「相対的」の意味と使い方・例文・類義語・対義語は?校正者がサクッとわかりやすく解説!
よく見かける言葉ですが、その意味を具体的に説明することはできますか?
意外にきちんと意味や使い方を理解していないという人は多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは「相対的」の意味と使い方・例文・類義語・対義語について、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正やマニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。
「相対的」の意味は?
まず、「相対的」を辞書で引くと以下のように解説されています。
他との関係・比較の上で成り立っているさま。
出典:大辞林(発行所 株式会社三省堂)
つまり、「物事が他との比較関係においてそのように存在しているさま」という意味があります。
「相対的な価値」といえば、「何かと比べて判断する価値」という意味ですから、何と比べるかによって価値が変わるということになりますね。
たとえば、身長160cmの人が、平均身長170cmの集団の中にはいれば「相対的に背が低い」ことになりますが、逆に平均身長150cmの集団の中にいれば、「相対的に背が高い」ことになります。
同様に、学校の中では「相対的に一番足が速かった」生徒でも、オリンピックの陸上選手の中に混ざれば、「相対的に一番足が遅い」ことになるでしょう。
「相対的」の意味が、具体的にお分かりいただけたでしょうか?
「この会社の製品は相対的にいってレベルが低い。」
「商品の信頼性が薄れたことで、当社の製品に対する相対的な価値が上がった。」
「確かにこの商品は優れた機能を搭載しているが、物事は相対的に見て判断しなくてはならない。」
「A社の台頭によりB社の評価が相対的に下がっている。」
「相対的に見てこちらのほうがデザイン・機能ともに優れていると思う。」
「作品は相対的な価値で評価されるものだ。」
「比較的」との違い
ここからは、「相対的」に近い意味のある「比較的」との違いについて見ていきましょう。
まず、「比較的」には「同種のものや一般的基準と比べて考えてみると、他と比べて」といった意味があり、比べる基準が特にはっきりと決まっているわけではなく、一般的な基準に照らして自分がどう感じるか、といったあいまいなニュアンスで使われる言葉です。
それに対して、「相対的」は比べる対象がよりはっきりしている、という違いがあります。
例文で比較してみると以下の通りです。
【例文】この辺りは比較的静かで治安も良い。
【例文】今回の試験は普段と比べて比較的良い結果だった。
【例文】この辺りは、東京都の中では相対的に治安の良い地域だ。
【例文】今回の試験は、クラスの中では相対的に良いスコアだった。
つまり、「相対的」は「他と比べてそれがどのように存在しているかを表す」ことに対して、「比較的」は「一般的な基準と比較した時にどのような傾向が見られるかを表す」というニュアンスの違いがあります。
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