「妥協」とは?意味と使い方・例文・類似した表現は?現役記者がサクッとわかりやすく解説!
しかしながら、一般的に用いられている意味や使い方は、本来定義されているものと異なるものとなっています。
それでは本来この言葉にはどのような意味がありどのような使い方をするのか、ここでは「妥協」の意味と使い方、また併せて類似した意味のある言葉や表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。
「妥協」の意味は?
まず、「妥協」には「利害や主張が対立している場合に、双方が折れ合って一致点を見出し、事をまとめること」「折り合い」といった意味があります。
もしくは、お互いが働きかけるのではなく片方だけが歩み寄りを示す場合も含まれますが、いずれにしても「不本意ではありながらも自分の主張する条件などを相手のそれに近づけて妥当な線へ持っていくこと」が本来の意味です。
このように、この言葉は「相手との利害の対立に対して条件などを譲って穏やかに解決を図る」といった意味で定義されているものとなりますが、「希望する職種ではなかったが妥協して応募することにした」など「提示されている条件などに対して自分の中で折り合いをつける」という意味で用いられることがあります。
しかしながら、前者のほうの意味が本来のものとなるため、この言葉を用いる場合にはその点に留意することが必要です。
「妥協」の使い方は?
次に、「妥協」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。
「家事分担の妥協案を練る」
「労働条件から退職を申し出たが引き止められ、やむを得ず妥協に踏み切った」
「あくまでも海外で挙式をしたいと彼女は意見を譲らず、妥協の余地がなかった」
「妻と教育方針の違いから対立し妥協を余儀なくされる」
「話は平行線だが、安易に妥協はしたくない」
「共同経営者である友人と経営方針の食い違いで喧嘩になり妥協を図った」
「このインターチェンジは隣接する2市が建設に反対したことで、妥協策としてその中間である現在地に建設されることになりました」
「意見の異なる相手と交渉して妥協点を探す技術は、ビジネスに携わる上で重要です」
「長年2国の間で問題となっていた領土問題は、今回の我が国の妥協的な提案によって前進することが期待されています」
「この監督は映画界有数の完璧主義者で、妥協を許さない厳しい演出で知られています」
「今回の外交交渉で妥協を引き出すことができず、問題は来年に持ち越された」
「両政党はそれぞれの政党内で妥協を模索しながら協力し、両党による大多数で法案を通してきた」
このように「妥協」は、「妥協に踏み切る」「妥協を余儀なくされる」「妥協を図る」「妥協を許さない」「妥協を引き出す」「妥協を模索する」といった形や、「妥協案」「妥協点」「妥協策」「妥協的」といった語を複合した形で用いられます。
なお「妥協点」は、「妥協」の慣用句で「互いに歩み寄って一致できるところ」がその意味です。
「妥協」と類似した意味のある言葉は?
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では次に、「妥協」と類似した言葉や表現について見ていきましょう。
まず、「妥協」に近い意味がある言葉としては以下のような語があります。
「歩み寄る」:一方もしくは互いに譲歩し合う。
「譲歩する」:考えを曲げて他人の意見に従うこと。
「折り合う」:互いに譲り合って意見を一致させる。
「歩み寄る」の使い方は?「妥協」との違いは?
それでは、次は「歩み寄る」の使い方、また「妥協」との違いについて見ていきましょう。
「歩み寄る」は、例えば以下のように用いることができます。
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