
「八方美人」の意味と使い方・例文・言い換え表現は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
「誰にでもいい顔をする人」を表す言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉で言い換えるにはどのような表現をすることができるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。
そこで、ここでは「八方美人」の意味と使い方、言い換え表現について、翻訳経験のある現役ライターの筆者が解説していきます。
誰からもよく思われようと、如才なくふるまう人。
▼多く非難の意を込めて使う。
出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「八方美人」
「八方美人(はっぽうびじん)」の「八方」とは、全ての方角、すなわち東西南北・北東・北西・南東・南西のことです。
「八方美人」という言葉は、もともとは「どこから見ても欠点のない美人」という意味を持っていました。
それが転じて、今では「誰に対しても良い顔をしようとする人」、つまり「皆によく思われようとして手抜かりなく笑顔で愛想よく振る舞う人」のことを批判していう表現となっています。
「彼のような八方美人型の人は仕事の能力以上に協調性が重視される会社員に向いている」
「自分としては彼のような八方美人は好かないが、誰とでも卒なくやっていけるという意味ではきっと職場では重宝されているのだろう」
「あの人は控えめで礼儀をわきまえたしっかり者のように見えるが、実際はただの八方美人主義で目立つ行動はしないだけだ」
「彼は特段仕事ができるとはいえないが、八方美人型で人の機嫌を取るのが上手いから、どこの職場に行ってもうまくやって行けるだろう」
このように「八方美人」は、「人から悪く思われないように誰に対しても良い顔をする人」について言う場合に、「八方美人型」などの形で使うことができる表現です。
「美人」という言葉がつきますが、女性だけでなく男性に対しても使うことができます。ノーと言うことができない、いわゆる「イエスマン」のことですね。
人の顔色をうかがい、自分の意見を言うのが苦手だったり、本音で語り合える友人がいなかったりして、実は孤立しているというのも「八方美人」にはよくあることです。
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