言葉の意味

「臥薪嘗胆」の意味・由来・使い方と類義語・対義語。国語科の教員がサクッとわかりやすく解説!

「臥薪嘗胆」(読み方:がしんしょうたん)という四字熟語は、比較的有名な故事成語の一つです。

とはいえ日常生活において頻繁に用いられる語ではないため、具体的にどのような意味を持つ言葉なのか、またどのような由来があるのかといった周辺知識をお持ちでない方もいるかもしれません。

そこで国語科の教員である私が、「臥薪嘗胆」という四字熟語の由来・意味と使い方、またその類義語・対義語を解説したいと思います。

「臥薪嘗胆」とは

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「臥薪嘗胆」の由来

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伝説時代から前漢の武帝までの歴史が記されており、『日本書紀』の模範ともなった『史記』(しき)や、太古から南宋(なんそう)の滅亡までの約四千年の歴史が時系列で簡潔に記された『十八史略』(じゅうはっしりゃく)が出典となっています。

中国の春秋時代、呉王・夫差(ふさ)は、父の仇(かたき)である越王・句践(こうせん)を討つために薪(たきぎ)の上に寝ることで復讐心をかき立て、長い艱難(困難に出会い、苦しみ悩むこと)の末、会稽山(かいけいざん)にて句践を破りました。

一方、夫差に敗れた句践は命乞いをし、自分は臣下に下り妻は召使いになるなど、様々な恥辱を受けました。苦い肝を寝床に掛けておいて、目が覚めるたびにそれを嘗め(なめ)ることによって屈辱を忘れまいとし、後に夫差を破ったという故事成語から来ています。

このことから、「敗戦の恥をすすぎ仇(あだ)を討とうと、労苦を自分自身に課し、苦労を重ねること」という意味の「臥薪嘗胆」が生まれました。

「臥薪嘗胆」の意味

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「臥薪嘗胆」には以下のような意味があります。

目的を果たすため、努力と苦労を重ねること。
出典:新明解四字熟語辞典・第2版。三省堂

また、またそこから転じて

将来の成功を期待して長い間試練に耐えて苦労すること

という意味もあります。

ちなみに、「臥薪」とは「薪(たきぎ)の上に寝る」という意味で、「嘗胆」とは「苦い肝を嘗める(なめる)こと」という意味です。

「会稽之恥」という四字熟語も

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また、上記の由来からできた四字熟語に「会稽之恥」(読み方:かいけいのはじ)というものもあり、以下のような意味があります。

敗戦の屈辱のこと。また、人から受けた忘れられないほどの屈辱。
積年の恨みや恥辱にもいう。
出典:新明解四字熟語辞典・第2版。三省堂

一般に「会稽の恥を雪(すす)ぐ」という形で用いられ、長年の恨みを晴らすことや名誉を回復することを意味します。

「臥薪嘗胆」の使い方・例文

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次に、「臥薪嘗胆」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

\次のページで「「臥薪嘗胆」の類義語」を解説!/

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