような様子の」といった意を表す接尾語「的」を付けることで形容動詞化したものが「恣意的」です。

そして「恣意的」には、「気ままな、自分勝手なさま、好みやその時の思いつきで行動するさま」といった意味があり、その時の気分任せで自分の好きなように振る舞うことを表す語となります。

また「恣意」は、「欲しいまま・勝手気まま」を意味する「恣」と「こころ・気持ち・思い・考え」を意味する「意」から「勝手気ままな考え」といった意味となっており、前の漢字が後の漢字を修飾する形で構成されている熟語です。

「恣意的」の使い方は?

それでは、次に「恣意的」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「最近の教材は彼が恣意的に選んで採用しているようだ」

「採否は担当者の恣意的判断に依存しているところが大きいらしい」

「言動が恣意的且つ一貫性に欠いた親の元で育った子どもは健全に成長することは難しい」

「教師たるものは生徒に対して恣意的に振る舞うべきではない」

「親の恣意的な振る舞いは子どもの価値観や自尊心を歪んだものにしてしまう」

「規則を恣意的に解釈してはならない」

「彼の議論の進め方は恣意的なんじゃないかという印象を持った」

「米国による恣意的な貿易ルールの変更は、日本や豪州、フランスなどに大きな影響を与えた」

このように、「恣意的」は「論理的必然性がなくその時の思いつきで行動するさま」と「(相手のことを考えず)自分本位に、または自分の欲するままに行動するさま」という微妙に異なる2つの意味で用いられます。

「恣意的」と「作為」「故意」の違いは?

次に、混同した使い方をされることがある「作為的」「故意」といった語との意味や使い方における違いについても見ていきましょう。

まず、「作為」は「何か企むところがあってわざと手を加えること」といった意味があり、「作為的」とすると「わざとこしらえること、故意にそうしたことが明らかで不自然なさま」を表します。

また「故意」については、「意識して行うこと、わざとすることやその気持ち」がその意味です。

そして、これらの語の使い方を「恣意的」を比較してみると以下のようになります。

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