「冗長」(読み方:「じょうちょう」)という言葉は、「冗長になる」「冗長に過ぎる」などの形でよく用いられています。

とはいえ、この言葉が具体的にどのようなことを表しているのか、正確に理解できている方は少ないかもしれません。

そこで、ここでは「冗長」の基本的な意味と使い方、また同義語・反対語などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「冗長」の意味と使い方・同義語・反対語

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それでは、「冗長」の意味と使い方、また同義語や反対語などについて説明していきましょう。

「冗長」の意味は?

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「冗長」には、「文章・話などが不必要に長くて無駄が多いこと」という意味があります。

つまり、その文章や話の中に同じことが何度も繰り返されているなど無駄な部分が多く、いかにもだらだらと長い状態であることを表す言葉です。

 

「冗長」という漢字の構造を見てみましょう。

「冗」には「無駄、不必要、煩わしいこと、くだくだしいこと、余計なこと、無駄が多くてまとまりがないこと」といった意味があります。

これに、「長いこと」を表す「長」を組み合わせて成り立っているのが「冗長」というわけです。

IT用語としての「冗長」とは

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ネットワークなどのコンピュータシステムの世界においては、「冗長」は悪い意味で使われておらず、予備の装置や処理系統などを指す言葉です。

「冗長化」とは、システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて、あらかじめ同じ機能を持つ要素を複数用意しておき、バックアップさせておくことをいいます。

そうすることで、障害発生後でもシステム全体が停止することなく、通常通りの運用を継続させることができ、安全性が確保されるのです。このような行動を「冗長性を持たせる」といいます。

病院でも、予期せぬ災害などで停電が起こることを想定して、電力喪失を防ぐために非常用の発電機が用意されているというのは、聞いたことがあるのではないでしょうか。

「冗長」の使い方・例文

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「冗長」は、「冗長な~」「冗長表現」などの形で表現されます。

「冗長表現」とは、「無駄に長く、言いたいことが伝わりづらい表現」のことです。

「冗長」を使って、次のような例文が可能になります。

「結論が出ないまま打ち合わせの話が冗長に流れる」
「文章の表現が冗長に過ぎると指摘を受ける」
「ビジネスメールは簡潔であることを基本として、冗長にならないように注意してください」
「手紙の文章が冗長になり何度も書き直す」
「彼の書く文章は冗長になるきらいがある」
「最近の若いビジネスマンは説明が冗長だ」

「冗長」の同義語

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では、「冗長」と類似した言葉について、いくつか紹介していきます。

\次のページで「「冗漫」」を解説!/

「冗漫」

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まず同じ意味を持つ語には、「冗漫(じょうまん)」があります。

 

 

表現に締まりがなくてむだが多いこと。また、そのさま。

出典:小学館「冗漫」

つまり「冗漫」には、「冗長で散漫なこと、表現や構成に無駄が多くだらだらとしてしまりがないこと」といった意味があります。

「冗長」と「散漫」を合わせたのが「冗漫」ということですね。

「冗長」と比較してみると、「冗漫」は文章に対して使われることが多いという点と、「まとまりがない」「結局何を伝えたかったのかわからなかった」という点で異なります。

「冗漫」を使った例文は、次の通りです。

「その作品は冗漫な文章なので、読んで理解するまでに時間がかかった」

「彼の話はいつも、導入部分が冗漫になってなかなか本題に入らない」

「くどい」

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「くどい(諄い)」には、次のような意味があります。

同じことを何度も繰り返し言って、わずらわしく感じられる。話がしつこい。 

出典:三省堂「諄い」①

\次のページで「「冗長」の反対語」を解説!/

「くどい」とは、「しつこくてうるさい、わずらわしい」ことを表す言葉です。

「くどい」は、しつこく繰り返し言う「くどくど」と語源が同じであると考えられていますが、漢字で書くと「諄い」となります。この「諄」という字には、「丁寧に教えさとす」という意味がありますから、もともとは良い意味だったのですね。

「くどい」を使った例文は、次の通りです。

「いくら好評だったからといって、あんなに何度も何度も放送されては、くどくて嫌になる」

「くどいようですが、明日は身分証明書を忘れずに持ってきてくださいね」

「冗長」の反対語

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「冗長」や「冗漫」の対義語は、「簡潔」です。詳しく見ていきましょう。

 

 

「簡潔」

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「簡潔(かんけつ)」は、「話や文章が簡略で要領よくまとまっていること、短くてすっきりとしているさま、くだくだしくないこと」を表します。

「簡潔」の「簡」は「手軽なこと」、「潔」は「余計なものがなく、すっきりしている」ことを意味する感じです。

このことからもわかるように、「簡潔」はそれが望ましいことであるという良い評価を伴った語となります。

「冗長」の英語表現

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「冗長」の英語表現にもいくつかありますが、その中から3つ紹介します。

「lengthy」:時間的に長い、長々しい

「verbose」:冗長な、くどい、言葉数の多い

「tedious」:長ったらしい、退屈な

「冗長」「冗漫」と「簡潔」はあわせて覚えておこう

以上、「冗長」の意味と使い方、同義語と反対語についてまとめました。

「冗長」という言葉は「話や文章が不必要に長い、無駄が多いこと」を意味します。「冗漫」という言葉にもほとんど同じ意味があるため、両者をセットで覚えておくと良いかもしれません。

また、反対語は「簡潔」という言葉であることをあわせて覚えておくと、対比した表現をするときなどに活用することができます。

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言葉の意味

「冗長」の意味と使い方・例文・同義語・反対語は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

「冗長」(読み方:「じょうちょう」)という言葉は、「冗長になる」「冗長に過ぎる」などの形でよく用いられています。

とはいえ、この言葉が具体的にどのようなことを表しているのか、正確に理解できている方は少ないかもしれません。

そこで、ここでは「冗長」の基本的な意味と使い方、また同義語・反対語などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「冗長」の意味と使い方・同義語・反対語

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それでは、「冗長」の意味と使い方、また同義語や反対語などについて説明していきましょう。

「冗長」の意味は?

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「冗長」には、「文章・話などが不必要に長くて無駄が多いこと」という意味があります。

つまり、その文章や話の中に同じことが何度も繰り返されているなど無駄な部分が多く、いかにもだらだらと長い状態であることを表す言葉です。

 

「冗長」という漢字の構造を見てみましょう。

「冗」には「無駄、不必要、煩わしいこと、くだくだしいこと、余計なこと、無駄が多くてまとまりがないこと」といった意味があります。

これに、「長いこと」を表す「長」を組み合わせて成り立っているのが「冗長」というわけです。

IT用語としての「冗長」とは

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ネットワークなどのコンピュータシステムの世界においては、「冗長」は悪い意味で使われておらず、予備の装置や処理系統などを指す言葉です。

「冗長化」とは、システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて、あらかじめ同じ機能を持つ要素を複数用意しておき、バックアップさせておくことをいいます。

そうすることで、障害発生後でもシステム全体が停止することなく、通常通りの運用を継続させることができ、安全性が確保されるのです。このような行動を「冗長性を持たせる」といいます。

病院でも、予期せぬ災害などで停電が起こることを想定して、電力喪失を防ぐために非常用の発電機が用意されているというのは、聞いたことがあるのではないでしょうか。

「冗長」の使い方・例文

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「冗長」は、「冗長な~」「冗長表現」などの形で表現されます。

「冗長表現」とは、「無駄に長く、言いたいことが伝わりづらい表現」のことです。

「冗長」を使って、次のような例文が可能になります。

「結論が出ないまま打ち合わせの話が冗長に流れる」
「文章の表現が冗長に過ぎると指摘を受ける」
「ビジネスメールは簡潔であることを基本として、冗長にならないように注意してください」
「手紙の文章が冗長になり何度も書き直す」
「彼の書く文章は冗長になるきらいがある」
「最近の若いビジネスマンは説明が冗長だ」

「冗長」の同義語

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では、「冗長」と類似した言葉について、いくつか紹介していきます。

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