言葉の意味

2月に送る手紙の挨拶文・結びの言葉に使う言葉の意味と使い方。新聞記者歴29年の筆者がわかりやすく解説!

2月、立春を過ぎれば暦の上では春、と言っても、まだまだ寒い日が続いたり、冬の名残を感じることが多い時期です。今回の記事では、そのような2月に送る手紙の挨拶文などに使用する、季節感を表現する言葉11個「晩冬」「節分」「立春」「余寒」「春寒」「残寒」「浅春」「早春」「向春」「梅花」「解氷」の使い方を紹介します。それぞれどのような意味があり、どのような言い回しをすると美しいのか、新聞記者歴29年の筆者が詳しく解説します。

2月にふさわしい言葉の意味と使い方は

それでは、ここから手紙の挨拶文などに使用される言葉を11個挙げて、意味や使い方(使用例)を紹介していきます。

ちなみに、これらの言葉は、二十四節気(にじゅうしせっき)と深いかかわりがあるので、押さえておくとよいでしょう。二十四節気とは、一年の四季を冬至・立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬を目安に8つに分け、さらにそれぞれを3つに分けるという、季節の移り変わりを捉えるための古くからある考え方です。

2月は二十四節気でいうと、立春・雨水(うすい)にあたります。

「晩冬」(ばんとう)

「晩冬」は「冬の最後のひと月」のことを指します。正確には、二十四節気でいうところの小寒(1月5日ごろ)から立春(2月4日ごろ)の前日までの間です。晩冬も終わりのほうになれば、次第に春の兆しが見え始めることでしょう。

手紙の挨拶文において以下のように用いることができます。

「晩冬のみぎり、厳しい寒さが続いておりますがお元気でお過ごしでしょうか」

「晩冬の候、皆様いかがお過ごしですか」

「晩冬の候、暖かい春の訪れが待ち遠しい今日このごろですが、皆様にはお変わりありませんでしょうか」

「節分」(せつぶん)

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2月3日の「節分」には、豆まきをして邪気を払う風習が現在にも受け継がれています。本来は立春の前日のことを指し、冬から春への季節の変わり目を意味していました。

手紙の挨拶文において、以下のように用いることができます。

「節分を過ぎましたのに、相変わらず寒い日が続いております」

「節分を過ぎ、梅の開花が待たれる頃となりました」

「立春」(りっしゅん)

「立春」は2月4日ごろです。この日から立夏(5月5日ごろ)の前日までが、暦の上での春ということになります。つまり、この日が「春が始まる日」と言ってよいでしょう。

2月4日以降に送る手紙の挨拶文においては、以下のように使用することができます。

「立春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます」

「立春とはいえまだまだ寒い日が続いておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」

「立春とは名ばかりの寒さが続いております」

 

「余寒」(よかん)

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冬の寒さは立春を過ぎると「余寒」や「春寒」と呼び名が変わります。そのうち「余寒」は「冬の寒さがなお続いている」という意味です。

そして、立春後に送る手紙の挨拶文や結びの言葉に、以下のように用いることができます。

「余寒厳しき折から、お風邪など召されませぬようお気を付けください」

「春とはいえ余寒厳しき今日このごろ、皆様には変わりありませんでしょうか」

「余寒の候、いまだ春も浅きこのごろではございますが、いかがお過ごしですか」

「春寒」(はるさむ・しゅんかん)

「春寒」は「余寒」と同じく「立春以降の寒さ」のことを言います。ただ、寒い中にあっても季節は少しずつ春に近づいており、そうした明るさや期待感を表す言葉です。

そして、手紙の挨拶文や結びにおいて、以下のように用いることができます。

「春寒の候、皆様にはご健勝にてお過ごしのこととお慶び申し上げます」

「春寒の折、体調を崩されることのないようくれぐれもご自愛ください」

「春寒のみぎり、風邪など召されませぬようお気を付けてお過ごしください」

「残寒」(ざんかん)

「残寒」は「立春が過ぎた後の寒さや寒い日」のことを言います。暦の上では寒が明けたと言っても、まだ寒い日が続いていることを表現する言葉です。

以下のように、相手の体調を気遣う挨拶文や結びの言葉に用いることができます。

「残寒の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」

「残寒のみぎり、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」

「残寒厳しき折から、ご自愛専一のほどお祈り申し上げます」

\次のページで「「浅春」(せんしゅん)」を解説!/

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