言葉の意味

2月に送る手紙の挨拶文・結びの言葉に使う言葉の意味と使い方。新聞記者歴29年の筆者が解説!

「浅春」(せんしゅん)

短歌・俳句の春の季語としては「春浅し」といった形で使われますが、手紙などで使う場合は「浅春」あるいは「春浅」となります。

字の通り、春が浅い時期のことを指し、立春を過ぎたのにまだ春めいていない気候を表現する言葉です。地域によって差はありますが、本格的な春を迎える前の、3月初旬ごろまで使うことができる言葉でしょう。

そして、手紙の挨拶文において、以下のように用いることができます。

「浅春の候、まだまだ寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか」

「浅春のみぎり、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます」

「早春」(そうしゅん)

「春は名のみの…」でおなじみの「早春賦」の歌詞を思い起こすとよいでしょう。「早春」のころは、暦では春だと言うのに、風は冷たく気候はまだ冬のよう。そうした中でも、木々の芽が確実に膨らみ始めていることに気づく瞬間があるのではないでしょうか。

後に「早春の候」「早春の折」と続けて、手紙の挨拶文において以下のように用いることができます。

「早春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「早春の候、皆様にはますますご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます」

「早春の折から、いくらか寒さも緩みはじめましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか」

「向春」(こうしゅん)

「春が訪れようとしている」ことを表す「向春」は、手紙の挨拶文ならではの特徴的な言葉です。

たとえば以下のように用いることができます。

「向春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」

「向春のみぎり、皆様にはお元気で過ごしのことと存じます」

「向春の候、梅がほころび始め春の気配が感じられるようになりました」

「梅花」(ばいか)

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「梅花」は字の通り「梅の花」のことを言います。梅の花は春の訪れを告げるものとして、古くから親しまれてきました。

奈良時代に成立した漢詩集『懐風藻』には「淑気浮高閣、梅花灼景春(しゅくきこうかくにうき、ばいかけいしゅんにかがやく)」とあります。輝くばかりに咲き誇る梅の花が、華やかで喜ばしい春の空気をもたらしている、といった感じでしょうか。

手紙の挨拶文においては、以下のように用いることができます。

「梅花の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」

「梅花のみぎり、寒さの中にも春の兆しが感じられるようになって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか」

「梅花のみぎり、寒気の中にも梅がほころび始め、少しずつ春めいてまいりました」

「解氷」(かいひょう)

「解氷」は「冬の間に張っていた氷が、春になって解けること」を指しています。特に冬の寒さが厳しい地域では、池や湖の氷が解け始めると、春の到来を実感することができるでしょう。

平安〜鎌倉時代の歌人・西行は「岩間とぢし氷も今朝は解け初めて苔の下水道もとむらん」と詠んでいます。解け始めた氷から少しずつ水が流れ出している様子を見て、春を感じたのでしょう。

2月に送る手紙の挨拶文において、以下のように用いることができます。

「解氷のみぎり、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます」

「解氷の候、柔らかな日差しに春の訪れも近いと感じる今日このごろですが、皆様はいかがお過ごしですか」

「解氷の折からいくらか寒さも緩み、そこはかとなく春の気配を感じるようになりました」

美しい言葉で季節のご挨拶を

以上、2月に送る手紙の挨拶文などに使用する言葉11個の意味や使い方を紹介しました。

実際には2月はまだ厳しい寒さが続く時期ですが、暖かい地域では木々が芽吹き、春の花がほころび始めています。立春を迎えると暦の上では春になることから、寒さだけを表現することなく、「向春」「早春」「梅花」などの春の気配が感じられる言葉、春が訪れようとしていることを表す言葉を使って季節感を表現しましょう。

意味的には近い語が多くありますが、それぞれニュアンスや語感が微妙に違います。その時々の状況によって適切なものを選び、季節が移り変わる時期特有の華やいだ気持ちや期待感を表すとよいでしょう。

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