
5月に送る手紙の挨拶文に用いる「春の終わり」を表す言葉5つ意味と使い方は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説
#3 惜春(せきしゅん)

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「惜春」には、「春の過ぎるのを惜しむこと、行く春を惜しむこと」といった意味を持つ言葉です。
「惜春の候」は、「春が過ぎ去ることを惜しむ季節になりました」という意味になります。
「惜春」を使った例文は、次の通りです。
「惜春の候、皆様お元気でお過ごしでしょうか」
「惜春の折から、皆様のますますのご健勝をお祈り申し上げます」
春を惜しむという考え方

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「惜春」は文字通り「過ぎ行く春を惜しむ」ということですが、「春惜しむ」の言葉もあります。
四季がはっきりしている日本では、過ごしやすい春と秋がとても好まれてきました。その証拠に、「惜春」「惜秋」という言葉はありますが、夏と冬にはありません。
昔の人はまた、春から夏へと季節が移っていく美しい自然の様子を詩歌で表現してきました。
春を惜しむことを表す季語には、他にも「行く春」「春探し」などがあります。
#4 向暑(こうしょ)

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「向暑」には、「暑い時節に向かうこと」といった意味を持つ言葉です。これに対する言葉に、寒さに向かう意味の「向寒」があります。
時季は立夏から芒種の前日(5月5日頃から6月5日頃まで)の梅雨入り前だとされていますが、6月は西日本では梅雨入りしている場合もあるため、5月末までと考えた方が無難でしょう。
「向暑」は、晩春(や初夏)における手紙の挨拶文や結びの言葉において、次のように使用することができます。
「向暑の候、いかがお過ごしでしょうか」
「向暑の折から、くれぐれもご自愛ください」
「向暑のみぎり、ご自愛専一のほどお祈り申し上げます」
#5 暮春(ぼしゅん)

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「暮春」には、「春の暮、春の末、晩春、春の終わりごろ」という意味を持つ言葉で、旧暦3月の異称でもあります。
「暮春の候」はやはり清明(4月5日頃)から立夏の前日(5月5日頃)までに使える時候の挨拶です。
この言葉は、次のようなあいさつ文に使います。
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