「青天の霹靂」(読み方:「せいてんのへきれき」)ということわざを聞いたことがある人は多いと思います。

ただしよく知られていることわざとはいっても、具体的にどのようなことを表している言葉なのか、またどのような使い方をすることができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、今回は「青天の霹靂」の意味と使い方を例文を交えながら、「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「青天の霹靂」の意味や由来・英訳・使い方・例文

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それでは、これから「青天の霹靂」の意味や由来から使い方まで、説明していきます。

#1 「青天の霹靂」の意味は?

まず、「青天の霹靂」には以下のような意味があります。

(青く晴れた空に突然おこるかみなりの意から)思いがけずにおこる突発的事変。

出典:精選版 日本国語大辞典「青天の霹靂」

「青天の霹靂」は「青天」と「霹靂」が語源となってできた言葉です。「青天」は、字の通りに「青く澄み渡った空、晴れた空」を表し、「霹靂」は「雷、いかずち、雷鳴」を表す言葉となっています。つまり、「晴れた空に突然に鳴り響く雷」を表し、そこから転じて「思いがけず突然起こる出来事、変化や大事件」を表しているのです。

なお、「晴れた空に突然の雷」というと「穏やかな生活に突然やってきた悪い出来事」といった良くないイメージが浮かびますが、「青天の霹靂」は必ずしも良くない出来事が起きた時に限って使うものではなく、あくまで「急に起こった出来事、変化、事件」、つまり「突然の状況変異」を表す語となっています。

#2 「青天の霹靂」の由来は?

次に、「青天の霹靂」の由来について見ていきましょう。この言葉は、中国の詩人である陸游の作品「九月四日鶏未鳴起作」に出てくる“青天、霹靂を飛ばす”という表現から来ています。陸游が病気で寝込んでいた際に、突然起き上がり、勢いよく筆を走らせた様子を雷に例えてできた言葉です。そのため、本来は筆勢の激しさを表した言葉でもあります。

#3 「青天の霹靂」を英訳すると?

次に、「青天の霹靂」の英訳を見ていきましょう。「青天の霹靂」を英訳すると以下のようになります。

●a bolt from the blue
「bolt」は「雷、稲妻」、「the blue」は「青い空」を表しているため、この文の直訳は「青空から稲妻」です。英語も、日本語とほぼ同じような表現ですね。この他にも、「out of the blue」 という表現などもあるようです。

#4 「青天の霹靂」使い方・例文

それでは次に、「青天の霹靂」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、上記のように「予期しないことが起こって突然状況が変わることになった」ことについて述べる場合に、たとえば以下のように用いることができます。

\次のページで「「青天の霹靂」の類義語・対義語は?」を解説!/

「受賞の知らせはまさに青天の霹靂だった」
「その報道は業界にとって青天の霹靂ものだった」
「宝くじで大金が当たったことは彼女にとって青天の霹靂であった」
「その青天の霹靂ともいえる知らせに、社内に衝撃が走った」
「彼の突然の死は彼女にとってまさに青天の霹靂だった」

ちなみに、「晴れた空」を表す語として「晴天」がありますが、「青天」をこの字で表記して「晴天の霹靂」とすると間違いとなります。意味としては通じますが、陸游の作品が由来であるため、正しくは「青天」となるのです。

「青天の霹靂」とは、「思いがけず突然起こる出来事、変化や大事件」のことを表し、「その知らせは青天の霹靂だった」などと表現することができます。なお、「青天」は「晴天」で表記されることもあり、意味も同じですが、作品の中の表現がそのまま由来となっているため、正確には「青天の霹靂」が正しいです。

「青天の霹靂」の類義語・対義語は?

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続いて、「青天の霹靂」の類義語・対義語についてそれぞれ見ていきましょう。

#5 類義語「根耳に水」「藪から棒」

まず、「青天の霹靂」の類義語を見ていきましょう。この言葉の類義語には、「寝耳に水」「藪から棒」などがあります。以下がそれぞれの意味です。

【寝耳に水】まったく思いがけず、突然なできごとをいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「寝耳に水」

【藪から棒】他人からの働きかけが、その手前の動作や発言と関連が全くなく、唐突であるさまのたとえ。だしぬけであるさま。突然であるさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「藪から棒」

\次のページで「対義語「青天の霹靂」」を解説!/

「寝耳に水」は、寝ているときに急に耳に水が入ってきてびっくりしている例えから、不意なできことが起こって驚くことを意味しています。「藪から棒」は、藪の中から突然棒が突き出るさまを表し、前触れもなく突然に物事を行ったり、発言することを表した表現です。

#6 対義語「青天の霹靂」

最後に、「青天の霹靂」の対義語について見ていきましょう。この対義語には「予定調和」があげられます。「予定調和」とは、ある物事などが予想していた通りに進み、結果も予想通りとなることです。計画的で意外性がないこと、また最初から決まっていた結果を指すため、時として落胆的な皮肉を込めて使われる場合があります。

「青天の霹靂」を使いこなそう

以上、「青天の霹靂」の意味などについて説明しました。このことわざは、「予想外の突然の状況変異」を表している言葉です。また、この言葉の類義語には、「寝耳に水」「藪から棒」などがあり、対義語には「予定調和」があります。

「青天の霹靂」のような状況に遭遇すると、戸惑ったりパニックになったりしそうです。「予定調和」とまではいかなくても、できるだけ落ち着いて物事に対応できるよう心掛けたいですね。

 

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言葉の意味

「青天の霹靂」とは?意味と使い方・例文は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説!

「受賞の知らせはまさに青天の霹靂だった」
「その報道は業界にとって青天の霹靂ものだった」
「宝くじで大金が当たったことは彼女にとって青天の霹靂であった」
「その青天の霹靂ともいえる知らせに、社内に衝撃が走った」
「彼の突然の死は彼女にとってまさに青天の霹靂だった」

ちなみに、「晴れた空」を表す語として「晴天」がありますが、「青天」をこの字で表記して「晴天の霹靂」とすると間違いとなります。意味としては通じますが、陸游の作品が由来であるため、正しくは「青天」となるのです。

「青天の霹靂」とは、「思いがけず突然起こる出来事、変化や大事件」のことを表し、「その知らせは青天の霹靂だった」などと表現することができます。なお、「青天」は「晴天」で表記されることもあり、意味も同じですが、作品の中の表現がそのまま由来となっているため、正確には「青天の霹靂」が正しいです。

「青天の霹靂」の類義語・対義語は?

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続いて、「青天の霹靂」の類義語・対義語についてそれぞれ見ていきましょう。

#5 類義語「根耳に水」「藪から棒」

まず、「青天の霹靂」の類義語を見ていきましょう。この言葉の類義語には、「寝耳に水」「藪から棒」などがあります。以下がそれぞれの意味です。

【寝耳に水】まったく思いがけず、突然なできごとをいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「寝耳に水」

【藪から棒】他人からの働きかけが、その手前の動作や発言と関連が全くなく、唐突であるさまのたとえ。だしぬけであるさま。突然であるさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「藪から棒」

\次のページで「対義語「青天の霹靂」」を解説!/

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