今回の記事では、7月に送る手紙の挨拶文などに使用される言葉5つ(小暑・大暑・仲夏・酷暑・盛夏)挙げて、意味と使い方を文学部卒で、社内でもたくさんのビジネス文書を作成している筆者が説明していきます。

7月に出す手紙の挨拶文や結びの言葉に用いる言葉 意味と使い方

それでは、7月に手紙の挨拶文などに使用される言葉を5つ挙げて意味や使い方(使用例)を紹介していきます。

小暑(しょうしょ)

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「小暑」二十四節気の一つで、「太陽の黄経が105度に達する時」のことを表します。暦でいうと「7月7日頃」にあたり、この日から暑気が強くなるとされている時期です。

また「小暑」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「大暑(1000004月23日頃)」までの間となります。

「小暑」は暑さが小さいということですから、夏には向かってはいるが、まだ本格的な暑さには間があるというイメージです。ちょうどこの頃「暑中見舞い」を出し始めます。

「小暑」は、7月上旬から下旬に送る手紙の挨拶文などにおいて、以下のように使用すると良いでしょう。

「小暑の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「小暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

「小暑の候、皆様におかれましてはご健勝のことと存じます」

「小暑を過ぎ、いよいよ本格的な夏の到来を迎える時節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか」

「二十四節気」は季節を24に区分する考え方

7月に送る手紙などの挨拶文で使える5つの季語を選び解説していますが、その内、「小暑」「大暑」二十四節気のなかのひとつの季節を表す言葉です。

二十四節気という言葉自体は、普段あまり使わないと思います。しかし、そのなかの「小暑」や「大暑」といった季節を表す言葉は手紙やビジネス文書の挨拶文に取り入れやすい言葉です。

ここでは改めて普段使われない言葉「二十四節気」そのものについて簡単にまとめてみました。

二十四節気は中国で生まれた一年の季節を区分する考え方です。1年を春夏秋冬と分けるのも二十四節気に基づいています。

太陽が移動している天球上の軌道を「黄道」と呼び、「黄道」360度のなかの節気の位置が「黄経」です。「大暑」を「太陽の黄経が120度に達する時」などと表現するのは、こうした二十四節気の考え方によります。

その「黄道」を四季として4つに分け、四季の一つを3つに分けて、さらにその一つを3つに分ける15日を区分単位としたのが二十四節気です。夏至、冬至、春分、秋分や立春、立夏、立秋、立冬は知らない人はいないと思いますが、さらに細分化されて24になっています。

大暑(たいしょ)

「大暑」二十四節気の一つで、「太陽の黄経が120度に達する時」のことを言います。

「大暑」は「小暑」の次の季節となり、暦の上では「7月23日頃」。また「大暑」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「立秋(1000004月7日頃)」の間となります。

この時期は気候的に梅雨明け後のもっとも暑気の激しい頃だとされており、「大暑」には「激しい夏の暑さ、夏の厳しい暑さ、酷暑」といった意味も。

「大暑」と意味が同じの言葉に「盛夏」がありますが、「盛夏」は二十四節気の一つである「大暑」より使用期間に余裕を持って使えます。

「大暑」は、7月下旬に送る手紙の挨拶文や結びの言葉において、以下のように使用すると良いでしょう。

「大暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

「大暑の折から、ご自愛専一のほどお祈り申し上げます」

「大暑の折から、くれぐれも体調を崩さないようにお気を付けてお過ごしください」

「大暑の候、皆様にはますますご壮健にてお過ごしのこととお慶び申し上げます」

仲夏(ちゅうか)

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「仲夏」は、文字の通り「夏の真ん中」という意味があり、「夏の半ば」を表す語となります。

「初夏」「仲夏」「晩夏」と夏を3つに分けて表現しますが、まさに夏の真ん中です。

時期的には6月はじめの「芒種(1000004月6日頃)」から「小暑(1000004月7日頃)」まで

この時期を過ぎると「仲夏」は使えず「盛夏」などの表現にしましょう。

「仲夏」は、手紙の挨拶文などにおいて以下のように使用することができます。

\次のページで「酷暑(こくしょ)」を解説!/

「仲夏の候、貴社におかれましてはいよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「仲夏の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「仲夏の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」

「仲夏のみぎり、梅雨明けとともに厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」

日本の夏の暑さは、湿気と暑さとがないまぜになって過ごしづらい時期です。

しかし、自然には草木の旺盛な生命力が満ち溢れる季節でもあります。

おいしい夏野菜が食卓を飾り、海水浴や川遊びなど夏ではの遊びを楽しめるのが嬉しい季節です。

子どもたちにとっては夏休みの時期で、大人たちにとっても夏の長期休暇を利用して故郷に帰ったり、海外旅行などにでかける楽しみもあります。

こうした夏の二面性を考慮して挨拶文を考えていくことが大切です。

そのことによって、個人宛ての挨拶文はとくに心がこもったものになることでしょう。

酷暑(こくしょ)

「酷暑」には、「ひどく暑いこと、夏の厳しい暑さ、極暑、酷熱」といった意味があります。

このように暑さの極りを表現しているので、8月中使えると勘違いしてしまうことがありがちな言葉です。

しかし、使用時期としては7月下旬から8月上旬となります。

「酷暑」は文字通りに厳しい暑さを表すことから、手紙の挨拶文や結びの言葉において以下のように用いと良いでしょう。

「酷暑の候、貴社におかれましてはいよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「酷暑の折から、どうぞお体を大切になさってください」

「酷暑の折から、くれぐれもご自愛ください」

「酷暑の候、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」

盛夏(せいか)

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「盛夏」は、「夏の盛りの時期、真夏、夏の暑さの盛り」を表し、夏のもっとも暑い時期に用いる表現。

類似の表現として「猛夏」「炎暑」などがあります。

7月初旬から8月初旬までですが、梅雨が7月中旬を過ぎても明けない場合、使用は避けましょう。

「盛夏」は手紙の挨拶文や結びの言葉において、以下のように用いることができます。

「盛夏の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「盛夏の候、貴社におかれましてはいよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「盛夏を思わせる日差しが降り注ぎ、いよいよ夏本番の到来となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか」

「いよいよ盛夏の候、皆様にはますます健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます」

\次のページで「梅雨明けの喜びと厳しい暑さへの気遣いを使い分ける」を解説!/

梅雨明けの喜びと厳しい暑さへの気遣いを使い分ける

以上、7月に送る手紙の挨拶文などに使用する季語の意味や使い方を紹介しました。

この時期は、梅雨が明けて本格的な夏を迎えます。

梅雨明けの喜びと本格的な夏への期待、それと共に暑さは嫌だという気持ちの両方を多くの人が持ってることでしょう。

夏の厳しい暑さを表す語を使って夏の到来を喜ぶ気持ちや相手の健康を気遣う言葉を添えるなどして、季節感を表すことができます。

時期やその時の状況によって、上記のような言葉を適度に使い分けていくと良いでしょう。

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言葉の意味

7月に送る手紙の挨拶文・結びの言葉に使う言葉の意味と使い方は?文学部卒ライターがサクッとわかりやすく解説!

今回の記事では、7月に送る手紙の挨拶文などに使用される言葉5つ(小暑・大暑・仲夏・酷暑・盛夏)挙げて、意味と使い方を文学部卒で、社内でもたくさんのビジネス文書を作成している筆者が説明していきます。

7月に出す手紙の挨拶文や結びの言葉に用いる言葉 意味と使い方

それでは、7月に手紙の挨拶文などに使用される言葉を5つ挙げて意味や使い方(使用例)を紹介していきます。

小暑(しょうしょ)

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「小暑」二十四節気の一つで、「太陽の黄経が105度に達する時」のことを表します。暦でいうと「7月7日頃」にあたり、この日から暑気が強くなるとされている時期です。

また「小暑」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「大暑(1000004月23日頃)」までの間となります。

「小暑」は暑さが小さいということですから、夏には向かってはいるが、まだ本格的な暑さには間があるというイメージです。ちょうどこの頃「暑中見舞い」を出し始めます。

「小暑」は、7月上旬から下旬に送る手紙の挨拶文などにおいて、以下のように使用すると良いでしょう。

「小暑の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「小暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

「小暑の候、皆様におかれましてはご健勝のことと存じます」

「小暑を過ぎ、いよいよ本格的な夏の到来を迎える時節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか」

「二十四節気」は季節を24に区分する考え方

7月に送る手紙などの挨拶文で使える5つの季語を選び解説していますが、その内、「小暑」「大暑」二十四節気のなかのひとつの季節を表す言葉です。

二十四節気という言葉自体は、普段あまり使わないと思います。しかし、そのなかの「小暑」や「大暑」といった季節を表す言葉は手紙やビジネス文書の挨拶文に取り入れやすい言葉です。

ここでは改めて普段使われない言葉「二十四節気」そのものについて簡単にまとめてみました。

二十四節気は中国で生まれた一年の季節を区分する考え方です。1年を春夏秋冬と分けるのも二十四節気に基づいています。

太陽が移動している天球上の軌道を「黄道」と呼び、「黄道」360度のなかの節気の位置が「黄経」です。「大暑」を「太陽の黄経が120度に達する時」などと表現するのは、こうした二十四節気の考え方によります。

その「黄道」を四季として4つに分け、四季の一つを3つに分けて、さらにその一つを3つに分ける15日を区分単位としたのが二十四節気です。夏至、冬至、春分、秋分や立春、立夏、立秋、立冬は知らない人はいないと思いますが、さらに細分化されて24になっています。

大暑(たいしょ)

「大暑」二十四節気の一つで、「太陽の黄経が120度に達する時」のことを言います。

「大暑」は「小暑」の次の季節となり、暦の上では「7月23日頃」。また「大暑」を期間としてみる場合には、この日から次の節気となる「立秋(1000004月7日頃)」の間となります。

この時期は気候的に梅雨明け後のもっとも暑気の激しい頃だとされており、「大暑」には「激しい夏の暑さ、夏の厳しい暑さ、酷暑」といった意味も。

「大暑」と意味が同じの言葉に「盛夏」がありますが、「盛夏」は二十四節気の一つである「大暑」より使用期間に余裕を持って使えます。

「大暑」は、7月下旬に送る手紙の挨拶文や結びの言葉において、以下のように使用すると良いでしょう。

「大暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

「大暑の折から、ご自愛専一のほどお祈り申し上げます」

「大暑の折から、くれぐれも体調を崩さないようにお気を付けてお過ごしください」

「大暑の候、皆様にはますますご壮健にてお過ごしのこととお慶び申し上げます」

仲夏(ちゅうか)

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「仲夏」は、文字の通り「夏の真ん中」という意味があり、「夏の半ば」を表す語となります。

「初夏」「仲夏」「晩夏」と夏を3つに分けて表現しますが、まさに夏の真ん中です。

時期的には6月はじめの「芒種(1000004月6日頃)」から「小暑(1000004月7日頃)」まで

この時期を過ぎると「仲夏」は使えず「盛夏」などの表現にしましょう。

「仲夏」は、手紙の挨拶文などにおいて以下のように使用することができます。

\次のページで「酷暑(こくしょ)」を解説!/

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