「疑心暗鬼」(読み方:「ぎしんあんき」)という言葉を知っていますでしょうか?

この言葉は「疑いの心があるために取るに足りないことまで恐ろしく感じたり疑ったりすること」という意味を持っており、日常的に使用している人もいるのではないでしょうか。

ですが、使用しているという人であっても、意味を完璧に分かっているということがないのかもしれません。

そこで、ここでは「疑心暗鬼」の意味、由来や使い方、対義語、類似語を例文を交えながら、半年で独立したプロブロガーの筆者が解説していきます。

「疑心暗鬼」の意味と使い方・例文

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まず、「疑心暗鬼」の意味と使い方を解説します。

「疑心暗鬼」の意味とは?

「疑心暗鬼」の意味をまず部分的に見てみると、「疑心」は文字通り「疑う心」、また「暗鬼」は「妄想から引き起こされる恐れや疑い」を表すものとなっています。

そして「疑心暗鬼」は、「疑いの心があるために取るに足りないことまで恐ろしく感じたり疑ったりすること」「疑いの心が妄想を掻き立てさまざまな不安を呼び起こすこと」を表す言葉です。

疑う心があると何でも鬼に見えるように、見るものすべて恐ろしく思えたり疑わしく思える時に使用すると良い言葉です。

「疑心暗鬼」の語源(由来)

この言葉は、中国の思想書「列子・説符」の注解にある「疑心暗鬼を生ず(疑う心が暗鬼を生む)」という部分が基になっており、「疑心暗鬼」はこれを略したもので、「心に疑いを持っていると、暗闇の中にありもしない鬼の形を見たりする」という意から来た語となります。

「疑心暗鬼」の意味と使い方・例文

それでは、次に「疑心暗鬼」を例文を使って見てみましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「その噂は皆を疑心暗鬼にさせた」
「彼の思わせぶりな態度は、かえって彼女の疑心暗鬼を掻き立てた」
「彼は疑心暗鬼で夜も眠れなかった」
「そのことが発端になって、彼らに疑心暗鬼を引き起こした」
「その事件は、彼らに再び疑心暗鬼の念を呼び起こした」
「彼は疑心暗鬼になって妻の一挙手一投足を怪しむようになった」

上記のように、この言葉は単なる疑いの心があることを意味するものではなく、ある疑いが基になって不安や恐れ、別の疑いを呼び起こすような状態を指しています。

たとえば「彼の言動に疑心を抱く」という表現と「彼の言動が疑心暗鬼を引き起こした」という表現を比べると、前者は単純に彼の言動には何かおかしなことがあるかもしれないと怪しむことを表しますが、後者は彼の疑わしい言動が基になって妄想や不安が生じ、些細なことまで疑いの対象としてしまうような状態を表しているのです。

「疑心暗鬼」の類義語

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「疑心暗鬼」の意味を学んでいただいたところで、もう少し理解を深めていただくために、どのような類語があるのか解説していきます。

\次のページで「「疑心暗鬼」の類義語1:風声鶴唳」を解説!/

「疑心暗鬼」の類義語1:風声鶴唳

「風声鶴唳」:おじけづいて、少しのことにも恐れること。

「呪いのビデオを見た後に暗い夜道を歩くと、風声鶴唳に怯えてしまうものだ」
「柔道で優勝するほどの実力なのに、風声鶴唳で逃げるくらいの小心者だ」
「風声鶴唳に驚いて強盗は逃げ出した」

「疑心暗鬼」の類義語2:草木皆兵

「草木皆兵」:恐怖で気が動転して、何でもない草や木が自分の敵見えること。

「彼女はどうやら草木皆兵になっていて、知り合いすら信じられない状態のようだ」
「今の彼は草木皆兵、ナーバスになって怯えているのでしばらくの間、一人にしてあげよう」
「幽霊を疑って草木皆兵になっていると、風の音や壁のシミまでも疑わしくなるものだ」

「疑心暗鬼」の類義語3:呉牛喘月

「呉牛喘月」:勘違いして無駄に怯える、考えすぎて無駄な労力がかかること。

「疲れているのに、呉牛喘月になって休憩することができない」
「呉牛喘月となってしまっているので、何も進めることができない」
「自分自身の秘密を秘密にするために、呉牛喘月になっている」

「疑心暗鬼」の類義語4:猜疑心

「猜疑心」:相手の行為などをうたがったりねたんだりする気持ちこと。

\次のページで「「疑心暗鬼」の類義語5:不信感」を解説!/

「彼は猜疑心を以前のようにつのらせることは少なくなった」
「父は病気の影響か、他人への猜疑心が強くなってきている」
「このままでは、社内で人気のある同僚が昇進するではないかと猜疑心を抱いている」

「疑心暗鬼」の類義語5:不信感

「不信感」:信じていない思いのこと。信用できないという気持ち。

「最近、大切なものを壊された影響か、不信感を積もらせている」
「自分をかばってくれなかった上司に、不信感を抱いた」
「極度の恐怖症で、彼は常に不信感を抱いている」

「疑心暗鬼」の対義語

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ここで「疑心暗鬼」にはどのような対義語があるのか解説していきます。

「疑心暗鬼」の対義語1:虚心坦懐

「虚心坦懐」:何のわだかまりもない素直な心で、物事にのぞむこと。

「彼女は人間ができていて、どんな人とも虚心坦懐に付き合うことができる」
「これまで様々なことがありましたが、虚心坦懐の気持ちで今日までやってこれました」
「今は興奮しているので話を聞くことはできないが、時間を空けることで虚心坦懐の状態でのぞむことができるでしょう」

「疑心暗鬼」の対義語2:光風霽月

「光風霽月」:心が澄んでおり、何のわだかまりもなく、爽快であること。

\次のページで「「疑心暗鬼」の対義語3:明鏡止水」を解説!/

「彼の人柄は光風霽月なので、信頼のおける人間だ」
「人の上に立つ人間は、光風霽月な人格を持っている」
「光風霽月な性格をしているので、いつも朗らかである」

「疑心暗鬼」の対義語3:明鏡止水

「明鏡止水」:邪念のなく、落ち着いた静かな心境のこと。

「彼は明鏡止水の境地に達しており、どんな時でも冷静だ」
「明鏡止水の状態で試合に臨んでいる」
「彼女はあらゆる困難を乗り越えたことで、明鏡止水に至ったようだ」

「疑心暗鬼」を上手く使いこなそう

以上、「疑心暗鬼」の意味や由来、使い方についてまとめました。

この言葉は、あらかじめ疑う心があると、ありもしないことにまで疑いや不安が生じるという、疑いが疑いを呼ぶような状態を表す時に用いることができます。

そうした状況は意外と日常の中で起こることも多いので、ある意味他の表現との違いや使い方も分かりやすく使いやすい表現といえるでしょう。

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言葉の意味

「疑心暗鬼」の意味と使い方・例文・類義語・対義語は?現役のブロガーがサクッとわかりやすく解説!

「疑心暗鬼」(読み方:「ぎしんあんき」)という言葉を知っていますでしょうか?

この言葉は「疑いの心があるために取るに足りないことまで恐ろしく感じたり疑ったりすること」という意味を持っており、日常的に使用している人もいるのではないでしょうか。

ですが、使用しているという人であっても、意味を完璧に分かっているということがないのかもしれません。

そこで、ここでは「疑心暗鬼」の意味、由来や使い方、対義語、類似語を例文を交えながら、半年で独立したプロブロガーの筆者が解説していきます。

「疑心暗鬼」の意味と使い方・例文

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まず、「疑心暗鬼」の意味と使い方を解説します。

「疑心暗鬼」の意味とは?

「疑心暗鬼」の意味をまず部分的に見てみると、「疑心」は文字通り「疑う心」、また「暗鬼」は「妄想から引き起こされる恐れや疑い」を表すものとなっています。

そして「疑心暗鬼」は、「疑いの心があるために取るに足りないことまで恐ろしく感じたり疑ったりすること」「疑いの心が妄想を掻き立てさまざまな不安を呼び起こすこと」を表す言葉です。

疑う心があると何でも鬼に見えるように、見るものすべて恐ろしく思えたり疑わしく思える時に使用すると良い言葉です。

「疑心暗鬼」の語源(由来)

この言葉は、中国の思想書「列子・説符」の注解にある「疑心暗鬼を生ず(疑う心が暗鬼を生む)」という部分が基になっており、「疑心暗鬼」はこれを略したもので、「心に疑いを持っていると、暗闇の中にありもしない鬼の形を見たりする」という意から来た語となります。

「疑心暗鬼」の意味と使い方・例文

それでは、次に「疑心暗鬼」を例文を使って見てみましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「その噂は皆を疑心暗鬼にさせた」
「彼の思わせぶりな態度は、かえって彼女の疑心暗鬼を掻き立てた」
「彼は疑心暗鬼で夜も眠れなかった」
「そのことが発端になって、彼らに疑心暗鬼を引き起こした」
「その事件は、彼らに再び疑心暗鬼の念を呼び起こした」
「彼は疑心暗鬼になって妻の一挙手一投足を怪しむようになった」

上記のように、この言葉は単なる疑いの心があることを意味するものではなく、ある疑いが基になって不安や恐れ、別の疑いを呼び起こすような状態を指しています。

たとえば「彼の言動に疑心を抱く」という表現と「彼の言動が疑心暗鬼を引き起こした」という表現を比べると、前者は単純に彼の言動には何かおかしなことがあるかもしれないと怪しむことを表しますが、後者は彼の疑わしい言動が基になって妄想や不安が生じ、些細なことまで疑いの対象としてしまうような状態を表しているのです。

「疑心暗鬼」の類義語

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「疑心暗鬼」の意味を学んでいただいたところで、もう少し理解を深めていただくために、どのような類語があるのか解説していきます。

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