言葉の意味

「他力本願」とは?意味や語源・英訳・使い方・対義語まとめ

「他力本願」(読み方:「たりきほんがん」)は、日常で耳にすることや用いることの比較的多い四字熟語です。

この言葉は「他人任せ」という意味で一般的に用いられることの多い言葉ですが、これは本来の意味とはニュアンスが異なるものとなっています。

それではこの言葉は本来どのようなことを表すのか、また一般的にはどのような使い方がされているのか、ここでは「他力本願」の語源や本来の意味、英訳、対義語について「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「他力本願」の意味や語源・英訳・使い方・まとめ

image by iStockphoto

それでは、以下に「他力本願」の語源や意味、英訳、使い方を説明します。

#1 「他力本願」の意味は?

まず、「他力本願」の意味を見ていきましょう。この言葉の意味は、以下のようになります。

【1】仏語。自己の修行の功徳によって悟りを得るのではなく、もっぱら阿弥陀仏の本願によって救済されることをいう。
【2】事をなすのに、ひたすら他人の力をあてにすることを俗にいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「他力本願」

上記だけだと、少し意味が分かりづらいと思います。この言葉をより理解するために、語源を見てみましょう。

 

#2 「他力本願」の語源は?

「他力本願」はもともと、親鸞聖人によって広められた仏教用語に由来しています。親鸞聖人とは、浄土真宗の宗祖であり、「どんな人でも念仏を唱えれば救われる」という考え方を世に広めた人物です。

親鸞聖人は「他力と言うは如来の本願力なり」と示しました。ここで、阿弥陀仏の本願力を他力と表しているため、「他力本願」は「(自力での修行で悟りを開くことは到底困難なため)阿弥陀仏の本願力にまかせて成仏する願いが込められたもの」を意味した言葉になるのです。ちなみに「阿弥陀仏の本願力」とは、阿弥陀仏がおこした「すべての人を極楽浄土に往生させるという誓願」のことをいいます。

現在では、上記の意味から転じて「事を成すのにひたすら他人の力を当てにすること」という意味で一般的に用いられていますが、そこには「他人任せ」や「他人に甘える」といったニュアンスが含まれ、あまり良い意味ではないものとなっていますね。
しかし、本来の意味は「他人を当てにする」「人任せにする」ではないことを知っておきましょう。

#3 「他力本願」の英訳は?

次に、「他力本願」を英語でどのように表現するのか、見てみましょう。

●rely on others
●depend on others

「rely on」は「~に頼る」、「deped on」は「~に依存する、当てにする」という意味がそれぞれあるため、「他人に頼る」という意味で用いられる「他力本願」は上記のような表現となります。

#4 「他力本願」の使い方・例文

次に、「他力本願」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、上記のように本来の意味と一般的に用いられている意味に違いがありますが、一般的に用いられている使い方としては、主に以下のような例が挙げられます。

\次のページで「「他力本願」の対義語」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share:

Leave a reply