言葉の意味

「唯我独尊」とは?意味と使い方・由来となる故事は?日本文学専攻の現役ライターがサクッとわかりやすく解説!

「唯我独尊」(読み方:「ゆいがどくそん」)という言葉は、故事がもとになってできた四字熟語の一つです。
しかし、この用語は日常的に頻用する語ではなく、具体的にどのような意味がありどのような使い方をするのか、またどのような由来があるのかといったことに疑問を抱くこともあるかもしれません。
そこで、この記事では日本語を勉強することが好きな筆者が、「唯我独尊」本来の意味と使い方、また言葉の由来について説明していきます。

「唯我独尊」の意味と使い方・由来となる故事は?

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「唯我独尊」は小説や映画、アニメ、漫画などで見かけることも多い四字熟語ですので、誰もが一度は見たことがある言葉なのではないでしょうか。

しかしこの言葉を日常会話で使うことは殆どありません。

さらに言うと、この言葉は、実はとても誤解されていることが多い四字熟語なのです。

中には「正しい意味で使っているつもりだったのに、違う意味で使っていた!」と、恥ずかしい思いをする人も。

そんな恥ずかしい思いをしないためにも、ここでは「唯我独尊」の正しい意味と使い方、由来について説明します。

「唯我独尊」の意味は?

まず、「唯我独尊」という言葉は、どのような意味を持っているのでしょうか。

この四字熟語を知っていても、正確な意味を即答できるという人は非常に少ないと思います。

また、誤った意味で使われることが多い言葉でもありますので、答えてみると実は本来の意味とは

間違っていた、という可能性も。

「自分は正しい意味で覚えているのか?それとも間違った意味で覚えているのか?」ということを確認するためにも、まずは「唯我独尊」の意味を見ていきましょう。

「唯我独尊」を検索してみたところ、以下のような意味を持つことがわかりました。

 
 ・この世界には自分よりも尊いものはないということ

 ・世の中で自分一人だけがすぐれているとすること、独りよがり

現在では一般的に2の意味で解釈して用いられることが多くなっていますが、2は1の意味から転じたもので、1のほうがこの言葉の本来の意味となっています。

「2の意味が正しいと思っていた!」「2の意味で使ってしまっていた!」という人も多いのではないでしょうか。

本来の意味は1になりますので、この機会に正しい意味を覚えておきましょう。

「唯我独尊」の由来は?

さて、「唯我独尊」の本来の意味をより知るためにも、ここでは「唯我独尊」の由来を解説していきます。

もともと「唯我独尊」は「『天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)』という言葉の略」で、仏教の祖であり、解脱で知られるお釈迦様(仏陀)が、生まれた時七歩歩いて天地を指差し「天上天下唯我独尊」と唱えたという故事に基づいているものです。

なお、上記の言葉にある「天上天下」とは「天井の世界と地上の世界、天地の間、宇宙の間、全世界」を指しています。

そして、お釈迦様が仰ったとされる「天上天下唯我独尊」という言葉は、「お釈迦様自身が最も尊い存在」という意味だと思われていることも多いようですが、そうではなく「この世において、唯一無二の使命を持った人間として生きているみな(自分も含める)が最も尊い」ということを表す「人格の尊厳を表した言葉」です。

「わがままな振る舞いをする人、また、わがままな振る舞いをする様子」という意味で使うのは本来の意味とかけ離れてしまいますので、注意しましょう。

つまり、尊い存在というのはお釈迦様に限ったことではなく、この世にあるすべての人間というものを指しており、本来独善的なことを表す語ではありません。

本来は「人間はそれぞれ等しく尊い存在である」という意味を持つ言葉でしたが、それが転じて「人は尊い存在である」、そして「自分がもっとも尊い存在である」というように間違った表現で解釈されてしまい、誤用が広がってしまいました。

「唯我独尊」というと、とても失礼な言葉だと勘違いされることもしばしばありますが、そもそもはこの言葉の持つ意味の通り、非常に尊い意味を持つ言葉だったというわけです。

このように、誤った意味で利用されている四字熟語は数多く存在します。

間違った用法で使わないように注意しましょう。

「唯我独尊」の使い方や例文は?

正しい意味がわかったところで、次は「唯我独尊」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

これまで間違った意味で使っていたとすると、正しい使い方がわからないかと思いますので、このl機会にしっかりと確認していきたいところです。

この「唯我独尊」という言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

\次のページで「本来はとても尊い意味を持つ「唯我独尊」。正しい意味で使いましょう!」を解説!/

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