「以心伝心」(読み方:「いしんでんしん」)という言葉を知っているでしょうか?

「君と僕は以心伝心の仲だ」といったような表現で使用される言葉であり、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、知っている!という人も厳密には違う意味を覚えているのかもしれません。

そこで、この記事では「以心伝心」の意味、由来や使い方、対義語、類似語を例文を交えながら、半年で独立したプロブロガーの筆者が解説していきます。

「以心伝心」の意味と使い方

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それでは、「以心伝心」の意味と使い方について解説します。

「以心伝心」の意味とは?

「以心伝心」は、

1.言葉では言い表せない悟りや心理を師から弟子の心へ伝えること

2.心がよく通じ合い、言葉で説明しなくて気持ちが通じること

というような2つの意味を持っていますが、この言葉はもともと「禅宗」で1の意味を表す言葉でした。しかし、現在では2のほうで一般的に用いられ「言葉がなくても互いに心が通じ合うこと」を表す語になっています。

「以心伝心」の由来(語源)

上述の「禅宗」とあるように、もともとは仏教の熟語であり以下のことが由来とされています。


「お釈迦様が大勢の弟子の前で説法する際、何も言わずに一輪の花をひねったところ、その意味を理解できない弟子達の中でただ一人(摩訶迦葉)だけが意味を悟って微笑したため、それを見たお釈迦様は摩訶迦葉に仏教の真理を授けたと告げた」というもの。


つまり、釈迦の教えや信条を伝える際に、言葉を使わない姿のことを以心伝心として伝えられていたのです。


ここから仏教以外の場面、現代の意味を持った以心伝心が使われるようになったと言えるでしょう。

「以心伝心」の使い方と例文

次に、「以心伝心」を例文を使って見てみましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「あの人とはなぜか以心伝心で気持ちが分かる」

「長年の夫婦生活でお互いの気持ちを以心伝心で分かるようになった」

「彼らは以心伝心の仲で、お互いに無言の状況でも理解し合っている」

「彼とは古い付き合いで、ほとんど以心伝心の仲だ」

「他人には分からない微妙なことでも表情を見れば以心伝心で理解できる」

「私と彼女は以心伝心とまではいかないが、十分なコミュニケーションは取れている」

「社長とは長年付き添った間柄なので、何をしたいのか以心伝心で分かるようになった」

「日本代表である二人は、以心伝心のコンビネーションで人気を博している」

 

「以心伝心」は、「会話をせずとも思っていることが分かるほど信頼する相手」などに使用することができます。

「以心伝心」の類義語

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以心伝心の単語の意味を学んでいただいたところで、もう少し理解を深めていただくために、どのような類語があるのか解説していきます。

\次のページで「「以心伝心」の類義語1:一心同体」を解説!/

「以心伝心」の類義語1:一心同体

「一心同体」:複数の人間が心も体も一つになるほど強く結びつくこと。

一心同体は同じ目標に向かって努力している、またはともに何かを成し遂げようとしているときに使用されることが適している言葉です。

「部員たちが一心同体となって行動したので、今年は全国大会を優勝することができた」


「最高の成績を達成するために、社員が一心同体となって働いた」


「勝利のために、チーム全員が一心同体となって頑張っている」


「この二人が一心同体であれば、何が起きても負けることはない」

「以心伝心」の類義語2:拈華微笑

「拈華微笑」:言葉を発さずとも相手の気持ちや思いが分かること、心と心が通じ合っていること。

拈華微笑は故事に由来するもので「言葉を用いず心から心に伝わること」を表しており、以心伝心の例えとされている言葉です。

「苦楽を長年共にしてきた家族は、今では拈華微笑の関係になっている」


「師匠は言葉や文章ではなく、弟子への教えを拈華微笑で伝えることを何よりも大切にしている」


「僕と彼女は拈華微笑で通じ合っているといえる仲だ」

「以心伝心」の類義語3:教外別伝

教外別伝(きょうげべつでん):悟りは言葉や文字で伝えられるものではなく、直接心から心へと伝えるものであるということ。

仕事や趣味で、技術を見て覚えるということが一度でもなかったでしょうか?そのような直接的な体験させることで、師から弟子へと伝えたい事を「伝える」というときに使用する言葉です。

「師匠からの贈り物である奥義の書は白紙だったが、教外別伝としてすでに奥義は受け継がれていることを弟子は気がついた」


「教外別伝、華道には文字や言葉で伝えることができない奥深さがあるのです」


「教外別伝、師匠の背中が悟りとは何か、ということを自分に語り掛けてくれているように感じた」

\次のページで「「以心伝心」の対義語」を解説!/

「以心伝心」の対義語

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ここで「以心伝心」にはどのような対義語があるのか解説していきます。

「以心伝心」の対義語:隔靴掻痒

隔靴掻痒(かっかそうよう、かくかそうようとも読む):物事が思うようにいかず、もどかしい様子のこと。

自分の思った通りに進まないと、イライラしてしまうことはありませんか?そのような場合に適している言葉です。

「隔靴掻痒たるこの状況は、芯の通った彼女の性格からして受け入れづらかっただろう」


「このような隔靴掻痒なところが好きではない、なぜ善悪をはっきり指摘しないのか」


「問い詰めれば問い詰めるほど、都合の良い話をしていることに対して、隔靴掻痒で腹立たしいと思えた」


「場合によっては問題を指摘すべきだが、それができない彼女に隔靴掻痒の感が無いと言うことができない」

「以心伝心」を上手く使いこなそう

以上、「以心伝心」の意味や由来、使い方についてまとめました。

言葉は本来コミュニケーション、意思伝達のためにあるものですが、「以心伝心」というと言葉に頼らなくても相手に思いや意思が伝わることを表しています。

たとえば長年一緒に過ごしている夫婦や家族、気心が知れた(もしくは似通った)友人などは、会話をしていなくても相手の気持ちが理解できることがありますよね。「以心伝心」は言葉を越えたものがある関係を表すことができるのです。

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言葉の意味

「以心伝心」の意味と使い方・例文・類義語・対義語は?現役のブロガーがサクッとわかりやすく解説!

「以心伝心」の類義語1:一心同体

「一心同体」:複数の人間が心も体も一つになるほど強く結びつくこと。

一心同体は同じ目標に向かって努力している、またはともに何かを成し遂げようとしているときに使用されることが適している言葉です。

「部員たちが一心同体となって行動したので、今年は全国大会を優勝することができた」


「最高の成績を達成するために、社員が一心同体となって働いた」


「勝利のために、チーム全員が一心同体となって頑張っている」


「この二人が一心同体であれば、何が起きても負けることはない」

「以心伝心」の類義語2:拈華微笑

「拈華微笑」:言葉を発さずとも相手の気持ちや思いが分かること、心と心が通じ合っていること。

拈華微笑は故事に由来するもので「言葉を用いず心から心に伝わること」を表しており、以心伝心の例えとされている言葉です。

「苦楽を長年共にしてきた家族は、今では拈華微笑の関係になっている」


「師匠は言葉や文章ではなく、弟子への教えを拈華微笑で伝えることを何よりも大切にしている」


「僕と彼女は拈華微笑で通じ合っているといえる仲だ」

「以心伝心」の類義語3:教外別伝

教外別伝(きょうげべつでん):悟りは言葉や文字で伝えられるものではなく、直接心から心へと伝えるものであるということ。

仕事や趣味で、技術を見て覚えるということが一度でもなかったでしょうか?そのような直接的な体験させることで、師から弟子へと伝えたい事を「伝える」というときに使用する言葉です。

「師匠からの贈り物である奥義の書は白紙だったが、教外別伝としてすでに奥義は受け継がれていることを弟子は気がついた」


「教外別伝、華道には文字や言葉で伝えることができない奥深さがあるのです」


「教外別伝、師匠の背中が悟りとは何か、ということを自分に語り掛けてくれているように感じた」

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