ビジネスにおいて何らかの書類を送る場合、また就職・転職活動の応募書類を送付する場合など、必要書類に送付状を添えて送るケースがあります。

今回の記事では、主にビジネスの場面において使用する送付状の挨拶文に用いる言葉の意味と使い方について、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

ビジネスなどの送付状で挨拶文に用いる言葉5つ 意味と使い方

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挨拶文には、清栄・清祥・盛栄・隆昌・時下などの言葉がよく使われます。代表的なこの5つの言葉について、意味や使い方を見ていきましょう。

#1 清栄(せいえい)

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「清栄」の「栄」は「繁栄」のことで、「清く栄えること」という意味を表し、「相手の健康や繁栄などを祝う」挨拶として用いられる言葉です。企業だけでなく、個人宛の手紙にも使うことができます。

送付状の挨拶文などに使う例文は、次の通りです。

「拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
「拝啓 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」
「○○様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」

#2 清祥(せいしょう)

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「清祥」の「祥」は、「さいわい」「めでたい」の意味を表し、「相手が健康で幸福に暮らしていることを喜ぶ言葉」として用いられる言葉で、個人宛の挨拶文に向いています。

「清祥」を使った例文は、次の通りです。

「皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます」
「貴下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます」
「◯◯様におかれましてはいよいよご清祥の由、慶賀の至りに存じます」

#3 盛栄(せいえい)

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「盛栄」の「盛」は「商売繫盛」のことで、「商売などが盛んであること」「相手の商売繁盛を祝う言葉」という意味を持つ言葉です。会社が栄えていることを祝うものですが、相手が個人であっても、商売をしている場合には使えます。

使い方は次の通りです。

「貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」
「貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。」
「時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

\次のページで「隆昌(りゅうしょう)」を解説!/

#4 隆昌(りゅうしょう)

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「隆昌」の「隆」も「昌」も「さかん」という意味です。「勢いの盛んなこと」「非常に栄えていること」を褒めたたえる言葉で、主に企業に対して使います。

例文は次の通りです。

「貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます」
「貴社ますますご隆昌の段、何よりでございます」
「貴社におかれましては益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます」

「盛栄」「隆昌」は商売繁盛を讃える言葉ですので、相手の商売がうまくいっているかどうか不確かな場合には、この言葉を避けて「清祥」などを使う方が無難です。

#5 時下(じか)

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「時下」には、「近頃・この頃・この節・ただいま」といった意味があり、手紙やメール、ビジネス文書などに使う言葉です。

季節に関係なく使えるので、時候の挨拶に迷ったときには便利ですよね。

「時下」は必ず冒頭で使います。結びの言葉としては使用できませんので、注意してください。

使い方は次の通りです。

「時下、益々ご健勝のことと存じます」
「時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
「時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」

その他の言葉

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上で紹介した5つの言葉以外にも、次のようなものがよく使用されます。

繁栄(はんえい):豊かに栄えていること

健勝(けんしょう):体が丈夫ですこやかなさま

多幸(たこう):とても幸せであること

発展(はってん):物事が今よりも良い方向へ進んでいくさま

\次のページで「基本的なビジネス送り状の書き方」を解説!/

注意しておきたいのは、相手が喪中の場合です。

これまで紹介してきた言葉はどれも、相手の繁栄や健康を祝うものですから、喪中の際には避けた方が良いでしょう。

代わりに、「平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます」のような、日ごろお世話になっていることに感謝する意味合いの表現を使います。

基本的なビジネス送り状の書き方

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基本的なビジネスの送付状の形は、次の通りです。

まず、上の部分には発信または送信する日付、宛名(会社名、部署名、担当者名)、そして差出人の会社名、住所、氏名を書きます。

本文は、前文(挨拶文)、主文(用件)、末文の形です。

最後に「記書き」の形で主文と分けて、書類の内容を記す場合もあります。

送付状は、「誰がどんな目的で何を送るのか」を明確に示すためのものです。送付状があれば、中身が何であるかいちいち確かめる手間を省くことができます。

それに、文書だけを無造作に送るのは、挨拶なしにいきなり本題に入るようなもの。相手を不快な気持ちにさせないためにも、送付状を同封することをおすすめします。

相手の状況を考えて言葉を選ぼう

以上、送付状の挨拶文によく使用される言葉の意味や使い方を紹介しました。

「清栄」「盛栄」「清祥」といった言葉は、いずれも文面においては同じように使用されますが、どれも全く同じということではありません。それぞれ違った意味や使い方をするため留意しておく必要があります。

また、上記に挙げた単語は、普段の生活ではあまり馴染みのない言葉でしょう。しかし、ビジネスの場面では活用する機会が多いため、どんなケースで適切に使用できるのかについて気を付けてみてください。

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言葉の意味

ビジネスなどの送付状で挨拶文に用いられる言葉5つそれぞれの意味と使い方は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

#4 隆昌(りゅうしょう)

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「隆昌」の「隆」も「昌」も「さかん」という意味です。「勢いの盛んなこと」「非常に栄えていること」を褒めたたえる言葉で、主に企業に対して使います。

例文は次の通りです。

「貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます」
「貴社ますますご隆昌の段、何よりでございます」
「貴社におかれましては益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます」

「盛栄」「隆昌」は商売繁盛を讃える言葉ですので、相手の商売がうまくいっているかどうか不確かな場合には、この言葉を避けて「清祥」などを使う方が無難です。

#5 時下(じか)

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「時下」には、「近頃・この頃・この節・ただいま」といった意味があり、手紙やメール、ビジネス文書などに使う言葉です。

季節に関係なく使えるので、時候の挨拶に迷ったときには便利ですよね。

「時下」は必ず冒頭で使います。結びの言葉としては使用できませんので、注意してください。

使い方は次の通りです。

「時下、益々ご健勝のことと存じます」
「時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
「時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」

その他の言葉

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上で紹介した5つの言葉以外にも、次のようなものがよく使用されます。

繁栄(はんえい):豊かに栄えていること

健勝(けんしょう):体が丈夫ですこやかなさま

多幸(たこう):とても幸せであること

発展(はってん):物事が今よりも良い方向へ進んでいくさま

\次のページで「基本的なビジネス送り状の書き方」を解説!/

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