「意義」(読み方:「いぎ」)という言葉は、「~の意義を問う」「意義のある~」などの形でよく用いられています。

使い方にそれほど難しいところがある語ではありませんが、同じようなことを表す「意味」という語とどのような違いがあるのか疑問に感じることがあるかもしれません。

そこで、ここでは「意義」の基本的な意味と使い方、また「意味」と比較してそれぞれの違いについて、学生時代から小説をたくさん書き、現在もライターとして活動している筆者が説明していきます。

「意義」の意味と使い方・例文

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それでは、以下に「意義」の意味と使い方、また「意味」との違いを説明します。

「意義」の意味とは?

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まず、「意義」には以下のような2つの意味があります。


いぎ【意義】








1.ある言葉によって表される内容。特に、その言葉に固有の内容・概念。 「言葉の形態と-」



2.物事が他との関連において固有にもつ価値や重要性。 「 -のある仕事」 〔類義の語に「意味」があるが、「意味」は言語や行為によって示される内容、また物事が持つ価値をいう。それに対し、「意義」はある言葉が表す内容、また、物事が他の物との関係において持つ固有の重要な価値をいう〕

 








コトバンク、三省堂大辞林より引用

上述に記したものは、どちらも「意味」という言葉でも同じような使い方が可能です。

ただし、一般的には「その制度の意義を是非する」「人生の意義を問う」などのように、どちらかというと2の意味でよく用いられ、1の内容を示す場合には主に「意味」という語が用いられています。

「意義」の由来とは

意義は「意」「義」の2つの漢字で成り立つ言葉です。

「意」は、心に思う気持ちや考え、意見を表す漢字。一方、「義」は道理や条理、教えや教養などの個人が持つ価値観に関する意味を持つ漢字です。

意義とは「何かに対して自らの教養や道理から導き出した気持ちや考え」のことを指すと考えることができます。

だからこそ、「物事がほかのものと関連して固有に持つ価値や重要性」になるわけですね。

意義は固有のものと説明されていますが、抽象的な言葉であればあるほど固有の価値や重要性は薄くなっていきます。

たとえば、住居や車などのものの意義は皆が共通して持っている意義がありますが、「友情」「愛情」「人生」の意義は、人によって異なりますよね。

「意義」の例文と使い方

次に、「意義」の使い方について見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「苦しい時には人生の意義とは何かを考えることが多くなる。」

「毎日が取り留めのないことの繰り返しのような気がする。もっと意義のある生活をしたいと思う。」

「文化という語には極めて広い意義がある。」

「講演会で論じていた話の意義を理解する。」

「3年目になってやっと意義ある仕事ができるようになったと感じている。」

「その事件には歴史的な意義がある。」

「毎日、勉強することに意義がある。」

「今回のイベントには参加する意義がある。」

「このボランティアには参加することに意義がある。」

「人間は体の筋肉を鍛えることは、日頃の体力を維持するのに意義がある。」

「今回の大会は勝てる確率は少ないが、そこから得られるものは大変意義のあることだと思う。」

「あなたの存在自体に意義があります。」

「新しいことにチャレンジする時は、その一歩に意義がある。」

「考えてばかりいても何も進まない。行動することにこそ意義がある。」

「読書をすることは、知識や教養を高めることに意義がある。」

「私はしばしば人生の意義について深く考えることがある。」

「前回の〇〇国の訪問には大きな意義がある。」

\次のページで「「意議」の具体的内容とは」を解説!/

「意議」の具体的内容とは

「具体的内容」と「抽象的内容」とはどのようなことを表しているのか、この説明だけでは掴みにくいところがあるかと思いますので、以下に具体例を挙げて説明していきます。

たとえば、その1「毎日朝食と一緒にコーヒーを飲む」、その2「専門店でコーヒーを買ってくる」という文章があるとして、その中に出てくる「コーヒー」という語の「意味」と「意義」を表す。

その1の意味:コーヒー豆を煎ったものを熱湯で煎じた飲みもの
その2の意味:コーヒーの木の種子を煎った焙煎豆またはそれを粉に挽いたもの

コーヒーの意義:特有の芳香と快い苦味がある飲みもの。嗜好品の一つとして世界の最も多くの国で飲用されている。飲み方にはエスプレッソ、カフェオレ、カフェラテなどのさまざまなバリエーションがあり、テイクアウトやイートインが可能な専門店やチェーン店も多数展開されている。

上記のように、「意味」はその文脈で理解される具体的な内容を示しますが、「意義」は文脈に依らず(文脈と関係なくても成り立つ)抽象化された内容を表すものとなります。

意義とは「何かに対して自らの教養や道理から導き出した気持ちや考え」のことを指し、

意義として用いる場合、文脈を離れても成立する抽象的内容を表す。

「物事の持つ価値や重要性」の意味では主に重要なものについて言及する場合に用いられます。

「意義」の類義語

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ここでは「意義」の類義語について解説していきます。

「意義」の意味として上述の記した物事の重要性や価値を意味する言葉として

・値打ち、大事、大切さ。

・意図する考えとしての主旨や要旨や意味合い。

などがあげられ、これらの言葉は「意義」と同様の類語として扱われることがあります。

また、英語ではミーニング(meaning)と訳され実際には意義よりも意味に近い言葉となり、人生の意義で「the meaning of life」と訳されることこともある言葉です。

「意味」との違い

そもそも意味とはどんなものなのか見ていきましょう。

言い手がどんな捉え方でその表現を選んだかに関わる。言葉の表す内容。

・意味を調べるのに辞書を引く。

・短い句だが意味が深い。

・言外の意味を汲(く)む。

更に広く、言語以外の表現にも使われることがあります。

・名曲の意味を探る。

・この時間は何を意味するのか。

行為・表現・物事の、それが行われ、また、存在するにふさわしい、価値。

・意味のある人生を送る。

・あなたの言ったことを別の意味と勘違いをした。

「意義」と「意味」はそれぞれ同じような意味を持つ語となりますが、上述した点以外で厳密にどのように使い分けることができるのか、両者の主な違いを挙げると以下のようになります。

「意味」:意味として用いる場合、文脈によって理解される具体的内容を表す傾向がある。また「意味する」といった動詞的な使い方が可能であるなど「意義」と比べて用法が広い。

「意義」:意義として用いる場合、文脈を離れても成立する抽象的内容を表す。また、「物事の持つ価値や重要性」の意味では主に重要なものについて言及する場合に用いられる。

意義を使いこなそう

以上、「意義」の意味や使い方についてまとめました。

この言葉は、主に「価値や重要性」といった意味で用いられることが多く、一般的に「言葉の内容」という意味では「意味」という語が用いられ、「意義」にはどちらの意味でも定義されているため、厳密なところで使い分けるには上述したような点を意識しておくと良いかと思います。

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言葉の意味

「意義」の意味と使い方・例文・「意味」との違いは?小説作家である筆者がサクッとわかりやすく解説!

「意義」(読み方:「いぎ」)という言葉は、「~の意義を問う」「意義のある~」などの形でよく用いられています。

使い方にそれほど難しいところがある語ではありませんが、同じようなことを表す「意味」という語とどのような違いがあるのか疑問に感じることがあるかもしれません。

そこで、ここでは「意義」の基本的な意味と使い方、また「意味」と比較してそれぞれの違いについて、学生時代から小説をたくさん書き、現在もライターとして活動している筆者が説明していきます。

「意義」の意味と使い方・例文

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それでは、以下に「意義」の意味と使い方、また「意味」との違いを説明します。

「意義」の意味とは?

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まず、「意義」には以下のような2つの意味があります。


いぎ【意義】








1.ある言葉によって表される内容。特に、その言葉に固有の内容・概念。 「言葉の形態と-」



2.物事が他との関連において固有にもつ価値や重要性。 「 -のある仕事」 〔類義の語に「意味」があるが、「意味」は言語や行為によって示される内容、また物事が持つ価値をいう。それに対し、「意義」はある言葉が表す内容、また、物事が他の物との関係において持つ固有の重要な価値をいう〕

 








コトバンク、三省堂大辞林より引用

上述に記したものは、どちらも「意味」という言葉でも同じような使い方が可能です。

ただし、一般的には「その制度の意義を是非する」「人生の意義を問う」などのように、どちらかというと2の意味でよく用いられ、1の内容を示す場合には主に「意味」という語が用いられています。

「意義」の由来とは

意義は「意」「義」の2つの漢字で成り立つ言葉です。

「意」は、心に思う気持ちや考え、意見を表す漢字。一方、「義」は道理や条理、教えや教養などの個人が持つ価値観に関する意味を持つ漢字です。

意義とは「何かに対して自らの教養や道理から導き出した気持ちや考え」のことを指すと考えることができます。

だからこそ、「物事がほかのものと関連して固有に持つ価値や重要性」になるわけですね。

意義は固有のものと説明されていますが、抽象的な言葉であればあるほど固有の価値や重要性は薄くなっていきます。

たとえば、住居や車などのものの意義は皆が共通して持っている意義がありますが、「友情」「愛情」「人生」の意義は、人によって異なりますよね。

「意義」の例文と使い方

次に、「意義」の使い方について見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「苦しい時には人生の意義とは何かを考えることが多くなる。」

「毎日が取り留めのないことの繰り返しのような気がする。もっと意義のある生活をしたいと思う。」

「文化という語には極めて広い意義がある。」

「講演会で論じていた話の意義を理解する。」

「3年目になってやっと意義ある仕事ができるようになったと感じている。」

「その事件には歴史的な意義がある。」

「毎日、勉強することに意義がある。」

「今回のイベントには参加する意義がある。」

「このボランティアには参加することに意義がある。」

「人間は体の筋肉を鍛えることは、日頃の体力を維持するのに意義がある。」

「今回の大会は勝てる確率は少ないが、そこから得られるものは大変意義のあることだと思う。」

「あなたの存在自体に意義があります。」

「新しいことにチャレンジする時は、その一歩に意義がある。」

「考えてばかりいても何も進まない。行動することにこそ意義がある。」

「読書をすることは、知識や教養を高めることに意義がある。」

「私はしばしば人生の意義について深く考えることがある。」

「前回の〇〇国の訪問には大きな意義がある。」

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