
「了承」の意味と使い方・例文・「承知」「了解」との違いは?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
メールや文書などで使用する機会は多くありますが、この言葉が具体的にどういう意味を持っているのか、「承知」や「了解」などの似たような言葉とはどのような違いがあるのか、疑問に感じることがあるかもしれません。
そこで、ここでは「了承」の基本的な意味とビジネスの場面での使い方、また類義語との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。
事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。
出典:小学館「了承/諒承/領承」
つまり「了承」は「承知すること、事情を理解してそれで良しとすること」という意味を持ち、相手からの願い出などに納得して承知することを表す言葉です。
相手に提案・要求・依頼をする場合やそれを許可する場合に用いることができます。
立場上、優位にある人が下の人に対して使う表現ですので、目上の人に対して使うのは避けましょう。
「了承」の使い方・例文

image by iStockphoto
次に、「了承」の使い方を見ていきましょう。
この言葉は、「ビジネスにおいて上司などに何かを申請する・願い出る」場合や「相手に何かを提案する」「相手からの依頼を承知することを伝える」などの場面において、たとえば以下のように用いることができます。
「それでは、○日○時に貴社へ訪問の上詳細をご説明いたしますのでよろしくご了承ください」
「先日の件、了承いたしました。こちらはご提案いただいた日程で問題ございませんのでよろしくお願いいたします」
「このサービスはいつでも解約が可能でございます。ただし月半ばの解約にも1ヶ月分の料金が発生いたしますので何とぞご了承ください」
「このたびはお客様のご要望に沿うことができず誠に申し訳ございませんが、何とぞご理解、ご了承のほどお願い申し上げます」
「事前に了承を得ずに残業することを禁止します」
「有給休暇取得の了承を求める」
「この案についてはすでに部長の了承を得ております」
「承知」「了解」との違い

image by iStockphoto
ここからは、同じような意味を持つ「承知」「了解」との違いについて見ていきましょう。
「承知」には「目上の人の命令などを承ること、相手の願い・要求などを聞き入れること、納得すること、許すこと、同意、承諾」という意味があります。たとえば目上の人から何かの依頼や命令を受けた時に、それを聞き入れることを表すのに用いることができる言葉です。
一方「了解」は、「はっきりとよく分かること、よく理解すること、また理解して承認すること」を表し、主に何かを「理解した」ことを示す場合に用います。
この2つの言葉と「了承」との違いを例文を使って確認しましょう。
「承知」:「来週から新人が来ることになったから教育係を頼む」 「承知いたしました」
「了解」:「明日の会議は一旦延期になりました。詳細は調整次第追って連絡いたします」「了解しました」
「了承」:「家庭の事情で数日休暇をいただきたく存じます。お忙しいところ恐縮ですが何とぞご了承くださいますようお願い申し上げます」
上の例文では、
「承知」は「上司からの命令を承る」
「了解」は「連絡事項を理解したことを示す」
「了承」は「相手が事情を理解した上で承諾することを求める」
という意味で使われていることがわかります。
\次のページで「その他の類義語・言い換え表現」を解説!/