「失念」(読み方:「しつねん」)という言葉は、「~を失念する」「~を失念してしまった」などの形で用いられています。

たとえば日常生活やビジネスの場面において「普段覚えているはずのことをちょっと忘れてしまった」という状態になることがまれにありますが、「失念」はそうした場面で何かを忘れていたことを相手に対して謝罪する時などに用いることができます。

それでは具体的にどのような使い方をするのか、ここでは「失念」の意味、由来や使い方、対義語、類似語を例文を交えながら、半年で独立したプロブロガーの筆者が解説していきます。

「失念」の意味と使い方・例文

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まず、「失念」の意味と使い方を解説します。

「失念」の意味とは?

まず、「失念」には「うっかりして忘れること、物忘れ、度忘れ」といった意味があります。

つまり、「たまたま不注意で何かを忘れてしまった」「分かっているはずだけどなぜだかすぐに思い出せない」といったニュアンスがあり、何かを完全に忘れているという状態ではなく「覚えていたはずのことを一時つい忘れたような状態」であることを表す言葉。

「物忘れ」や「度忘れ」にも同じような意味がありますが、それらの語と比べると「失念」のほうが堅い表現となるので、ビジネスの場面などで用いるにはより適しているといえるでしょう。

ちなみに、もし英語であれば「slip one's mind」(「頭から抜ける」「記憶から去る」)「escape one's memory」(「思い出せない」)といった表現を使って表すことができます。

「失念」の語源

「失念」は「覚えていたはずのことを一時つい忘れたような状態」ということを表す語であることを説明しましたよね。


実は仏教では煩悩の一つといわれており、「物忘れ、気づきを失った心、仏法の理論や言葉を忘れる」「心に乱れが生じる」という意味で使用されています。


つまり、現在と同じように「必要なことを忘れてしまうこと」を表しているということですね。

「失念」の意味と使い方・例文

この言葉は、「うっかりとして忘れてしまったこと」や「ちょっと思い出せない」といったことがある時に、たとえば以下のように用いることができます。

「記事作成用のパスワードを失念してしまったのですが、どうすればよいですか」

「お名前を失念してしまいました。大変恐縮ではありますがもう一度教えていただけますか」

「お食事のお約束をしていたのを失念してしまい大変失礼いたしました」

「メールの返信を失念しておりました。ご連絡が遅くなり誠に申し訳ありませんでした」

「年のせいかこのところ物忘れがひどく、お名前を失念してしまい申し訳ありません」

「連絡をしていただいた方のお名前を失念してしまいました」

「失念」の類義語

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「失念」の意味を学んでいただいたところで、もう少し理解を深めていただくために、どのような類語があるのか解説していきます。

「失念」の類義語1:放念

「放念」:心配事を忘れる、気にしないようにすること。

\次のページで「「失念」の類義語2:忘失」を解説!/

「先日お送りしたメールですが、内容を誤った状態でしたのでご放念ください」

「お陰さまで心身ともに健康な状態で過ごしておりますので、ご放念ください」

「先日お電話した件ですが、直接お会いして進めていきたいと考えております。ご都合が悪ければ、ご放念ください」

「失念」の類義語2:忘失

「忘失」:すっかりと忘れてしまう、物を忘れてなくすこと。

「お客様情報を忘失してしまい、謝罪のメールを送信した」


「いつも置いている場所にファイルがなく、どこに置いたのか忘失してしまった」


「災害発生時のデータの忘失を防止するために、バックアップが取れているかチェックしている」

「失念」の類義語3:忘却

「忘却」:覚えていたことをすっかり忘れる、忘れ去ってしまうこと。

「輝いていたころの記憶が、10年たった今では忘却の彼方に消え去ってしまった」

「彼女が持っていた進化理論の情報は半生記以上の間、忘却されたままになっていた」

「学生の頃に人気があった人の名前が忘却の彼方になっていた」

「失念」は自分が忘れてしまったことに対して使用しますが、「放念」は相手に忘れても良いということを示すときに使用します。

「失念」は相手に向けて使えないことはありませんが、敬語ではないため「お忘れになった」というように言い換えて使いましょう。

この2つは、特にビジネスシーンでも使用する語なので注意してくださいね。

\次のページで「「失念」の対義語」を解説!/

「失念」の対義語

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ここで「失念」にはどのような対義語があるのか解説していきます。

「失念」の対義語1:記憶

「記憶」:過去に経験した内容を忘れずに覚えていること。

「この仕事は、彼が得意としていることだと記憶している」

「一度見た内容は絶対に忘れないと言い切れるほど、記憶力に自信がある」

「趣味に関することは細かいところまで記憶している」

「失念」の対義語2:留意

「留意」:心にとどめたり、頭の隅に置いて注意すること。

「利用するサービス内容の留意事項はこちらに記載されておりますので、ご一読ください」

「編集したサイト内容にミスがある状態で提出すると、自分だけではなくグループ全体の信用問題になるため、留意して作業を進めている」

「健康のために飲んでいるサプリメントだが、適切な量でないと過剰摂取となるので留意して飲んでいる」

「失念」を上手く使いこなそう

以上、「失念」の意味と使い方についてまとめました。

この言葉は、「ついうっかりして忘れてしまった」「覚えていたはずなのになぜだか思い出せない」といった状態を表す時に用いることができます。

そうした物忘れのような状態で何か相手に失礼な行為をしてしまったという時には、「忘れておりました」などの言い方をするよりも良い印象を残すことができるのではないでしょうか。

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言葉の意味

「失念」の意味と使い方・例文・類義語・対義語は?現役のブロガーがサクッとわかりやすく解説!

「失念」(読み方:「しつねん」)という言葉は、「~を失念する」「~を失念してしまった」などの形で用いられています。

たとえば日常生活やビジネスの場面において「普段覚えているはずのことをちょっと忘れてしまった」という状態になることがまれにありますが、「失念」はそうした場面で何かを忘れていたことを相手に対して謝罪する時などに用いることができます。

それでは具体的にどのような使い方をするのか、ここでは「失念」の意味、由来や使い方、対義語、類似語を例文を交えながら、半年で独立したプロブロガーの筆者が解説していきます。

「失念」の意味と使い方・例文

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まず、「失念」の意味と使い方を解説します。

「失念」の意味とは?

まず、「失念」には「うっかりして忘れること、物忘れ、度忘れ」といった意味があります。

つまり、「たまたま不注意で何かを忘れてしまった」「分かっているはずだけどなぜだかすぐに思い出せない」といったニュアンスがあり、何かを完全に忘れているという状態ではなく「覚えていたはずのことを一時つい忘れたような状態」であることを表す言葉。

「物忘れ」や「度忘れ」にも同じような意味がありますが、それらの語と比べると「失念」のほうが堅い表現となるので、ビジネスの場面などで用いるにはより適しているといえるでしょう。

ちなみに、もし英語であれば「slip one’s mind」(「頭から抜ける」「記憶から去る」)「escape one’s memory」(「思い出せない」)といった表現を使って表すことができます。

「失念」の語源

「失念」は「覚えていたはずのことを一時つい忘れたような状態」ということを表す語であることを説明しましたよね。


実は仏教では煩悩の一つといわれており、「物忘れ、気づきを失った心、仏法の理論や言葉を忘れる」「心に乱れが生じる」という意味で使用されています。


つまり、現在と同じように「必要なことを忘れてしまうこと」を表しているということですね。

「失念」の意味と使い方・例文

この言葉は、「うっかりとして忘れてしまったこと」や「ちょっと思い出せない」といったことがある時に、たとえば以下のように用いることができます。

「記事作成用のパスワードを失念してしまったのですが、どうすればよいですか」

「お名前を失念してしまいました。大変恐縮ではありますがもう一度教えていただけますか」

「お食事のお約束をしていたのを失念してしまい大変失礼いたしました」

「メールの返信を失念しておりました。ご連絡が遅くなり誠に申し訳ありませんでした」

「年のせいかこのところ物忘れがひどく、お名前を失念してしまい申し訳ありません」

「連絡をしていただいた方のお名前を失念してしまいました」

「失念」の類義語

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「失念」の意味を学んでいただいたところで、もう少し理解を深めていただくために、どのような類語があるのか解説していきます。

「失念」の類義語1:放念

「放念」:心配事を忘れる、気にしないようにすること。

\次のページで「「失念」の類義語2:忘失」を解説!/

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