
「切磋琢磨」とは?意味と使い方・由来・例文は?小説作家である筆者がサクッとわかりやすく解説!
前向きさや向上心を表すポジティブな言葉であることから、個人の抱負や座右の銘として掲げている人や、就職・転職の面接時には自身の性質をアピールする言葉として活用しようと考えているケースも多いかもしれません。
そこで、ここではこの言葉が具体的にどのようなことを表すのか、「切磋琢磨」の意味と使い方、また言葉の由来について、学生時代から小説をたくさん書き、現在もライターとして活動している筆者が説明していきます。
「切磋琢磨」の意味
まず、「切磋琢磨」の意味を部分的なところから見ていきましょう。
「切磋」「琢磨」という語には、次のような意味があります。
「切磋」は、「骨や角、石、玉などを切って磨く」といった意味があり、そこから「技芸や学問に熱心に努めること」を表しているのです。
また「琢磨」については、「玉や石を打って磨く」ことを意味し、そこから転じて「学問・技芸などに努めてそれらを向上させること」をいいます。
そして、これらの語を合わせた「切磋琢磨」は、「学問や道徳、技芸などに励む(熱心に行う)こと」、また「仲間同士で戒め合う、また励まし合ったり競い合ったりして学問や道徳心を磨くこと」を表す言葉を言うわけですね。
どちらかと言うと「仲間同士で高め合う」という意味が知られていますが、それと併せて「学問・技芸・人格などを高めること」という2つの意味を持っています。
「切磋琢磨」の由来

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次に、「切磋琢磨」の語源について見ていきましょう。
この言葉の由来は、孔子が編成した中国最古の詩歌集「詩経」。
「詩経」とは305篇で構成されており、その中の「衛風淇奧」という篇にある「如切如磋、如琢如磨」という一説に基いたものとされています。
「切磋琢磨」使い方・例文
それでは、次に「切磋琢磨」の使い方を例文を見ていきましょう。
この言葉は、よりいっそう自分を磨き上げるという意味から、
以下のように用いることができます。
例文を紹介しますので、ぜひ、ご参考にしてみて下さい。
1.上司と部下の会話の例1
部下:こないだ行われた、加工業務の資格試験に合格出来ました!
上司:すごいじゃないか。毎日「切磋琢磨」して、マジメに取り組んだ賜物だな。
2上司と部下の会話の例2
上司:今年入社したら、3年後に昇格試験があると言われているんだ。
もし、3年間向上心が続かなければ試験は、絶対に受からないよ。
だから、今から「切磋琢磨」して仕事のことを身に着けていく必要があるんだ。
部下:分かりました。これからは、意識を高く保ち、周りから認めてもらえるように
取り組んでいきます。
3.上司と部下の会話の例3
部下:将来がとても不安です。どうやって進めていけばいいかが分からないです。
上司:ここの会社では、仕事の範囲も狭いから社外に出て、研修が出来るように
設定するよ。社外研修に行って、「切磋琢磨」できる環境に身を置くことで、
今の不安も消すことが出来ると思うよ。
4.先輩と後輩の会話の例
後輩:先週、サッカーの試合でライバルのチームに勝つことが出来ました!
先輩:やったじゃないか!昔からみんなで「切磋琢磨」がんばっていたのをずっと
見ていたからうれしいよ。
5.生徒と先生の会話の例
生徒:先生、どうやったら機械学科の大学に合格出来きますか?
先生:そうだな、まずは、目標が同じ友人を見つけてだな。
それから諦めずにお互いが「切磋琢磨」し合う関係が築けたら、必ず、
合格出来るよ。
6.父親と子供の会話の例1
子供:将来、テレビの解説者になりたいと思っているんだ。
父親:それは、良いことだ。今からやるべきことは、可能な限り、
国語辞典をいっぱい読んで、たくさんの知識が身につくまで
「切磋琢磨」する必要があると思うよ。
7.父親と子供の会話の例2
子供:朝日新聞社の月別おすすめ記事にスポーツランキングの案内があったよ。
父親:良く見つけたね。
お父さんは、スポーツがとても好きなんだよ。
特にね、複数人で行う団体スポーツの場合、一人一人が「切磋琢磨」して
チームのために貢献しようとがんばっているんだよね。
そこには、選手同士の友情が芽生えるから、見てると感動するんだよ。
「切磋琢磨」は、目標に向かって行動していることが重要だと言えます。
一つ一つの積み重ねは、無駄ではない。
「切磋琢磨」な行動は、経験値であって、目標達成するためには必要であるということが大事ですね。
「切磋琢磨」の類義語・言い換え表現

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次に、「切磋琢磨」の類義語や言い換え表現について見ていきましょう。
まず、「切磋琢磨」と近い意味がある言葉には以下のようなものがあります。
・研鑽する
・腕を磨く
これらは、以下のように使うことが可能です。
「研鑽する」:法律の専門家になるために「自己研鑽」を図る。
「腕を磨く」:日本一の大工になるために毎日「腕を磨く」。
このように技術や能力を向上させる意味があることから、これらの語を「切磋琢磨」と置き換える形で使って近い意味のことを述べることができます。
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